よう素泉を考える 安田温泉「やすらぎ」
仕事帰りの温泉と言えば、「あかまつ荘」が最近の定番であり、昨日のブログでも書いたばかりです。この「あかまつ荘」の国道290号線を隔てた反対側にあるのが安田温泉「やすらぎ」です。
これもこのブログではおなじみの温泉であり、新味はないと思いますが、毎度のことながらネタ切れでご容赦ください。
案内板に従って農村の集落の小道を進みますと、瓦工場を改装して作られたこの温泉があります。仕事帰りの利用ばかりですので、行くのは夜。
下足箱に靴を入れ、券売機で入浴券を購入。受付に下足箱の鍵とともに提出し、タオルセットとロッカーの鍵をもらいます。
入浴料は大人800円、子供400円、タオルセット付き、平日夕方5時以降は大人600円、子供400円、タオル付きに割引になります。館内着は100円で別料金です。
2階には貸切風呂や岩盤浴、劇団の公演が行われる劇場もあるのですが、利用したことはなく、全く未知の世界です。ほかに、宴会用の広間もあり、宿泊も可能です。
左に大きな食堂兼休憩用広間があり、その奥に男女浴室があります。
浴室前には、なぜか観音様があります。
脱衣場にはロッカーが多数。ちょっと多すぎにも思いますけれど。
浴室に入りますと、左に仕切り付きの洗い場が20ヶ所。右手前にサウナと水風呂。そしてジャグジー風呂、寝湯、大浴槽、小浴槽が連なっています。これらの内湯は温泉ではなく地下水の沸かし湯です。
露天風呂は温泉です。
男湯は温度の違う3つの浴槽からなります。赤茶けた湯が満ちており、オーバーフロー分が掛け流されています。
以前、回転方向の検証で大騒ぎした水車は、一貫して右回りしていました。やはりこの回り方が自然ですね。
浴槽の中央部からは非加熱源泉が注がれ、各浴槽に流れ込んでいます。
源泉名は安田温泉。泉質はナトリウム-塩化物強塩泉。源泉温度27.6℃、湧出量は200L/分、PH 6.9。
主な成分(mg/kg)は、Li 1.1、Na 9261、K 521.1、NH4 219.2、Mg 196.4、Ca 349.5、Sr 3.8、Ba 1.9、Al 2.9、Mn 0.3、Fe(II) 16.2、Cu 0.2、F 0.1未満、Cl 16480、Br 80.8、I 41.6、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.2、HSO4 5未満、SO4 5未満、HCO3 1481、CO3 0.9、メタ珪酸 79.0、メタ硼酸 10.6、遊離CO2 312.7、遊離HS 0.1未満、などで、ガス性除く成分総計は28740mg/kgです。
主な成分(mg/kg)は、Li 1.1、Na 9261、K 521.1、NH4 219.2、Mg 196.4、Ca 349.5、Sr 3.8、Ba 1.9、Al 2.9、Mn 0.3、Fe(II) 16.2、Cu 0.2、F 0.1未満、Cl 16480、Br 80.8、I 41.6、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.2、HSO4 5未満、SO4 5未満、HCO3 1481、CO3 0.9、メタ珪酸 79.0、メタ硼酸 10.6、遊離CO2 312.7、遊離HS 0.1未満、などで、ガス性除く成分総計は28740mg/kgです。
注がれる非加熱源泉は透明ですが、鉄分が豊富ですので、酸化されて赤茶けた湯になります。鉄分は含鉄泉の基準にわずかに足りませんが、かなりの濃度です。
強塩泉ですので、当然塩辛く、独特の臭気と、軽いツルスベ感があります。自己責任で非加熱源泉飲んでみますと、意外に飲めたりするのですが、後からのどが渇いて大変ですのでご注意ください。
さて、標題のよう素泉の話。まだご存知でない方が多いものと思いますが、平成26年7月に、療養泉の基準と分類、禁忌症、効能が改定されました。
これにより、よう化物イオン(I-)を10mg/kg以上含む温泉は、含よう素泉、単純よう素温泉、単純よう素冷鉱泉と分類されることになりました。
この安田温泉も、よう素イオンを41.6mg/kg含みますから、立派な含よう素泉になります。正式な泉質名は、含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉ということになります。
新潟県内には、よう素を多量に含む温泉が多数あります。紫雲の郷(86.7mg/kg)、塩の湯温泉(84.6mg/kg)、西方の湯(82.5mg/kg)、天神の湯(77.8mg/kg)、越乃湯温泉(76.3mg/kg)、聖籠観音の湯(74.0mg/kg)などを始め、10mg/kg基準を超える温泉が多数存在します。今後含よう素泉として、泉質名が変更されていくものと思います。
というようなことを考えながら、湯に浸かっていましたら、のぼせてしまいました。露天風呂の湯温はそれ程高くなく、ゆっくり入っていられるのですが、ヘビーな温泉ですので、後からガツンと体に響いてきて、効能を実感できます。
内湯の小浴槽(高温浴槽)は熱めです。温度表示は・・・
結構な温度ですが、熱い湯が好きな私にはちょうど良いです。でも、入りすぎは禁物。
さて、これらの浴室、浴槽は以前と全く変化がないのですが、サウナがこれまでと少し変わっていました。
一人用のサウナマットが用意されていました。ちょうど弥彦の「さくらの湯」のサウナみたいな感じです。大きなサウナマットを定期的に交換するより、一人用マットを置いておいた方が管理が楽かもしれませんし、使う方も気持ち良いです。
そして、熱帯魚が泳いでいる水槽(実はテレビ)が寿命寸前で、映し出されている画像がかなり乱れていました。見納めも近いかもしれません。
湯上りにはやっぱりこれ。塚田牛乳が最高!
増税後も100円というのも良いですね。
浴室横には仮眠室(うたた寝処)があって、休息できます。
のぼせてしまって、頭がフラフラでしたので、しばしの休憩。ほてった体をクールダウンしました。
巨大な食堂兼休憩用広間がありますが、メニューは充実してます。
売店の品ぞろえも豊富で、八百屋みたいな感じです。
施設は大きいものの、何とも言えぬB級の雰囲気が魅力の温泉です。そのうち2階も利用してみたいのですが、別料金が必要ですので躊躇しています。
汗はなかなか引かず、強塩泉のパワーを実感しました。日頃料金の安さにつられて宝珠温泉ばかり行っていますが、たまにはここに来ないとだめだなあと再認識しました。でも、いざとなると安い方を選んでしまう私・・・。
これから涼しくなりますので、強塩泉の魅力が増してきます。ここのほか、新潟県下越地方の海岸部は濃厚な強塩泉群があり、よう素泉の宝庫です。その濃度も半端じゃなく、独特の臭気、個性を生み出しています。
天神の湯、ざぶーん、紫雲の郷、塩の湯温泉、西方の湯と連なる個性的な温泉群が、今後含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉として、再評価されることを期待したいです。
環境省の通達では、よう素泉の飲用の効能は規定されていますが、浴用の効能は規定されていません。でも、温泉の個性、存在感を高めていることは間違いなく、新潟の温泉を売り出す一助になればいいなあと感じた次第です。
なお、今回の療養泉の基準、禁忌症、効能の改定については、私のHPの方にまとめましたので、ご覧ください。