多宝温泉「だいろの湯」で、硫黄泉についてもう一度考える
先回、月岡温泉「美人の泉」に浸かりながら、硫黄泉について考えてみましたが、書き忘れたことがありましたので、「だいろの湯」に浸かりながら、硫黄泉についてもう一度考えてみました。
新潟市西蒲区の岩室温泉街から少し離れたところに多宝温泉「だいろの湯」があります。温泉井戸の櫓が目印です。
2001年11月のオープン以来のファンであり、このブログの登場回数も多いのですが、またかと思わず、お読みください。
料金はタオルセット付きで800円は、民間としては良心的であり、平日17時以降の夜間割引は500円となりますので、大変お得です。さらに、平日はスタンプカードもあり、昼の利用は2ポイント、夜間利用が1ポイント付きます。
人気施設だけに、休日は混み合いますが、平日夜は空いていて、巨大な大庭園露天風呂を独り占めという喜びに出会うこともあります。
掛け湯をして、まずは内湯であたたまります。
微白濁した湯が掛け流されています。当初は温泉として登録されていませんでしたが、2003年秋から2号泉として登録されました。
源泉名は、多宝温泉だいろの湯2号源泉。源泉温度25.8℃、使用位置42.0℃。湧出量838L/分(動力)。PH8.9。地下300mより湧出。温度が低いため、高温の1号源泉と熱交換することにより湯温を上げて、200L/分で掛け流ししているそうです。
泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成18年8月25日分析)は、Li 0.10、Na 1888、K 14.5、NH4 0.02、Mg 0.3、Ca 80.7、Sr 0.5、Al 0.01、Fe(II) 0.06、F 0.3、Cl 832.9、Br 2.3、HS 5.6、SO4 78.1、HCO3 26.2、CO3 3.0、メタ珪酸 26.1、メタ硼酸 2.7、遊離H2S 0.08、などガス性除く成分総計は1553mg/kgです。
微白濁し、微硫化水素臭、硫黄味がするお湯は、柔らかさを感じるお湯であり、単独で考えれば、十分主役になれる温泉だと思います。
温まったところで、いよいよ「だいろの湯」のメインである大庭園露天風呂です。
正方形の浴槽は50畳の広さとのことです。一部は浅くなっていて、寝湯的に利用できます。隅にある巨石の噴湯口から、ボコボコと湯が噴き出ています。
浴槽内には注湯口が何箇所かありますが、温度差をなくすための撹拌のためであり、濾過はしていないとのことです。
源泉名は、多宝温泉だいろの湯1号源泉。源泉温度55.2℃、使用位置47℃。湧出量は162L/分、PH 8.85。地下1209mより自噴。2号源泉と熱交換により温度を47℃に下げて、無濾過で80L/分で掛け流ししているとのことです。
泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉。主な成分(イオン濃度mg/kg、平成6年4月5日分析)は、Li 0.07、Na 561.9、K 8.8、Mg 1.2、Ca 93.6、Sr 1.8、Ba 0.3、Al 0.06、Mn 0.05、Fe(II) 0.4、F 4.2、Cl 863.9、Br 2.3、I 0.6、HS 71.6、SO4 9.4、HCO3 161.7、メタ珪酸 61.6、メタ硼酸 9.5、遊離H2S 12.8、遊離CO2 8.8 など、ガス性除く成分総計は1853mg/kgです。
湯は硫化水素臭が強く、淡緑色透明、硫黄味と塩味がし、苦味も感じます。臭いをかいだだけでうっとりとするような良い湯なのですが、時々源泉が不調になり、3号源泉で補ったりすることがありますので、ご注意ください。
開業当初は、黒い湯花が浴槽底に沈殿し、尻が黒くなったりしていましたが、最近は随分と薄味になり、大人しくなったような印象があります。
ときどき源泉のメンテナンスが行われ、その直後は黒い湯花が復活することもあります。
ちなみに、長い「だいろ」通いの中で、1度だけ白濁した1号源泉を体験しています。
温まって頭がボーっとしたら、3号源泉の露天風呂に移動です。
当初この露天風呂は小さく、隣の打たせ湯とともに、1号源泉が使用されていました。大変ぬるく、クールダウン用に最適でしたが、冬場は冷たすぎました。
この露天風呂が2006年10月に改修されて大きくなり、2008年2月に屋根がつけられ、現在の姿になりました。
この間、2007年7月末から3号源泉の使用が開始されました。
源泉名は、多宝温泉だいろの湯3号源泉。源泉温度45.7℃、使用位置43.0℃。湧出量1140L/分(動力)。PH 9.6。地下1000mより湧出。
泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成19年3月29日分析)は、Li 0.03、Na 491.4、K 3.3、Mg 0.2、Ca 681.2、Sr 6.3、Ba 1.3、Mn 0.03、Fe(II) 0.08、F 1.3、Cl 3967、Br 12.4、I 1.2、HS 5.4、SO4 5.6、HCO3 14.3、CO3 27.3、メタ珪酸 33.1、メタ硼酸 37.1、遊離H2S 0.08、などガス性除く成分総計は6696mg/kgです。
湯は、無色透明ですが、薄い塩味とわずかな硫黄味がするいいお湯です。ぬるめに設定されており、ゆっくりと浸かることができます。
湯量は豊富であり、この源泉は姉妹旅館の「めんめん亭わたや」に供給され、岩室温泉との混合で「わたやの湯」として使用されているほか、新潟駅前の「ドーミーイン新潟」でも使用されています。
この浴槽で私が好きな場所は、左側の手すりのすぐ左です。以前のブログで紹介していますが、ここに浴槽内注湯口があり、細かな泡が出ていて、泡付を楽しめます。
さて、硫黄泉の話に入りましょう。前回硫黄泉の基準についてお話ししました。
新潟県内の硫黄泉としては、1位が月岡温泉の泉慶・華鳳の源泉で、総硫黄の概算は164.5mg/kg。2位が月岡温泉6号井の113.1mg/kg、3位が月岡温泉5号井の100.7mg/kg。そして4位が、この多宝温泉だいろの湯1号源泉の81.5mg/kgです。
湯量と掛け流しなど、鮮度でいえば「だいろの湯」は、月岡温泉に決して劣るものではありません。ただし、月岡温泉のようなツルスベ感はなく、この点は月岡温泉が勝ると思います。
さて、今回は硫黄泉の効能と禁忌症についてお話ししましょう。
まず、温泉一般としての効能、禁忌症があります。2014年7月の改訂での療養泉の一般的適応症(浴用)は、
・筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
・運動麻痺における筋肉のこわばり
・冷え性
・末梢循環障害
・胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
・軽症高血圧
・耐糖能異常(糖尿病)
・軽い高コレステロール血症
・軽い喘息又は肺気腫
・痔の痛み
・自律神経不安定症
・ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
・病後回復期
・疲労回復
・健康増進
となっています。
また、禁忌症は、
・病気の活動期(特に熱のあるとき)
・活動性の結核
・進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
・少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
・むくみのあるような重い腎臓の病気
・消化管出血
・目に見える出血があるとき
・慢性の病気の急性増悪期
です。
今回の改訂で、これまであった「妊娠中(初期と末期)」という記載がなくなったのがマスコミでも注目されました。
次に、硫黄泉としての独自の効能は、
浴用としては、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、硫化水素型については末梢循環障害を加えるとなっています。
また、飲用としては、耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症となっています。
まあ、飲んで病気を治すことは難しいですが、いろんな皮膚病に効能が期待されます。硫化水素が多い場合は、血管拡張作用が強力ですので、末梢循環障害に有用なのはよく理解できます。
「だいろの湯」に入りますと、血管拡張作用が強く、温まりの良さはすぐに実感できると思います。
問題は、硫黄泉としての禁忌症です。泉質別に浴用の禁忌症が設定されているのは、硫黄泉と酸性泉だけです。
酸性泉の場合は、いかにも刺激が強そうですので、注意しなければならないのは理解しやすいですが、硫黄泉も同様に注意が必要というのは注目すべきです。
硫黄泉と酸性泉の禁忌症としては、皮膚又は粘膜が過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症とあります。
硫黄泉の場合は、脱脂作用により、皮脂成分が失われやすいのが問題です。「だいろの湯」でいいますと、湯上がり直後は強力な血管拡張作用で温まりが良くて、汗が噴き出ますが、時間だ経ちますと皮膚は乾燥し、むしろさらさらになります。
月岡温泉でも同様であり、湯に浸かっているときはツルスベに感じますが、湯上りの後は、皮膚はサラサラに感じます。
禁忌症の高齢者の皮膚乾燥症だけでなく、乾燥肌の人は保湿に注意が必要だと思います。効能を見ますと、皮膚に良いような印象を持ちますが、皮膚の乾燥には十分注意する必要があります。私は脂性肌ですので、ちょうど良いですが。
脅かすようなことを書きましたが、実際は硫黄泉と言っても濃度は様々です。硫黄分以外の成分も様々です。これを一律に規定してしまうのは問題だと思います。
多くの温泉は基準を少し超える程度の濃度であり、禁忌症を心配しすぎることはないのかもしれません。しかし、月岡温泉や「だいろの湯」の1号泉は、硫黄泉の基準の数十倍という高濃度であり、全国でもトップクラスの総硫黄を誇りますので、効能も強力だと思います。肌の弱い人、乾燥肌の人は、「効きすぎ」に十分注意しましょう。
新潟市西蒲区の岩室温泉街から少し離れたところに多宝温泉「だいろの湯」があります。温泉井戸の櫓が目印です。
2001年11月のオープン以来のファンであり、このブログの登場回数も多いのですが、またかと思わず、お読みください。
料金はタオルセット付きで800円は、民間としては良心的であり、平日17時以降の夜間割引は500円となりますので、大変お得です。さらに、平日はスタンプカードもあり、昼の利用は2ポイント、夜間利用が1ポイント付きます。
人気施設だけに、休日は混み合いますが、平日夜は空いていて、巨大な大庭園露天風呂を独り占めという喜びに出会うこともあります。
掛け湯をして、まずは内湯であたたまります。
微白濁した湯が掛け流されています。当初は温泉として登録されていませんでしたが、2003年秋から2号泉として登録されました。
源泉名は、多宝温泉だいろの湯2号源泉。源泉温度25.8℃、使用位置42.0℃。湧出量838L/分(動力)。PH8.9。地下300mより湧出。温度が低いため、高温の1号源泉と熱交換することにより湯温を上げて、200L/分で掛け流ししているそうです。
泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成18年8月25日分析)は、Li 0.10、Na 1888、K 14.5、NH4 0.02、Mg 0.3、Ca 80.7、Sr 0.5、Al 0.01、Fe(II) 0.06、F 0.3、Cl 832.9、Br 2.3、HS 5.6、SO4 78.1、HCO3 26.2、CO3 3.0、メタ珪酸 26.1、メタ硼酸 2.7、遊離H2S 0.08、などガス性除く成分総計は1553mg/kgです。
微白濁し、微硫化水素臭、硫黄味がするお湯は、柔らかさを感じるお湯であり、単独で考えれば、十分主役になれる温泉だと思います。
温まったところで、いよいよ「だいろの湯」のメインである大庭園露天風呂です。
正方形の浴槽は50畳の広さとのことです。一部は浅くなっていて、寝湯的に利用できます。隅にある巨石の噴湯口から、ボコボコと湯が噴き出ています。
浴槽内には注湯口が何箇所かありますが、温度差をなくすための撹拌のためであり、濾過はしていないとのことです。
源泉名は、多宝温泉だいろの湯1号源泉。源泉温度55.2℃、使用位置47℃。湧出量は162L/分、PH 8.85。地下1209mより自噴。2号源泉と熱交換により温度を47℃に下げて、無濾過で80L/分で掛け流ししているとのことです。
泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉。主な成分(イオン濃度mg/kg、平成6年4月5日分析)は、Li 0.07、Na 561.9、K 8.8、Mg 1.2、Ca 93.6、Sr 1.8、Ba 0.3、Al 0.06、Mn 0.05、Fe(II) 0.4、F 4.2、Cl 863.9、Br 2.3、I 0.6、HS 71.6、SO4 9.4、HCO3 161.7、メタ珪酸 61.6、メタ硼酸 9.5、遊離H2S 12.8、遊離CO2 8.8 など、ガス性除く成分総計は1853mg/kgです。
湯は硫化水素臭が強く、淡緑色透明、硫黄味と塩味がし、苦味も感じます。臭いをかいだだけでうっとりとするような良い湯なのですが、時々源泉が不調になり、3号源泉で補ったりすることがありますので、ご注意ください。
開業当初は、黒い湯花が浴槽底に沈殿し、尻が黒くなったりしていましたが、最近は随分と薄味になり、大人しくなったような印象があります。
ときどき源泉のメンテナンスが行われ、その直後は黒い湯花が復活することもあります。
ちなみに、長い「だいろ」通いの中で、1度だけ白濁した1号源泉を体験しています。
温まって頭がボーっとしたら、3号源泉の露天風呂に移動です。
当初この露天風呂は小さく、隣の打たせ湯とともに、1号源泉が使用されていました。大変ぬるく、クールダウン用に最適でしたが、冬場は冷たすぎました。
この露天風呂が2006年10月に改修されて大きくなり、2008年2月に屋根がつけられ、現在の姿になりました。
この間、2007年7月末から3号源泉の使用が開始されました。
源泉名は、多宝温泉だいろの湯3号源泉。源泉温度45.7℃、使用位置43.0℃。湧出量1140L/分(動力)。PH 9.6。地下1000mより湧出。
泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成19年3月29日分析)は、Li 0.03、Na 491.4、K 3.3、Mg 0.2、Ca 681.2、Sr 6.3、Ba 1.3、Mn 0.03、Fe(II) 0.08、F 1.3、Cl 3967、Br 12.4、I 1.2、HS 5.4、SO4 5.6、HCO3 14.3、CO3 27.3、メタ珪酸 33.1、メタ硼酸 37.1、遊離H2S 0.08、などガス性除く成分総計は6696mg/kgです。
湯は、無色透明ですが、薄い塩味とわずかな硫黄味がするいいお湯です。ぬるめに設定されており、ゆっくりと浸かることができます。
湯量は豊富であり、この源泉は姉妹旅館の「めんめん亭わたや」に供給され、岩室温泉との混合で「わたやの湯」として使用されているほか、新潟駅前の「ドーミーイン新潟」でも使用されています。
この浴槽で私が好きな場所は、左側の手すりのすぐ左です。以前のブログで紹介していますが、ここに浴槽内注湯口があり、細かな泡が出ていて、泡付を楽しめます。
さて、硫黄泉の話に入りましょう。前回硫黄泉の基準についてお話ししました。
新潟県内の硫黄泉としては、1位が月岡温泉の泉慶・華鳳の源泉で、総硫黄の概算は164.5mg/kg。2位が月岡温泉6号井の113.1mg/kg、3位が月岡温泉5号井の100.7mg/kg。そして4位が、この多宝温泉だいろの湯1号源泉の81.5mg/kgです。
湯量と掛け流しなど、鮮度でいえば「だいろの湯」は、月岡温泉に決して劣るものではありません。ただし、月岡温泉のようなツルスベ感はなく、この点は月岡温泉が勝ると思います。
さて、今回は硫黄泉の効能と禁忌症についてお話ししましょう。
まず、温泉一般としての効能、禁忌症があります。2014年7月の改訂での療養泉の一般的適応症(浴用)は、
・筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
・運動麻痺における筋肉のこわばり
・冷え性
・末梢循環障害
・胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
・軽症高血圧
・耐糖能異常(糖尿病)
・軽い高コレステロール血症
・軽い喘息又は肺気腫
・痔の痛み
・自律神経不安定症
・ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
・病後回復期
・疲労回復
・健康増進
となっています。
また、禁忌症は、
・病気の活動期(特に熱のあるとき)
・活動性の結核
・進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
・少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
・むくみのあるような重い腎臓の病気
・消化管出血
・目に見える出血があるとき
・慢性の病気の急性増悪期
です。
今回の改訂で、これまであった「妊娠中(初期と末期)」という記載がなくなったのがマスコミでも注目されました。
次に、硫黄泉としての独自の効能は、
浴用としては、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、硫化水素型については末梢循環障害を加えるとなっています。
また、飲用としては、耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症となっています。
まあ、飲んで病気を治すことは難しいですが、いろんな皮膚病に効能が期待されます。硫化水素が多い場合は、血管拡張作用が強力ですので、末梢循環障害に有用なのはよく理解できます。
「だいろの湯」に入りますと、血管拡張作用が強く、温まりの良さはすぐに実感できると思います。
問題は、硫黄泉としての禁忌症です。泉質別に浴用の禁忌症が設定されているのは、硫黄泉と酸性泉だけです。
酸性泉の場合は、いかにも刺激が強そうですので、注意しなければならないのは理解しやすいですが、硫黄泉も同様に注意が必要というのは注目すべきです。
硫黄泉と酸性泉の禁忌症としては、皮膚又は粘膜が過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症とあります。
硫黄泉の場合は、脱脂作用により、皮脂成分が失われやすいのが問題です。「だいろの湯」でいいますと、湯上がり直後は強力な血管拡張作用で温まりが良くて、汗が噴き出ますが、時間だ経ちますと皮膚は乾燥し、むしろさらさらになります。
月岡温泉でも同様であり、湯に浸かっているときはツルスベに感じますが、湯上りの後は、皮膚はサラサラに感じます。
禁忌症の高齢者の皮膚乾燥症だけでなく、乾燥肌の人は保湿に注意が必要だと思います。効能を見ますと、皮膚に良いような印象を持ちますが、皮膚の乾燥には十分注意する必要があります。私は脂性肌ですので、ちょうど良いですが。
脅かすようなことを書きましたが、実際は硫黄泉と言っても濃度は様々です。硫黄分以外の成分も様々です。これを一律に規定してしまうのは問題だと思います。
多くの温泉は基準を少し超える程度の濃度であり、禁忌症を心配しすぎることはないのかもしれません。しかし、月岡温泉や「だいろの湯」の1号泉は、硫黄泉の基準の数十倍という高濃度であり、全国でもトップクラスの総硫黄を誇りますので、効能も強力だと思います。肌の弱い人、乾燥肌の人は、「効きすぎ」に十分注意しましょう。