2色の湯、鶯のさえずり 咲花温泉「一水荘」

 咲花温泉シリーズの第2弾は「一水荘」です。当日予約の素泊まりプランの利用でした。

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 阿賀野川沿いの旅館とは反対に、踏切を渡ったすぐ先にあります。

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 この踏切は急カーブになっていて幅も狭いのでご注意ください。

 7時半過ぎにチェックイン。ひっそりとした玄関で、ご主人が私の到着を待っていてくれました。

 案内された部屋には、すでに布団が敷かれていました。

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 ひとりで泊まるには十分な部屋です。

 さっそく入浴。浴室は玄関近くにあります。

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 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠。洗面台もしっかりしています。

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 ほかに客はなく、独り占めでの入浴となりました。

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 浴槽は2つに仕切られており、右が淡緑色で熱め、左が白濁してぬるめとなっていました。右に注湯口があり、仕切りでオーバーフローした分が左の浴槽に流れ、左隅の切れ込みから掛け流される構造となっていました。

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 右の浴槽は淡緑色で微濁。熱めといっても適度な温度です。硫化水素臭が漂い、薄い塩味と苦みがあり、若干のツルスベ感も感じる素晴らしいお湯です。

 左の浴槽はかなり白濁しています。

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 ぬるめで、ゆったりと浸かることができます。左の方は白濁した分、湯の酸化が進んで劣化しているものと思いますが、どちらも素晴らしい湯です。
 湯使いの違いて、このような変化が生じ、温泉が生き物であることを如実に示してくれます。温度の違いもさることながら、2色の湯を楽しめるのは良いですね。

 洗い場は左右の壁際にあります。

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 積み上げられた洗い椅子と洗い桶が良いですね。

 さて、源泉名は咲花温泉6号。泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。源泉温度48.3℃、使用位置46.0℃。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成26年10月22日分析)は、Li 0.2、Na 233.1、K 7.0、NH4 0.8、Mg 0.8、Ca 75.7、Sr 1.2、F 1.7、Cl 286.4、Br 0.9、I 0.4、HS 20.5、S2O3 7.6、SO4 281.7、HPO4 0.2、HCO3 45.2、メタケイ酸55.5、メタホウ酸3.4、遊離CO2 2.5、遊離H2S 3.7 など、ガス性除く成分総計は1022mg/kgです。
 加水なし、冬季のみ加温あり、循環・ろ過あり、入浴剤なし、消毒処理あり(法定)、浴槽水の換水・清掃週1回、簡易的には1日1回と掲示されていました。

 前回利用した「碧水荘」は、毎日換水して循環・ろ過なしの掛け流しでしたので、淡緑色透明でしたが、こちらは循環があり、換水も週1回ですので、酸化が進んで濁りを生じているものと思います。

 入浴後、部屋で一休みしていますと、貸切露天風呂が空いたという電話。宿泊客は無料で貸切露天風呂を利用できるというので、チェックイン時に頼んでいたのでした。

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 大浴場とは反対側の奥に貸切露天風呂があります。

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 脱衣場はそれなりの大きさで、洗面台もあります。脱衣場から出ますと、すぐに洗い場があります。

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 そして外に露天風呂。

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 浴槽は、四角形の浴槽がひとつ。笹濁りした湯が満ちていました。

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 湯はぬるめであり、注湯口で温まっていました。内湯同様に、加水なし、冬季は加熱あり、循環・ろ過あり、入浴剤なし、消毒処理あり(法定)ですが、こちらの換水は3日に1回との掲示がありました。

 朝は鶯の鳴き声で目覚めました。

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 部屋の外の木々の緑がきれいでした。

 さっそく朝湯へ。浴室には誰もおらず、再び貸切利用となりました。

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 昨夜は暗くて見えませんでしたが、大きなガラス窓から見える木々の緑が鮮やかであり、落ち着いた癒しの雰囲気を醸し出していました。

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 光線の加減かもしれませんが、昨夜より濁りが強くなっているように思えました。

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 大きな浴槽を独り占め。贅沢な時間を過ごしました。

 浴室のすぐ横は磐越西線であり、一番列車が通り過ぎました。

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 ご主人に見送られて7時にチェックアウトし、職場へと向かいました。

 ご主人以外の従業員の顔は見ることなく、他の客にも出会うことはありませんでした。世間のしがらみを忘れて、ひそかに心を癒すには良い宿だと思います。

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