さようなら 「えこじの湯」

 小千谷市の南の外れの真人地区にある「えこじの湯」。その独特のたたずまいと親父さんと女将さんの人柄で、全国の温泉ファンにも知られた(?)温泉であり、検索をかければ紹介記事がいくつも出てきます。
 あまりにも個性的すぎて、温泉めぐりの初心者にはお勧めできませんが、温泉通ほど良さがわかってくれたのではないでしょうか。

 私の「えこじの湯」との出会いは、15年前。温泉めぐりの途中に、偶然娘が車の窓から発見し、訪問したのが最初でした。
 「えこじの湯」のことをホームページで紹介し、それが世間に知られるきっかけとなりました。当時出演したローカルTV番組の温泉コーナーでも紹介し、以来「えこじの湯」との長いお付き合いが始まりました。

 その後全国の温泉マニアの方も訪問されるようになり、ブログなどで紹介され、さらに知られるようになりました。地元の情報誌に親父さんが写真付きで紹介されたりなどもあり、今思えば、あの頃が一番良かったのかなあなどと感じています。

 私が実際に訪問するのは年に1~2回でしかありませんでしたが、手紙をいただいたり、電話でやりとりしたり、キノコを送っていただいたりなど、親しくお付き合いさせていただきました。

 今年はまだ訪問していなかったので、そろそろ行かねばと思っていた9月の初めに、親父さんから電話がありました。8月下旬に女将さんが亡くなられたことを報告してくれました。

 さっそく休みが取れた9月7日に訪問し、お参りをしてきました。

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 カーテンが引かれた玄関の戸を開け、声をかけますと、寝間着姿の親父さんが出てきて、訪問をたいそう喜んでくれました。

 女将さんの思い出話をし、例によってキノコの話を熱く語ってくれました。ただ、断酒したはずの親父さんが酒をお飲みになっておられたのが心配でした。
 女将さんが亡くなられて独り暮らしとなり、「えこじの湯」やキノコ研究所の運営をどうするのかなど、いろいろと大変そうでした。でも、キノコから作った健康食品の販売の意欲は強く持っておられました。

 健康にくれぐれも注意されるよう念を押し、何度も強く握手してお別れしました。

 喪に服されており、温泉営業は中止されていましたので、そのことをこのブログで紹介しようかと思い、「頑張れ、えこじの湯」と題して、一旦は記事に書いたのですが、すぐに復活することを信じ、公開しませんでした。

 ところが私の掲示板に悲しい情報をいただきました。この「えこじの湯」の親父さんが亡くなられたとのこと。女将さんが亡くなられ、後を追うように親父さんも亡くなられました。これで「えこじの湯」も終わりです。

 亡くなられる直前に親父さんと会えたのは幸いでした。「えこじの湯」をネットで最初に紹介した私が、「えこじの湯」の最後を伝えるのも役目と思い、この記事を書きました。

 さようなら、えこじの湯 

 女将さん、親父さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


 この「えこじの湯」の向かいに、「ふれあいメゾン」がありましたが、7月4日付で閉館しています。

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 これでこの地区から温泉が消えてしまいました。

 悲しいニュースばかりで、気が滅入ってしまいます。

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