田上に行ったら・・「心起園」

 田上町と言えば「湯田上温泉」。そして日帰り温泉といえば「ごまどう湯っ多里館」ですが、もうひとつ、知る人ぞ知る隠れた温泉があります。
 それは、「田上町老人憩いの家・心起園」です。ここは、湯田上温泉とは別の独自の源泉が使用されています。

 本当は「ごまどう湯っ多里館」目当てで行ったのですが、せっかく田上に来ましたので、久しぶりにここに寄ることにしました。前回利用したのが2013年9月でしたので、6年振りということになります。ずいぶんとご無沙汰してしまいました。

 新潟方面からですと、湯田上温泉入り口の交差点のひとつ先の交差点を案内板に従って右折。細道を少し進みますと、すぐ左手に「田上町老人憩いの家・心起園」があります。右隣はデイサービスセンターです。

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 建物は古いですが、デザインは斬新です。1970年代のオープン当時は全国的にも注目された建物だそうです。

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 玄関を入りますと左手に受付がありますので、料金を払い、下足棚に靴を入れて入館します。

 料金は、町外者400円、町内60歳未満200円、町内60歳以上100円(年間利用券1000円)です。タオルはありませんので持参してください。
 休館日は、毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)で、入浴時間は、夏季(6月~9月)は、10:00~17:00まで、冬季(11月~3月)は、11:00~16:00までです。

 斬新な外観の館内も変わっています。大きなホールを取り囲むように休憩所が作られており、右奥に浴室があります。

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 脱衣場には脱衣棚と洗面台がひとつあるのみです。

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 浴室には洗い場が5ヶ所。石鹸類はありませんので、持参する必要があります。

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 中央の柱横に、洗い椅子と洗面器が重ねられています。

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 浴槽は窓際にひとつあるのみで、茶褐色の湯が満ちています。

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 ちょっと変形した長方形の浴槽です。

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 浴槽奥のパイプから、浴槽内に加熱源泉が注入されています。

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 手前の蛇口からは、非加熱源泉が投入されています。源泉投入分はオーバーフローされているようです。

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 10分ほど入浴しているうちに先客がいなくなり、次の客が来るまでの間、独り占めとなりました。

 茶褐色透明の湯は無臭ですが、塩味があって、私の体感では42℃程度で、温まりは抜群です。

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 源泉名は普代温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物泉(低張性 弱アルカリ性 低温泉)。源泉温度30.4℃。湧出量15.6L/分(自噴)。 PH7.8。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成25年12月25日付)は、Li 0.1、Na 2112、K 23.5、Mg 49.9、Ca 340.4、Sr 4.3、Ba 1.7、Mn 0.1、Fe(II) 0.5、NH4 1.3、 F 5.4、Cl 3847、Br 16.4、I 4.3、SO4 2.7、HCO3 113.5、CO3 0.5、HS 0.4、HPO4 0.8、メタケイ酸 45.1、メタホウ酸 30.7、遊離CO2 4.4、遊離H2S 0.1、など、ガス性除く成分総計は6601mg/kgです。

 源泉供給量の不足を補うため水道水を加水、入浴に適した温度に保つため加温、衛生管理のため循環ろ過装置を使用、衛生管理のため塩素系薬剤により消毒、浴槽は1日おきに換水・清掃、定期的にレジオネラ菌検査及び循環配管の清掃を実施とのことです。

 循環とのことですが、非加熱源泉が絶えず注がれており、利用客も少ないですので、湯の鮮度は良好です。

 館内は広い空間になっていて、休憩場所には困りません。テレビがある区画もあります。

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 食堂はなく、歓楽的要素は全くありません。あくまで老人憩いの家ですので、そのつもりでご利用ください。

 一般にはほとんど知られていない温泉であり、混み合うこともありません。昭和40年代を彷彿させるレトロな空気感も魅力です。
 決して家族連れで来る場所ではありませんが、設備にこだわらず、純粋に温泉を楽しみたい人にはお勧めできます。

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