ぬるめの強塩泉といえば・・ 安田温泉「やすらぎ」

 新潟の強塩泉といいますと塩の湯温泉を代表として熱めの湯がほとんどですが、ぬるめの湯もあります。かつては「天神の湯(ヘルス天神)」の露天風呂がぬる湯で人気でしたが、閉館して久しくなります。現時点では、新潟市近郊でぬるい強塩泉といえば安田温泉ということになりましょう。

 安田温泉「やすらぎ」は、仕事帰りの一風呂ということで、「あかまつ荘」と並んで、利用頻度という点では私の温泉ライフに欠かせない温泉です。
 しょっちゅう利用していますので、最近はこのブログでの紹介は控えていますが、前回のブログで「よう素泉」について考えてから1年以上たちましたので、久しぶりに紹介します。

 農村の集落内にあってわかりにくい場所なのですが、磐越道・安田ICからですと、国道290号線を新発田方面に進み、サントピアワールド、宝珠温泉方面へ行く田んぼの中の交差点で、反対側に左折し、道路に突き当たったところで右折、しばらく進みますと看板かありますので左折すると間もなくこの温泉があります。

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 2003年6月に瓦工場の敷地内で温泉の掘削に成功し、工場の建物を改修して、2004年8月13日に宿泊もできる温泉施設としてオープンしました。

 大きな工場を改修しただけあって、館内はシンプルです。玄関を入りますとすぐに鍵付下足箱があり、その奥に券売機と受付があります。
 入浴料は、大人800円、子供400円、タオルセット付き。平日夕方5時以降は大人600円、子供400円、タオル付きに割引になります。

 2階には、岩盤浴「玉川」がありますが、別料金(1200円、入館料とセットで1600円)ですので、私は利用したことがありません。展望浴室もあり、是非利用したいのですが、高額料金に怖気づいております。

 そのほか、2階には劇場・かわら座があり、大衆劇団の公演が行われており、各種セット券が販売されていますので、お好きな方はどうぞ。

 さて、受付から左に進みますと、広い食事処・阿賀屋(お座敷+テーブル席)と大きな売店があります。

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 突き当りの奥に男女浴室があり、浴室前には観音様が祀られています。浴室前の左奥にはうたた寝スペースが設けられています。

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 浴室に入りますと、多数のスチールロッカーに圧倒されます。このロッカーがフルに利用されることはないでしょうね。

 浴室に入りますと、左に仕切り付きの洗い場が20ヶ所。右手前にサウナと水風呂。そしてジャグジー風呂、寝湯、大浴槽、小浴槽が連なっています。

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 内湯は温泉ではありませんが、五頭山系の伏流水、要するに地下水を使用しています。ジャグジー、ジェットバス、寝湯など、スーパー銭湯並みの設備が整っています。

 通常の湯温の大浴槽のほか、高温の小浴槽があります。私は高温浴槽が好きですが、オーバーフローもあって気持ち良く入浴できます。

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 露天風呂は温泉です。男湯は湯温の異なる3つの浴槽に分かれており、好きな浴槽を選べますが、一番高温の浴槽でもぬるめに感じます。

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 浴槽には非加熱源泉が注がれており、その分は掛け流しされています。浴槽の大きさから考えますと、掛け流し量は多くはありません。

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 注がれる湯は透明ですが、浴槽の湯は茶褐色に混濁しています。鉄分が酸化されたためと思います。

 ぬるめの湯にじっくりと浸かっていますと、体の芯からじわじわと温まってきます。ぬるいといっても長く浸かりすぎますとのぼせてしまいますのでご注意ください。

 さて、源泉名は安田温泉、泉質はナトリウム-塩化物強塩泉です。源泉温度27.6℃、湧出量は200L/分、PH 6.9。主な成分(mg/kg)は、Li 1.1、Na 9261、K 521.1、NH4 219.2、Mg 196.4、Ca 349.5、Sr 3.8、Ba 1.9、Al 2.9、Mn 0.3、Fe(II) 16.2、Cu 0.2、F 0.1未満、Cl 16480、Br 80.8、I 41.6、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.2、HSO4 5未満、SO4 5未満、HCO3 1481、CO3 0.9、メタ珪酸 79.0、メタ硼酸 10.6、遊離CO2 312.7、遊離HS 0.1未満、などで、ガス性除く成分総計は28740mg/kgです。

 塩分濃度が高いほかに、アンモニウムイオン、臭素イオン、よう素イオンを多量に含み、独特の臭気を生み出しています。鉄分も多く、酸化されて茶濁りを生んでいます。炭酸水素イオン、遊離CO2も多く、成分的には素晴らしい温泉だと思います。

 自己責任で湯を飲んでみますと、意外に飲みやすかったりしますが、あとで喉が渇きますので、飲まない方が良いと思います。

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 露天風呂の外には大きな水車が回っています。冬期間は外と仕切られて水車は見えなくなりますので、これを眺めるのも今のうちです。
 この日も水車は右回りでした。左回りしていたあの夏の出来事は何だったのでしょうか。

 浴室にはサウナがあり、弥彦の「さくらの湯」のように一人用のマットが使用できます。熱帯魚が映し出されているブラウン管式のテレビはまだ健在です。横線が出てから数年経ちますが、なかなか壊れないようです。
 画面が切り替わる瞬間を見極めようと、画面の魚をじっと眺めていると頭がふらふらしてきます。

 湯上りに最適な瓶入り牛乳が100円で売っています。ぬかりなく瓶入りコカコーラもあります。これはありがたいですね。

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 売店にいるおばあちゃんはお元気そうでした。お顔を拝見するとなぜかホッとします。館内に漂うB級の雰囲気。どこか昭和の臭いがする空気感が好きです。

 ぬるい強塩泉をじっくり楽しむには最適な施設です。民間にしては料金も良心的です。なんだかんだで、これからも利用させていただきます。

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