さようなら 「太古の湯」

 寺泊岬温泉「太古の湯」の閉館につきましては8月のこのブログで紹介しましたが、8月末で食事処は営業終了し、いよいよ10月31日で閉館となります。開館以来変遷を見守ってきましたが、最後の姿を記憶に留めるため行ってきました。

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 夜間ではありましたが、それなりの賑わいでした。写真はありませんが、各浴槽をじっくりと楽しみました。

 寝るに寝れない寝湯は、結局最後まで改修されることはありませんでした。最後ということで、寝ようと木の枕に頭を載せましたが、やっぱり寝ることはできず、手足で踏ん張りました。

 浴槽の湯の問題につきましては、このブログに書く度に指摘してきて、先日のブログにも書きました。この日のお湯は無色透明無味無臭。かつてのトロトロ・ツルスベの湯の面影は全くなく、かろうじてあった薄い塩味も無くなっていました。

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 脱衣場に掲げられたこの成分表の数字がむなしく思われます。

 全盛期はテレビCMでトロトロの湯を盛んに宣伝していましたが、今となっては遠い昔の思い出です。

 寺泊岬温泉の終焉を象徴するような浴槽のお湯に涙しました。

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 玄関横の足湯は、ここ数年お湯が張られることはなく、空のまま最後の時を迎えようとしています。最後くらい温泉で満たしてやりたかったです。

 またひとつ新潟から温泉施設が消えていきます。新規開業のニュースがない昨今にあって、悲しさでいっぱいです。

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 閉館までいよいよ秒読みとなりました。皆さんも思いで作りに行かれてはいかがでしょうか。

 「太古の湯」は開業初日に行きましたが、お湯の供給が足りず、シャワーのお湯が出なかったことが懐かしく思い出されます。
 あらなぎ(新凪)、らくは(楽波)という2つの浴室があり、それぞれ作りが違っていて楽しめましたが、いずれも日本海に沈む夕日を見ながらの入浴がこの上ない喜びでした。サウナの丸窓から見る夕日もきれいでした。

 海岸線の長い新潟県ではありますが、海を見ながら入浴できる日帰り温泉は意外に少なく、その中でも「太古の湯」は高台に建ち、展望の良さでも貴重な温泉でした。

 これからの日帰り入浴は、向かいのホテル飛鳥を利用することになりましょう。

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 「太古の湯」ができてからは、飛鳥の方は利用していませんでした。同じ寺泊岬温泉を使用していましたので、現在の湯がどうなっているのか気になります。ホームページに記載された泉質は単純温泉(低張性中性低温泉)となっています。こちらも悩ましい状況が予想されますが、いかに・・・。

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 この看板を見るのもおしましでしょうか。まだオープンしてから11年半でしかありません。閉館の理由は最後まで明らかにしていませんが、残念でなりません。充実した浴室、館内設備、そして何より素晴らしいロケーション。これを何とか有効活用できないものでしょうか。

 閉館の悲しみと復活への期待を胸に、暗闇のシーサードラインを新潟に向かい、家路に着きました。

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