暑いときにも強塩泉 安田温泉「やすらぎ」
暑いときには熱い温泉も良いと先日書きましたが、熱すぎる温泉が苦手な方には、ちょっとぬるめの強塩泉をお勧めします。
新潟には強塩泉がたくさんありますが、その代表というべき胎内市の「塩の湯温泉」や「西方の湯」は、濃厚さのみならず湯温の高さでも県内最高峰です。
その逆の、ぬるめの強塩泉といえば、阿賀野市の安田温泉「やすらぎ」があげられましょう。かつては、新発田市に「天神の湯」というぬるさが自慢の強塩泉があったのですが、閉館して久しくなります。
ということで、先日仕事帰りに安田温泉「やすらぎ」に寄ってきました。職場からも近く、仕事帰りに度々利用している温泉ですので、このブログでの登場回数も多いのですが、前回記事にしてからしばらく経ちましたので、お付き合いください。
記事を検索してみますと、“ぬるめの強塩泉”というテーマでも何度も記事にしていました。またかという感じですが、お許しください。
さて、阿賀野市の安田地区といえば「安田ヨーグルト」とか「サントピアワールド」が有名ですが、古くから「安田瓦」で知られた瓦の産地です。たくさんの瓦工場がありましたが、昨今は瓦屋根が流行らなくなったのか、工場の閉鎖が相次ぎ、「やすらぎ」は閉鎖された瓦工場の建物を改装して、2004年8月にオープンしました。
2003年6月に瓦工場の敷地内で温泉の掘削に成功したとき、新潟のローカルニュースでも取り上げられ、温泉の開業を心待ちにしていたことを思い出します。
昔、弥彦村の観音寺温泉に「やひこ乃ゆ」という日帰り温泉がありましたが、その流れを引き継ぎ、「やひこ乃ゆ」閉館とともに、「やすらぎ」がオープンしました。「やひこ乃ゆ」の名物おばあちゃんをはじめ、備品類も「やすらぎ」に引き継がれ、オープン当初から館内には古ぼけたB級の雰囲気が漂っていました。これが魅力でもありました。
その後14年、幾多の変遷を経て現在に至っています。2010年暮れに2階に岩盤浴、貸切風呂、展望風呂、さらにステージ付の大広間が整備され、2011年1月より「かわら座」として大衆演劇の公演が始まったというのが一番大きな変化でしょうか。
泉質的には、当初は加水されていた露天風呂が、100%源泉掛け流しになり、茶褐色に混濁していた湯がクリアになったりという変化がありました。
そのほかに、回転方向で悩んだ露天風呂の水車の形が変わり、その後水車が撤去されたり、ロッカーが新品に入れ替えられたりなど、その折々にブログ書きましたが、さまざまな出来事がありました。
ということで、前置きが長くなりましたが、日没時に「やすらぎ」に到着。
下足箱に靴を入れ、券売機で入浴券を買って受付します。通常料金はタオルセット付き800円ですが、平日17時以降は夜間割引でタオルセット付き600円になります。
浴室に向けて進みますと、まず右手に売店があります。
季節の農産物の販売もあり、なかなかの品揃えです。そして、食事処兼用の大広間の前を通って浴室に向かいます。
右が女湯、左が男湯で固定されています。浴室前には、なぜか観音様があります。そして、横にはごろ寝ができる休憩場所があります。
脱衣場にはスチール製のロッカーがびっしり。
何と496個もありますが、こんなに必要なのかいつも疑問に思っています。
浴室に入りますと、左には仕切り付の洗い場が20ヶ所あり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。
ほかにボディシャワーもあります。
右側にはジェットバス、寝湯、ぬるめの大浴槽、熱めの小浴槽があります。
湯口が安田瓦製のユーモラスな鬼というのが面白いです。
内湯は温泉ではなく、地下水の沸かし湯です。
通常温度の大浴槽と熱めの小浴槽。
この日の高温浴槽の温度は、何と44.9℃。
結構な熱さでしたが、気持ち良かったです。
ほかにサウナと水風呂があります。
サウナには個人別のサウナマットがあって便利です。
熱帯魚のモニターは、今となっては珍しいブラウン管で、壊れそうになってから久しいですが、なかなか壊れずに頑張っています。
画面が切り替わる瞬間がありますので、じっと眺めていると面白いです。ちょうど10分くらいになりますので、サウナの時間にピッタリかもしれません。
そして、露天風呂へ。
大・中・小の3つの浴槽があり、それぞれ温度設定が異なり、小は熱め、大はぬるめ、中はその中間になっています。
中央に源泉の注ぎ口があり、各浴槽に分流されています。
さて、源泉名は安田温泉、泉質はナトリウム-塩化物強塩泉、源泉温度27.6℃、湧出量は200L/分、PH 6.9です。
主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成15年8月7日付)は、Li 1.1、Na 9261、K 521.1、NH4 219.2、Mg 196.4、Ca 349.5、Sr 3.8、Ba 1.9、Al 2.9、Mn 0.3、Fe(II) 16.2、Cu 0.2、F 0.1未満、Cl 16480、Br 80.8、I 41.6、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.2、HSO4 5未満、SO4 5未満、HCO3 1481、CO3 0.9、メタ珪酸 79.0、メタ硼酸 10.6、遊離CO2 312.7、遊離HS 0.1未満、などで、ガス性除く成分総計は28740mg/kgです。
注がれる源泉は透明ですが、鉄分が豊富ですので、浴槽では酸化されて赤茶けた湯になります。鉄分は含鉄泉の基準にわずかに足りませんが、かなりの濃度です。以前は茶濁りに混濁していた浴槽の湯は、昨年の夏より濾過されているのかクリアになっています。
アンモニウムイオン、臭素イオン、よう素イオンの多さが特徴的であり、独特の臭気があります。炭酸水素イオンも多く、肌のツルスベ感もあります。なめれば当然塩辛いです。
源泉温度は低いですので、加熱され、循環併用と思いますが、オーバーフロー分は掛け流されています。加水はなく源泉100%とのことです。
中央から注がれた源泉は各浴槽に注がれていますが、中浴槽への供給分が一番多く、この浴槽の鮮度が一番高そうに思います。
ぬるめの強塩泉この温泉の魅力ですが、猛暑の時期ということもあってか、いつもより湯温は高めに感じました。
かつて水車があった場所にはデッキが作られています。
この上に上がりますと、塀の外ののどかな田園風景を見渡すことがきます。
緑の水田の先に見える山々。眺めは良いのですが、塀のすぐ下は道路ですので、身を乗り出して外を見ていますと変なおじさんに思われるかもしれません。
平日は空いていて、各浴槽、サウナともタイミングによって独り占めできました。泉質も良く、露天風呂にゆったりと浸かっていますと、ストレスを忘れます。気分いいですねえ・・。
温泉でない内湯もいい感じです。
脱衣場洗面台は鏡が向かい合っていて、合わせ鏡状態。無限に続く自分の姿に見入ってしまいました。
ちなみに、寺泊の「きんぱちの湯」も合わせ鏡を楽しめます。
大広間でひと休み。
食事メニューも豊富です。
農村の集落の中にあり、どこかに昭和の香りが漂う庶民的な温泉です。宿泊もできますし、別料金で岩盤浴や演劇も楽しめます。皆さんもいかがですか。
新潟には強塩泉がたくさんありますが、その代表というべき胎内市の「塩の湯温泉」や「西方の湯」は、濃厚さのみならず湯温の高さでも県内最高峰です。
その逆の、ぬるめの強塩泉といえば、阿賀野市の安田温泉「やすらぎ」があげられましょう。かつては、新発田市に「天神の湯」というぬるさが自慢の強塩泉があったのですが、閉館して久しくなります。
ということで、先日仕事帰りに安田温泉「やすらぎ」に寄ってきました。職場からも近く、仕事帰りに度々利用している温泉ですので、このブログでの登場回数も多いのですが、前回記事にしてからしばらく経ちましたので、お付き合いください。
記事を検索してみますと、“ぬるめの強塩泉”というテーマでも何度も記事にしていました。またかという感じですが、お許しください。
さて、阿賀野市の安田地区といえば「安田ヨーグルト」とか「サントピアワールド」が有名ですが、古くから「安田瓦」で知られた瓦の産地です。たくさんの瓦工場がありましたが、昨今は瓦屋根が流行らなくなったのか、工場の閉鎖が相次ぎ、「やすらぎ」は閉鎖された瓦工場の建物を改装して、2004年8月にオープンしました。
2003年6月に瓦工場の敷地内で温泉の掘削に成功したとき、新潟のローカルニュースでも取り上げられ、温泉の開業を心待ちにしていたことを思い出します。
昔、弥彦村の観音寺温泉に「やひこ乃ゆ」という日帰り温泉がありましたが、その流れを引き継ぎ、「やひこ乃ゆ」閉館とともに、「やすらぎ」がオープンしました。「やひこ乃ゆ」の名物おばあちゃんをはじめ、備品類も「やすらぎ」に引き継がれ、オープン当初から館内には古ぼけたB級の雰囲気が漂っていました。これが魅力でもありました。
その後14年、幾多の変遷を経て現在に至っています。2010年暮れに2階に岩盤浴、貸切風呂、展望風呂、さらにステージ付の大広間が整備され、2011年1月より「かわら座」として大衆演劇の公演が始まったというのが一番大きな変化でしょうか。
泉質的には、当初は加水されていた露天風呂が、100%源泉掛け流しになり、茶褐色に混濁していた湯がクリアになったりという変化がありました。
そのほかに、回転方向で悩んだ露天風呂の水車の形が変わり、その後水車が撤去されたり、ロッカーが新品に入れ替えられたりなど、その折々にブログ書きましたが、さまざまな出来事がありました。
ということで、前置きが長くなりましたが、日没時に「やすらぎ」に到着。
下足箱に靴を入れ、券売機で入浴券を買って受付します。通常料金はタオルセット付き800円ですが、平日17時以降は夜間割引でタオルセット付き600円になります。
浴室に向けて進みますと、まず右手に売店があります。
季節の農産物の販売もあり、なかなかの品揃えです。そして、食事処兼用の大広間の前を通って浴室に向かいます。
右が女湯、左が男湯で固定されています。浴室前には、なぜか観音様があります。そして、横にはごろ寝ができる休憩場所があります。
脱衣場にはスチール製のロッカーがびっしり。
何と496個もありますが、こんなに必要なのかいつも疑問に思っています。
浴室に入りますと、左には仕切り付の洗い場が20ヶ所あり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。
ほかにボディシャワーもあります。
右側にはジェットバス、寝湯、ぬるめの大浴槽、熱めの小浴槽があります。
湯口が安田瓦製のユーモラスな鬼というのが面白いです。
内湯は温泉ではなく、地下水の沸かし湯です。
通常温度の大浴槽と熱めの小浴槽。
この日の高温浴槽の温度は、何と44.9℃。
結構な熱さでしたが、気持ち良かったです。
ほかにサウナと水風呂があります。
サウナには個人別のサウナマットがあって便利です。
熱帯魚のモニターは、今となっては珍しいブラウン管で、壊れそうになってから久しいですが、なかなか壊れずに頑張っています。
画面が切り替わる瞬間がありますので、じっと眺めていると面白いです。ちょうど10分くらいになりますので、サウナの時間にピッタリかもしれません。
そして、露天風呂へ。
大・中・小の3つの浴槽があり、それぞれ温度設定が異なり、小は熱め、大はぬるめ、中はその中間になっています。
中央に源泉の注ぎ口があり、各浴槽に分流されています。
さて、源泉名は安田温泉、泉質はナトリウム-塩化物強塩泉、源泉温度27.6℃、湧出量は200L/分、PH 6.9です。
主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成15年8月7日付)は、Li 1.1、Na 9261、K 521.1、NH4 219.2、Mg 196.4、Ca 349.5、Sr 3.8、Ba 1.9、Al 2.9、Mn 0.3、Fe(II) 16.2、Cu 0.2、F 0.1未満、Cl 16480、Br 80.8、I 41.6、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.2、HSO4 5未満、SO4 5未満、HCO3 1481、CO3 0.9、メタ珪酸 79.0、メタ硼酸 10.6、遊離CO2 312.7、遊離HS 0.1未満、などで、ガス性除く成分総計は28740mg/kgです。
注がれる源泉は透明ですが、鉄分が豊富ですので、浴槽では酸化されて赤茶けた湯になります。鉄分は含鉄泉の基準にわずかに足りませんが、かなりの濃度です。以前は茶濁りに混濁していた浴槽の湯は、昨年の夏より濾過されているのかクリアになっています。
アンモニウムイオン、臭素イオン、よう素イオンの多さが特徴的であり、独特の臭気があります。炭酸水素イオンも多く、肌のツルスベ感もあります。なめれば当然塩辛いです。
源泉温度は低いですので、加熱され、循環併用と思いますが、オーバーフロー分は掛け流されています。加水はなく源泉100%とのことです。
中央から注がれた源泉は各浴槽に注がれていますが、中浴槽への供給分が一番多く、この浴槽の鮮度が一番高そうに思います。
ぬるめの強塩泉この温泉の魅力ですが、猛暑の時期ということもあってか、いつもより湯温は高めに感じました。
かつて水車があった場所にはデッキが作られています。
この上に上がりますと、塀の外ののどかな田園風景を見渡すことがきます。
緑の水田の先に見える山々。眺めは良いのですが、塀のすぐ下は道路ですので、身を乗り出して外を見ていますと変なおじさんに思われるかもしれません。
平日は空いていて、各浴槽、サウナともタイミングによって独り占めできました。泉質も良く、露天風呂にゆったりと浸かっていますと、ストレスを忘れます。気分いいですねえ・・。
温泉でない内湯もいい感じです。
脱衣場洗面台は鏡が向かい合っていて、合わせ鏡状態。無限に続く自分の姿に見入ってしまいました。
ちなみに、寺泊の「きんぱちの湯」も合わせ鏡を楽しめます。
大広間でひと休み。
食事メニューも豊富です。
農村の集落の中にあり、どこかに昭和の香りが漂う庶民的な温泉です。宿泊もできますし、別料金で岩盤浴や演劇も楽しめます。皆さんもいかがですか。