足裏真っ黒、尻も真っ黒 岩室温泉「濱松屋」

 毎年恒例の「冬妻ほたる祭りが」岩室温泉で開催中です。この期間中に利用可能な「湯めぐりパスポート」が発売されており、2回分で1200円です。通常立ち寄り湯ができない旅館の参加があるのが魅力です。

 そこで、今回は通常入浴のみの利用ができない「濱松屋」を訪問することにしました。前回利用したのが新源泉を使用開始した直後の2015年3月でしたので、3年振りということになります。

 あらかじめ入浴可能か電話で確認しますと、これから準備するとのことで、指定された時間に訪問しました。

 「濱松屋」は、岩室温泉街の入り口、「ホテル大橋 館の湯」の向かいにある小さな旅館です。以前は通りに面して玄関があったのですが、現在は川沿いの細い道を進んだ先の裏手に玄関があります。

画像
 長いアプローチを進んだ先に玄関があります。

画像
 靴を脱いでスリッパに履き替えて入館。

画像
 正面に飾られた生花がきれいです。

画像
 右に進んだ先にフロントがあります。

画像
 この付近は最近新しく増築された部分で、洒落た感じがします。

 女将さんに湯めぐりパスポートを渡し、仲居さんに案内してもらって浴室に向かいました。

画像
 途中に見える庭の木々が美しかったです。

画像
 長い廊下を進んだ先に大小の浴室があります。前回は手前の大きな浴室でしたが、今回は奥の小さい方の浴室でした。

画像
 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠。洗面台は簡素です。

画像
 浴室は大浴槽がひとつあるのみです。

画像
 大きなガラス窓から庭が見え、絵画を見るような感じで美しかったです。

画像
 浴槽には微淡緑色透明の湯が満ちています。混濁はありませんが、自己責任でなめてみますと塩辛く、苦みがあってアブラ臭が漂います。多少のツルスベ感があり、濃厚な湯です。

画像
 浴槽には黒い湯花が沈殿し、足の裏や尻は真っ黒になります。

画像
 源泉のパワーがもろに感じられます。湯の鮮度も申し分なく、濁りがないのは鮮度が高い証拠かもしれません。

画像
 洗い場にはボディソープ、リンスインシャンプーがあり、木の洗い桶、洗い椅子があります。

画像
 源泉名は、岩室4号源泉。泉質は、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度52.2℃。PH 7.96。

 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成26年3月22日分析)は、Li 0.4、Na 2844、K 36.3、Mg 10.6、Ca 1422、Sr 13.0、Ba 3.1、Mn 0.3、Fe(II) 0.2、NH4 5.9、F 2.7、Cl 6869、I 2.1、SO4 42.7、HCO3 103.7、CO3 0.5、HS 33.3、HPO4 4.8、メタケイ酸 30.9、メタホウ酸 61.8、遊離CO2 3.3、遊離H2S 5.8 など、ガス性除く成分総計は11490mg/kgです。

 入浴に適した温度を保つため加水することあり、入浴に適した温度にするため加温することあり、源泉を直接入湯しており浴槽に濾過循環装置を使用、入浴剤使用なし、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒ありと掲示されていました。

 今日は私が一番風呂。私のために準備してくれて、鮮度抜群の湯を堪能しました。濃厚な湯で、アブラ臭が漂い、ちょっと刺激的な湯です。

 黒い湯花で手足や尻は真っ黒になります。極上の源泉の証しですが、温泉マニアは狂喜するものの、一般の人、特に女性方には評価が分かれるかもしれません。源泉の良さが弱点にもなりかねない危険な温泉といえましょうか。

 帰り際に玄関前には、最初は無かった「入浴可能」という札が掲げられていました。

画像
 今年の「冬妻ほたる祭り」の初日に訪問し、私が今年の「湯めぐりパスポート」の第1号客となりました。すばらしい温泉を楽しめた幸せを感じ、気分よく岩室温泉を後にしました。

 岩室温泉では「松屋」が素晴らしいと思っていましたが、「濱松屋」も侮れません。源泉を楽しむなら、大型旅館の大きな浴槽よりも小規模旅館の小さな浴槽が良いということを実感します。

 「松屋」も「濱松屋」も通常は立ち寄り湯はできませんので、こういう機会を利用して是非お楽しみください。

この記事へのトラックバック