最後の入浴 さようなら「山岳荘」

 六日町温泉の「山岳荘」は、いよいよ7月末で閉館となります。行かねばと思いつつ、ついに最後の日曜日を迎えてしまいました。残された時間は今日を含めて3日。いよいよカウントダウンです。

 今日行かねば、悔いを残すことになります。この素晴らしい温泉を思い出に刻むため、他の予定を排して、六日町まで行って参りました。

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 閉館後は取り壊されるようですので、この青い建物も見納めとなります。駐車場には車はなく、他に客はいないようでした。

 青い建物が浴室棟で、玄関は右側の建物にあります。

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 玄関のガラス戸に閉館の知らせが掲示してありました。

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 玄関を入ると、古いながらもピカピカに磨かれた廊下が迎えてくれます。

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 入浴料は400円。料金箱に入れます。

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 浴室は玄関を入って左側になります。

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 手前に小浴室、奥に大浴室がありますが、男女で分かれているわけではなく、空いている方を使用します。訪問時には、ほかに客はおらず、全くの貸切状態でしたから、当然ながら、両方の浴室を堪能しました。

 まずは、奥の大浴室です。

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 脱衣場は、ご覧のような感じで、脱衣棚に脱衣籠があり、椅子が置いてあります。洗面台等はありません。

 浴室は明るく、大浴槽に無色透明の湯が満ちていて、掛け流されています。

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 源泉の注ぎ口にはカエルが鎮座しています。

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 注がれた湯は、窓側の浅くなった部分にある排水口から流れ出ています。

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 窓からは、青々とした水田と、その向こうに見える魚沼の山並みが一望され、吹き込む風はさわやかです。

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 湯は最初は少し熱めに感じましたが、無色透明無味無臭の湯は肌に優しく、心地良いひと時をすごしました。湯量豊富な掛けが流しの湯に、独り占めで浸かる喜びは最高です。

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 源泉は他の施設と同様に、六日町温泉の7号井、12号井、13号井の混合泉で、源泉温度47.6℃の単純温泉ですが、浴槽の大きさに比して、十分量の注湯量があり、利用者も少ないので、湯の鮮度は抜群です。

 洗い場というものはありませんが、石鹸類はあり、洗えるようにはなっています。

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 次に、小浴室で入浴しました。

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 小ぶりの浴槽ですが、ひとりで入るには十分すぎる大きさです。ここも源泉が掛け流されています。

 こちらの源泉の注湯口にはカニが2匹いました。

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 こちらも洗い場というものはありませんが、石鹸類はあり、浴槽の湯をくんで、洗うことはできます。

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 2つの浴室をたっぷり楽しんで、あふれ出る汗を拭いていましたら、漸く次のお客さんが来られました。初めての方のようでしたので、料金箱や浴室のことなど説明させていただきました。

 休憩用大広間で一休み。

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 もうこれで最後かと思いますと感慨はひとしおです。この素朴で素晴らしい温泉を記憶に刻みこんで、後ろ髪を引かれながら退館しました。

 先ほどのお客さんの車のナンバーは熊谷。閉館を惜しんではるばる来られたのでしょうか。

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 もう一度建物を眺め、帰途につきました。閉館前最後の日曜日でしたが、タイミング良く、貸切利用することができて、幸運でした。

 昭和の面影を残す魅力ある温泉が、またひとつ消えていきます。時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、さびしいものですね。

 ありがとう、「山岳荘」。

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