硫化水素臭が恋しくて..月岡温泉「ほうづきの里」

 新潟を代表する硫黄泉と言えば月岡温泉です。新潟のみならず、日本でも屈指の硫黄分を誇ります。

 月岡温泉は、忘年会や新年会で毎年宿泊利用しており、おのずとこのブログの登場回数も多くなっています。

 今年も1月末に「清風苑」を利用しましたが、その後は月岡温泉に行っておらず、硫化水素臭漂うエメラルドグリーンのツルスベの湯が恋しくなり、仕事帰りに寄ってきました。

 仕事帰りと言えば、いつもは「美人の泉」なのですが、ワンパターンですので、今回は「ほうづきの里」にしました。2017年8月の浴室リニューアル直後に行って以来ですので、久しぶりになります。

 場所は温泉街の最奥、「摩周」の川を挟んだ向かいにあります。もともとは旧・豊浦町の福祉施設でしたが、新発田市に合併して「新発田市豊浦福祉センター 」となり、現在は新発田市社会福祉協議会が管理・運営しています。隣はデイサービスセンターになっています。
 なお、「ほうづきの里」の「ほう」は「豊浦町」の「豊」、「づき」は「月岡温泉」の「月」に由来します。

 仕事を終えて、大急ぎで到着しました。営業時間は9時30分から19時までで、最終受付は18時30分と早いのでご注意ください。私は最終受付寸前に滑り込み、最後の入館者となりました。

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 鍵なし下足棚に靴を入れて入館。受付に料金を払います。

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 大人600円、小人300円、タオルなしですが、16時以降は440円に割引になります。

 急いで奥の浴室へ。

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 脱衣場には鍵付脱衣棚、脱衣籠があります。

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 洗面台にはドライヤーがありますが、他の備品はありません。

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 では、浴室へ。

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 ドアを2つ抜けた先に浴室があります。

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 岩造りの小浴槽と、長方形の大浴槽があり、浴室内は湯気と硫化水素臭が充満していました。
 先客が2人おられましたが、ほどなくして出て行かれ、以後最後まで貸切状態となりました。

 エメラルドグリーンの湯を期待していたのですが、この日の湯は微淡緑色で、ほぼ無色透明と言っても良いくらいでした。でも、硫化水素臭は十分にありました。

 まず小浴槽へ。湯はほとんど無色透明でした。

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 私の体感で43℃以上はありそうで、熱めで気持ち良かったです。

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 以前は少しながらもオーバーフローがあり、掛け流し気分で浸かれたのですが、今回はオーバーフローはありませんでした。浴槽内吸引があり、循環されていました。
 湯はいつもの月岡の湯に比して若干薄味で、ツルスベ感も少なめに感じました。

 そして、大浴槽へ。微淡緑色で、エメラルドグリーンというほどではありません。

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 私の体感で41~42℃の一般向けの温度です。

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 軽度のツルスベ感はありますが、こちらも若干薄味で、苦くてまずい月岡の湯のインパクトは心なしか乏しく感じました。

 洗い場は壁際に5ヶ所。ボディソープとリンスインシャンプーがあります。

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 さて、源泉名は、月岡5号井、月岡6号井。泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。月岡5号井/月岡6号井それぞれ、源泉温度 50.4℃/49.5℃、使用位置42.0℃。湧出量 440/141L/分、PH 8.0/7.6。

 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成25年7月24日分析)は、月岡5号井/月岡6号井それぞれ、Li 0.3/0.3、Na 1097/1107、K 22.6/22.8、NH4 6.7/6.9、Mg 22.1/21.8、Ca 50.2/49.5、Sr 2.4/2.4、Cu 0.0/0.1、Zn 0.0/0.2、F 2.7/2.7、Cl 1059/953.3、Br 4.9/5.0、I 1.3/0.9、HS 71.5/79.3、S2O3 41.4/26.0、SO4 575.1/596.5、HPO4 0.4/0.0、HCO3 482.1/485.1、メタケイ酸 40.3/43.5、メタホウ酸 14.6/14.4、遊離CO2 8.1/20.4、遊離H2S 8.1/22.6、などで、ガス性除く成分総計は3494/3418mg/kgです。

 入浴に適した温度に保つため加温、開館前に浮遊している油をオーバーフローさせるために加水、衛生管理のため循環・ろ過装置使用、塩素系薬剤により消毒しているとの掲示がありました。

 この日は閉館間際で、湯のコンディションが良くなかったのかもしれませんが、月岡温泉のパワーはいつもよりは乏しく感じられました。私の気のせいかな・・・。

 しかし、高めの湯温と硫化水素の強力な血管拡張作用によって温まりは抜群でした。
 貸切状態ということもあって、他人に気兼ねせずに、のびのびと湯に浸かることができて良かったです。

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 非常に温まりが良いですので、長湯にはご注意ください。

 閉館時間が近づき、浴室前の休憩所で少しだけクールダウン。

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 湯上りにはこれ。

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 フルーツ牛乳といえば、紙蓋の塚田牛乳が新潟の定番ですが、雪印も美味しかったです。

 飲み終わったところでちょうど閉館時間となり、汗が引かないまま退館しました。
 当然ながら、私が最後の客となってしまい、職員の方に見送っていただきました。

 その日のコンディションで湯の性状が変わるのが天然温泉の証しであり、今回は期待したエメラルドグリーンの湯ではありませんでしたが、温まりは抜群でした。
 豊栄市街を抜けて新新バイパスに上がるまで汗は引かず、家に着いても体はポカポカでした。月岡温泉のパワーはさすがです。

 なんだかんだ言っても月岡温泉は好きだなあ・・・。

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