「西方の湯」の源泉変更

 胎内市の「西方の湯」は、源泉の定期メンテナンスのため、7月3日から休業中でしたが、21日より営業再開されました。
 いつも温泉情報でお世話になっているKさんより、早速報告をいただいたのですが、源泉が変更になり、あの黒湯から茶色の湯に変わり、例の芳香がほとんど感じられなくなったとのことでした。これは一大事ということで、本日確認すべく行って参りました。

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 営業開始の10時ちょっと過ぎに到着したのですが、駐車場には車がとまっており、先客がおられるようでした。
 500円を払って入館。女将さんは、私のことを覚えていてくれたらしく、Kさんからの連絡後、すぐに私が来たことに驚いておられました。

 浴室には先客が2人おられました。ひとりは浴槽に浸かりながら本を読んでおられました。以前「天神の湯」でもお見かけした人のように思いましたが、いかがでしょうか。

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 さて、浴槽の湯ですが、Kさんの報告通り、ご覧のように黒くありません。そして、全国に誇るべき、あの芳香がありません。表現が難しいですが、グレーがかった茶色を呈していました。
 味は塩辛く、あの独特の甘みは感じられません。ツルスベ感は以前同様にありますが、よくある強塩泉という感じで、随分と大人しくなりました。怪しげな泡も見られません。

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 露天風呂は相変わらず、2つあるうちのひとつだけに湯が張られていました。内湯より鮮度が乏しく、水面をアメンボが動き回ったりしていました。

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 親鸞聖人のお顔を拝みながら、しばし瞑想の時を過ごしました。

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 これまでも、今回のようなおとなしい泉質の時と、強烈な個性を解き放つ黒湯の時と、交互に使用されれていた時期がありましたが、「西方の湯」といえば、やはり黒湯に限ります。イメージソングまで作られた「西方の湯」は、強烈な芳香があればこそです。

 さて、脱衣場にある成分表の掲示は、源泉名はN12-2。泉質は、ナトリウム-塩化物強塩温泉。源泉温度は60.7℃。主な成分(イオン濃度:mg/kg平成20年12月10日分析)は、Li 4.5、Na 12590、K 161.0、NH4 180.2、Mg 87.2、Ca 600.3、Sr 6.4、Ba 1.9、Mn 0.3、Fe(II) 3.7、F 0.2、Cl 21160、Br 129.2、I 82.5、NO3 0.3、HS 1.5、S2O3 0.1、SO4 13.4、HCO3 599.2、メタケイ酸 116.7、メタホウ酸 172.9、遊離CO2 31.8、遊離H2S 0.5 など、ガス性除く成分総計は35920mg/kgです。この成分表は前と同じように思いますが、現在の泉質は休業前の黒湯とはかなり異なります。

 全国に誇るべき新潟の名湯(迷湯)ですが、黒湯復活を望みたいところです。一般の方々には、これくらいがちょうど良いのかもしれませんけれど。

 帰り際、ご主人に挨拶して帰ろうかと思いましたが、今後の予定もあり、挨拶せずに帰らせていただきました。失礼いたしました。

 親鸞聖人に家内安全を祈願し、家路につきました。

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 ご加護がありますように・・・。

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