ドバドバ大量掛け流し 「寺宝温泉」

 先日長岡方面に行く用事があり、しばらくぶりに「寺宝温泉」に寄ってきました。

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 ここは1999年12月21日に日帰り入浴施設としてオープンしましたが、私はオープン3日目に利用したのが最初でした。以後20年のお付き合いということになります。

 オープン当初から源泉100%の掛け流しの温泉は魅力でしたが、当初は内湯のみで、施設・設備としては質素でした。
 その後、2001年8月に露天風呂が増設され、岩風呂のほかにステンレス風呂もありました。
 これは使い古されたような家庭用のステンレス浴槽で、冗談かと思うほどでした。、さすがに2002年に小さな檜浴槽に入れ替えられましたが、これも1~2人しか入れない小さな浴槽でした。皆さんぬるい湯に長く浸かっていますので、順番待ちしていたことを思い出します。

 2002年7月には、外の駐車場わきに、温泉プールも作られました。プールと言っても子供用の小さなものでしたが、なんと掛け流しというのは驚きでした。しかし、残念ながら、ほどなくして閉鎖されました。

 この日帰り施設(日帰り館)には、ロビーに飲泉所があり、足湯も作られ、食堂では温泉水を使用したラーメンや甘酒をいただくこともできました。今となっては古き良き思い出です。

 その後、この日帰り館の手前に湯治館が建てられ、2010年末をもって日帰り館は閉館し、以後日帰り入浴は湯治館の浴室を利用することになりました。日帰り館は取り壊され、現在は駐車場となっています。

 この湯治館の浴室は、脱衣場、内湯、露天風呂とも狭く、混み合うと利用しにくかったのですが、2012年末に露天風呂の小さな檜浴槽が大きくなり、2013年4月には浴室が改修され、脱衣場が広くなり、露天風呂も拡張されて現在の姿となりました。

 源泉は、当初は源泉温度30.4℃の単純温泉(ガス性除く成分総計404.3mg/kg)で、アワアワ感が魅力でしたが、2012年10月よりナトリウム-塩化物温泉の新源泉が使用開始されて現在に至ります。

 アワアワ感が強く、ドバドバ掛け流しされた湯は鮮度が高く、全国の温泉ファンにも自慢できる名湯として愛されています。

 
 前置きが長くなりすぎてしまいましたが、「寺宝温泉」に到着。

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 下足箱に靴を入れて入館。下足箱の鍵は自分で保管します。

 受付で料金を払います。入浴料は大人700円、小人500円、タオルなしですが、平日のみ夕方5時から大人600円、小人400円、夜7時からは大人500円、小人300円になります。
 営業時間は午前7時から午後10時(10月~3月は午後9時)までで、7時から朝湯が楽しめるのは良いですね。

 男女浴室は毎日交互に使用されますが、今回の男湯は手前側でした。

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 この2つの男女浴室は、左右対称になっており、基本構造は同じです。

 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠、別に鍵付貴重品入れがあります。脱衣場は改修前は非常に狭かったのですが、手前に広く拡張されてゆったりしました。

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 洗面台にはドライヤーがありますが、その他のアメニティ類はありません。

 浴室に入りますと、初めての人はその狭さに驚くことでしょう。浴室の写真はうまく撮れませんでしたので、以前の記事をご覧ください。

 入ってすぐの左右に仕切り付の洗い場がありますが、浴槽との間には仕切りがあって狭く感じます。

 浴室に入った正面には露天に通じる狭い通路があり、その左右に2つの長方形の浴槽があります。スペース的には全く余裕はありません。これほど狭苦しい浴室も珍しいのではないかと思います。

 左右の浴槽には紅茶色の湯が満ちており、注湯口から注がれた源泉は、浴槽の縁から掛け流されています。

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 左右の浴槽の湯温は異なり、熱めとぬるめになっています。

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 紅茶色のツルスベの湯は浴感も良好です。

 洗い場にはボディソープ、リンスインシャンプーがあり、カランの湯は源泉が使用されています。

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 このカランに使用されている源泉は従来からの単純泉で、浴槽の源泉とは違います。


 浴槽間の狭い通路を通って外に出ますと、露天風呂があります。手前に岩風呂があり、源泉が掛け流されています。
 浴槽上の注湯口から旧来の単純泉が、浴槽底から新源泉が供給されていて、ダブルの効果を謳っていますが、実際どうなのかは不明です。

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 この岩風呂の反対側には洗い場もあって、浴室内同様にボディソープ、リンスインシャンプーがあります。

 奥には3畳ほどの檜風呂があり、紅茶色の湯が満ちています。

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 ボコボコと浴槽の底からパイプで供給された源泉は、手前側の浴槽の縁からザバザバと大量に掛け流されています。

 そして、左右の浴室の中間部に巨石風呂があります。ここへの入口は左右にあり、その時々で一方が開放、一方が施錠され、男女交互に使用されます。

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 従いまして、そのときによって巨石風呂が使用できるときと、できないときがあり、使用できるときに当たりますと得した気分になります。

 この浴槽も紅茶色の湯が満ちていて、浴槽の底からパイプで供給された源泉が、大量に掛け流されており、贅沢域分で浸かれます。

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 この浴槽は深めであり、浴槽内に座るための塩ビパイプで作った“椅子”が用意されています。

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 内湯浴槽は静かに掛け流されていますが、露天風呂の浴槽は、いずれもボコボコと音を立てながら派手に湯が供給され、アワアワ感を売りにしています。

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 アワアワ、ボコボコの湯は、「湯ったり苑」にある「美泡の湯」のような人工的な操作があるのではないかと邪推してしまいますが、人工的な気泡ではないと掲示されています。

 これでもかというくらいに大量掛け流しで、文句のつけようはありません。

 源泉名は、「寺宝温泉 あわの湯」。泉質はナトリウム-塩化物温泉。源泉温度40.7℃、PH 8.0、湧出量330L/分(供給量190L/分)です。

 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成24年4月24日分析)は、Li 0.1、Na 1274、K 80.9、NH4 19.1、Mg 9.5、Ca 28.4、Sr 0.3、Ba 0.1、Al <0.1、Mn 0.1、Fe(II) 0.6、Fe(III) <0.1、Cu <0.1、F 0.4、Cl 1863、Br 10.9、I 6.2、HS <0.1、S <0.1、S2O4 <0.1、HSO4 <5.0、SO4 <5.0、HCO3 689.1、CO3 5.2、メタケイ酸 118.9、メタホウ酸 <0.1、遊離CO2 11.6、遊離H2S <0.1 など、ガス性除く成分総計は4110mg/kgです。

 加水なし、入浴に適した温度を保つため加温、貯湯槽を有するため衛生管理の目的から加温、季節により温度調整のため加温、加水なし、循環・ろ過装置利用なし、入浴剤なし、衛生管理のため塩素系薬剤により消毒しているとの記載がありました。

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 掛け流しでなく、掛け捨てという表現にこだわりと自信が感じられます。

 湯上りにはロビーの椅子や広間で休息できますが、広くはありません。

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 湯治館の浴室を利用しているわけで、日帰り専用の施設ではありませんので、仕方ないですね。
 
 浴槽の大きさを考えれば、十分すぎる量の掛け流しで、贅沢気分で温泉を楽しめます。浴槽ごとに温度設定の違いもあり、各浴槽を交互に入るのがお勧めです。
 湯温は低めであり、ゆったりと、ゆっくりと湯に浸かれるのが魅力です。常連さんは長時間湯に浸かり、浴槽を占拠していることも多いのが難点と言えば難点です。

 家族でゆったりという施設ではありませんが、温泉好きの方、温泉マニアの方には自信を持ってお勧めできる温泉です。新潟を代表する名湯のひとつといえましょう。

 市の中心部からもすぐの場所に、このように素晴らしい温泉がある長岡市民がうらやましくなります。

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