眺め良好、個性的な湯 「麻生の湯」

 先日長岡方面に行く用事があり、せっかくですので、市街地からほど近い「麻生の湯」に寄ってきました。

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 ここは2007年4月19日のオープンですので、比較的新しい温泉です。ただし源泉はかなり前から存在し、かつては入浴施設もあったようですが、その後は道路脇の畑にある源泉井戸から自噴した源泉が垂れ流されていました。

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 これがその源泉です。私の体感で38℃程度の塩辛くて苦い源泉が、赤さびたドラム缶から毎分約50L程度で垂れ流されていました。
 当時は一部のマニアしか知らない源泉でしたが、2003年4月に、私がホームページで紹介しましたら、それが原因かは不明ですが、その後何者かによって源泉のドラム缶が破壊されたという事件があり、紹介記事を急きょ削除したという出来事がありました。今となっては懐かしい思い出ですが、当時は心を痛めていました。
 この事件から4年、待望の日帰り温泉が「麻生の湯」という名前でオープンし、開業直後に駆けつけたことが思い出されます。こんなわけで、個人的に思い入れのある温泉なのであります。

 オープン後は、かつて源泉が自噴していたドラム缶があった場所には小さな小屋が作られていました。

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 その後、いつの間にか小屋はなくなり、今は源泉井戸がどこにあるあるのかわからない状態になっています。


 さて、国道8号線川崎ICから栃尾方面に進み、山道になる手前の乙吉交差点を左折し、しばらく進むと、右手にこの温泉があります。
 少し坂を上った先にあり、この坂道の途中右手に上記の源泉がありました。

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 駐車場からの眺めは良く、遠く西山丘陵、その手前に長岡市街、眼前には穀倉地帯が一望されます。

 日帰り温泉らしくないモダンな建物の奥に玄関があります。

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 入って右側に鍵付下足箱がありますので靴を入れ、受付で料金を払います。
 タオルセット・館内着付で大人910円、小人570円、タオルセットのみですと大人800円、小人510円、夕方17時以降はタオルセット付きで大人670円、小人360円で、館内着は170円となります。
 営業時間は9:30~24:00(最終受付23:00)と、遅くまで営業しているのは良いですね。

 受付の左奥に浴室があります。手前が男湯、奥が女湯です。脱衣場にはロッカーが多数あり、ちょっと狭苦しいかもしれません。

 現在浴室内の撮影はできませんので、2007年4月の開業当初に、朝一番の営業開始直後の客が誰もいないときにに撮った写真を載せておきます。あれから11年以上経ってますが、基本的に変化はありません。

 浴室に入りますと、掛け湯、ジェット付大浴槽のほか、広めのドライサウナと水風呂があります。大きなガラス窓から露天風呂が見渡せて、開放感があります。

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 洗い場は仕切り付4カ所と仕切りなし11カ所あり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。ほかにシャワーが2カ所あります。

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 そして外には露天風呂。手前の屋根付部分には石造りの大きな浴槽があます。

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 木のデッキの先に、木製の枠が付いた長細い浴槽があります。

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 高台にありますので、眺めは良く、先ほどの駐車場からの眺めと同様の眺望を楽しむことができます。ただし、浴槽に浸かった状態では塀に遮られて景色は見えません。

 長岡市中心部の温泉で、このような眺望を楽しめる温泉は、長岡平野の東側に位置するこの「麻生の湯」と、西側の「花みずき温泉 喜芳」のみです。 ともに田園風景で絶景というほどではありませんが、開放感があって良いですね。
 ちなみに「喜芳」も開業前は源泉が垂れ流しされていて、その後に温泉施設ができたという共通点があります。

 内湯と露天風呂大浴槽は淡黄色透明の湯が満ちていていて、ゆったりと浸かることができます。露天風呂小浴槽は細長くて狭いので、ゆったり感は乏しいですが、狭さを利用して、浴槽縁に足をかけたり、座湯のように浸かったりして利用できます。
 なお、露天風呂の木製デッキ部分は大変滑りやすいのでご注意ください。敷かれたマットの上を歩きましょう。

 さて、源泉名は麻生田観音堂温泉、泉質は含よう素-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(高張性中性高温泉)、源泉温度44.1℃、湧出量185L/分(動力揚湯)、PH 7.2 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成28年8月1日付)は、Li 0.7、Na 4259、K 244.8、NH4 8.2、Mg 57.4、Ca 1868、Sr 14.6、Ba 3.2、Al 0.1未満、Mn 2.3、Fe(II) 1.9、Fe(III) 0.1未満、Cu 0.1未満、F 0.3、Cl 10320、Br 57.7、I 21.3、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.8、HSO4 5.0未満、SO4 5.0未満、HCO3 53.2、CO3 0.1未満、メタケイ酸 118.6、メタホウ酸 41.5、遊離CO2 7.1、遊離H2S 0.1未満 など、ガス性除く成分総計は17070mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つため加温、衛生管理と浴槽内の温度を維持するため循環ろ過装置を使用、常に新しい温泉を補給し浴槽からあふれ出た分は掛け流し、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施との掲示がありました。
 脱衣場入り口での掲示と、浴室前廊下での掲示とで、湧出量に若干の違いがありますが、転記ミスでしょうか。さらにホームページの記載も違っていて、どれが正しいのやら。こんなことを気にしているのは私くらいでしょうね。

 実際の湯は淡黄色透明、若干の油臭があり、飲めば塩味と苦みが強いく、かなりヘビーな湯です。露天の小浴槽は循環されていないようで、軽度白濁し、茶褐色の湯花の浮遊・沈殿がありました。存在感のある個性的な湯で、温まりも良好です。

 湯上りには玄関正面の休憩所・食事処(麻生田食堂)を利用できますし、1時間1000円の個室もあります。男には関係ないですが、ボディケア・フットケアも受けられます。

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 食事のメニューは豊富で、健康定食がお勧め。夜間は入館料と食事がセットになったお得なプランもありますので、受付に尋ねてみると良いです。

 なお、駐車場の隅で何やら工事が行われていて、こんな構築物がありました。

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 形から見ますと足湯のように思えますが、どうでしょうか。何ができるか楽しみにしましょう。

 長岡には多数の温泉がありますが、それぞれが個性的で、魅力的であり、高水準です。市街地周辺に多数の温泉がある長岡の人がうらやましくなります。

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