岩室温泉湯めぐりパスポート

 岩室温泉では3月5日~本日まで、「アートサイト岩室温泉2011」という催しをやっており、岩室温泉の参加旅館に武蔵野美術大学の卒業・修了制作展の中から選びぬかれた作品が展示されています。

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 スタンプラリーがあり、スタンプを集めると旅館の入浴が無料となる特典があります。これに参加することも考えましたが、湯めぐりパスポート(3軒で1200円)が期間限定で発売されており、これを利用して入浴してきました。

 通常は立ち寄り湯不可の旅館の参加があり、期待して行ったのですが、日曜日ということもあってか、狙った旅館は入浴不可ばかり。結局2軒を利用して帰ってきました。

 1軒目は「割烹旅館・松屋」です。温泉街の中ほどにある小さな割烹旅館であり、ここは源泉100%掛け流しが自慢の宿です。

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 浴室は階段を数段下がった所にありました。浴室前の廊下に洗面台がありますが、脱衣場は大変狭く、ここには洗面台はありません。浴室へは2つの入り口がありました。

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 明るい半円形の浴室に、半円形の浴槽があり、源泉がたっぷりと注がれ、掛け流されていました。浴室内にはもうもうとした湯気とともに軽いアブラ臭が充満し、源泉の良さが伝わってきました。湯は無色透明ですが、塩辛く、大量の湯花が浮遊しています。小さな浴槽には十分すぎるほどの源泉が注がれており、湯の鮮度の高さに感激しました。

 源泉名は岩室温泉(新)。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉。源泉温度41.8℃で、ガス性除く成分総計は8005mg/kgです。「この温泉は源泉から硫化鉄を除去し、加温したものです」と書いてありました。
 温泉組合からの共同配湯を受けているものと思いますが、小さな浴槽に十分量の源泉供給があり、生の源泉の素晴らしさを堪能できました。

 2軒目は「旅亭・松葉屋」です。温泉街の北側のはずれの「霊雁の湯源泉公園」近くにあります。入浴をお願いすると、きれいなお姉さんが快く浴室に案内してくれました。

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 浴室は大浴槽があるのみで、ちょっと狭く感じますが、湯がたっぷり注がれ、オーバーフローされていました。加水・循環され、若干のカルキ臭が感じられました。
 
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 湯は無色透明で塩味がしますが、加水された分、薄味です。湯口には源泉の投入もあり、この源泉をなめてみると、塩味が強く、アブラ臭・アブラ味のある素晴らしいものでした。加水・循環とは言え、オーバーフローが多く、気持ち良く入浴できました。

 湯めぐりパスポートは3軒利用できるのですが、主だったところは「入浴できません」の掲示ばかり。全部の旅館を回って確かめる余裕はなく、今回はこの2軒で我慢しました。催しの期間が今日までというのが残念でした。もっと早くこの催しを知っていたら、計画的に旅館巡りできたのですが、今さらしょうがないですね。

 でも、今日訪問した2軒の旅館はいずれも貸し切りでの利用ができて最高でした。旅館の方も気持ち良く迎えてくれて良かったです。
 特に「松屋」の大量の湯花が漂う源泉かけ流し浴槽は最高でした。「よりなれ」を含め、最近の岩室温泉の各施設では循環ばかりで、真の源泉は味わえないものと誤解していましたが、岩室温泉の源泉の素晴らしさに感激しました。
 岩室というと「だいろ」の方が上という印象を持っていましたが、こちらも素晴らしいものです。小さな旅館の小さな浴槽ほど源泉の良さが味わえるということを再認識しました。

 帰りに「霊雁の湯源泉公園」を見てきました。ちょうど地元の方がおられ話を聞くことができましたが、昔はこの場で源泉が湧いていたそうですが、今は枯れてしまっているとのことでした。

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 どの温泉地も集客に難渋していることでしょうが、岩室温泉も利用客が減っていると聞きます。このような催しで賑わいを見せることはすばらしいと思います。今回利用した「湯めぐりパスポート」は期間限定でなく、通年利用できるようにしてほしいと思います。

 なお、今回の催しでは、各旅館の玄関前に、入浴の可否を掲示するようになっていました。これまでたくさんの温泉巡りをし、旅館の門前払いを何度も経験している者にとりましては、このようにわかりやすく入浴の可否を知ることができるのは大変便利と感じました。

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