存続の危機 「加茂 美人の湯」が危ない
加茂市の「加茂 美人の湯」は、モダンで豪華な施設と、粟ヶ岳を見ながらの入浴が格別であり、魅力ある温泉です。
この「加茂 美人の湯」に関して、7月1日の新潟日報に心配な記事が出ていました。
新潟県内では新型コロナウイルス感染は落ち着きをみせ、"コロナ休館"していた温泉施設は、ほとんど営業再開しています。
しかし「加茂 美人の湯」だけは営業再開の動きが見られず、どうしたのかと心配していたのですが、それには奥深い事情があるようです。
新潟県内では新型コロナウイルス感染は落ち着きをみせ、"コロナ休館"していた温泉施設は、ほとんど営業再開しています。
しかし「加茂 美人の湯」だけは営業再開の動きが見られず、どうしたのかと心配していたのですが、それには奥深い事情があるようです。
新型コロナウイルス感染の拡大により「加茂 美人の湯」は3月3日から休館となり、営業再開されないまま現在に至ります。
この施設は、毎年約1億円の赤字を計上しており、営業再開しても赤字がかさむため、市は休業を継続しているとのことです。
また、源泉井戸が老朽化し、将来枯渇することも予想され、市は廃止も選択肢として検討しているとのことですので、事態は深刻です。
この温泉は2002年11月に開業し、私も開業早々に訪問しましたが、公共の日帰り温泉らしからぬ豪華さに驚きました。
しかし、以前のブログに記しましたが、源泉の濃厚な泉質が災いして、開業前から揚湯管にスケールが付着して詰まり、湯量が減少していました。
断続的に管の清掃やポンプ交換などの対策工事を行いましたが、一旦湯量が回復しても数週間で毎分数Lに減少してしまうため、源泉の供給は困難を極めました。乏しい源泉を希釈して使用し、加熱・循環された浴槽のお湯は成分表とはほど遠いもので、がっかりさせられていました。
このことは市議会で問題となり、対策工事に税金が投入されたことが問題とされ、訴訟問題にまで発展しました。
結局、度重なる工事にも関わらず源泉供給はままならず、2005年8月からは源泉使用を完全に中止し、入浴剤による営業を行いました。この辺の事情の情報公開が乏しく、沸かし湯を天然温泉と信じていた人も多かったようです。
この問題の解決のため、2008年秋から新たな井戸を斜めに掘削し、濃い源泉を水で薄めてから汲み上げる方法をとることとして、2009年5月20日、4年ぶりに源泉の供給が再開されました。
源泉はスケール防止のため、汲み上げ時から加水・希釈されており、浴槽のお湯はかなり薄くなっているものと思われましたが、トロトロ、ツルスベ感があって、温泉の味わいは十分に感じられて、ひと安心かと思っていました。
しかし、以前のブログに書きましたように、その後も源泉トラブルが絶えず、源泉井戸のメンテナンスをするたびに沸かし湯による営業を余儀なくされ、維持管理費もかさむため、入館料の値上げも行われました。
この間に、ピーク時の2003年度の入館者は21万4千人ありましたが、その後減少が続き、2019年度はコロナ休館もあり、過去最低の8万3千人となり、1億2,490万円の赤字だったそうです。
源泉の維持管理には多額の経費がかかり、入館者数の減少と相まって、2004年度から16年連続の赤字を計上し、市議会でも問題となりました。今年度は営業しない方が4,060万円も赤字幅が縮小できるというのは深刻です。
また、源泉の維持管理に必要なやぐらが、老朽化して風速30mで倒壊する危険があるため、撤去する工事を行うことになり、その費用が今年度の一般会計補正予算に計上されたそうです。これにより、源泉井戸の管理が難しくなり、温泉成分が詰まって源泉が出なくなる可能性もあるそうです。
さらに、源泉井戸の鋼管の腐食により、土から湧き出た原油が流入し、毎月200Lを回収して処分しているそうですので、源泉井戸の維持は大変そうです。
源泉を新たに掘るには1億円以上かかり、赤字続きの現状にあっては新源泉の掘削は困難であり、源泉枯渇のリスクを背負いながら、このままみていかざるを得ません。
休館を続けても維持経費はかかり、赤字が拡大するばかりであり、廃止の選択も現実味があります。
市長が交代し、前市長が力を注いだ置き土産を今後どうしていくのか、慎重に見守りたいと思います。
実は、今回の休館に入る直前に利用しており、今思えば幸運でした。3月3日から休館に入ったのですが、直前の3月1日に、突然思い立って行きたくなり、温泉をたっぷりと楽しむことができました。
この日は、長岡市の新潟県立歴史博物館で開催されていた冬季企画展「越後佐渡の温泉文化」を見に行き、ついでに寺宝温泉に寄って帰るつもりだったのですが、何故か突然「加茂 美人の湯」に行きたくなったのです。
単なる偶然とは思い難く、神のおぼしめしと言いますか、虫の知らせがあったのでしょうか。
また、新潟県立歴史博物館も、私が見に行ったその日に、翌日からの臨時休館を発表し、タイミングの良さには、我ながら驚いています。日頃の行いが良いなずはないのですけれど。
このまま閉館して、温泉を楽しめなくなるのは、あまりにもさびしいです。3月に入浴したのが最後になることがないように祈ります。何とか復活してもらいたいものです。
この施設は、毎年約1億円の赤字を計上しており、営業再開しても赤字がかさむため、市は休業を継続しているとのことです。
また、源泉井戸が老朽化し、将来枯渇することも予想され、市は廃止も選択肢として検討しているとのことですので、事態は深刻です。
この温泉は2002年11月に開業し、私も開業早々に訪問しましたが、公共の日帰り温泉らしからぬ豪華さに驚きました。
しかし、以前のブログに記しましたが、源泉の濃厚な泉質が災いして、開業前から揚湯管にスケールが付着して詰まり、湯量が減少していました。
断続的に管の清掃やポンプ交換などの対策工事を行いましたが、一旦湯量が回復しても数週間で毎分数Lに減少してしまうため、源泉の供給は困難を極めました。乏しい源泉を希釈して使用し、加熱・循環された浴槽のお湯は成分表とはほど遠いもので、がっかりさせられていました。
このことは市議会で問題となり、対策工事に税金が投入されたことが問題とされ、訴訟問題にまで発展しました。
結局、度重なる工事にも関わらず源泉供給はままならず、2005年8月からは源泉使用を完全に中止し、入浴剤による営業を行いました。この辺の事情の情報公開が乏しく、沸かし湯を天然温泉と信じていた人も多かったようです。
この問題の解決のため、2008年秋から新たな井戸を斜めに掘削し、濃い源泉を水で薄めてから汲み上げる方法をとることとして、2009年5月20日、4年ぶりに源泉の供給が再開されました。
源泉はスケール防止のため、汲み上げ時から加水・希釈されており、浴槽のお湯はかなり薄くなっているものと思われましたが、トロトロ、ツルスベ感があって、温泉の味わいは十分に感じられて、ひと安心かと思っていました。
しかし、以前のブログに書きましたように、その後も源泉トラブルが絶えず、源泉井戸のメンテナンスをするたびに沸かし湯による営業を余儀なくされ、維持管理費もかさむため、入館料の値上げも行われました。
この間に、ピーク時の2003年度の入館者は21万4千人ありましたが、その後減少が続き、2019年度はコロナ休館もあり、過去最低の8万3千人となり、1億2,490万円の赤字だったそうです。
源泉の維持管理には多額の経費がかかり、入館者数の減少と相まって、2004年度から16年連続の赤字を計上し、市議会でも問題となりました。今年度は営業しない方が4,060万円も赤字幅が縮小できるというのは深刻です。
また、源泉の維持管理に必要なやぐらが、老朽化して風速30mで倒壊する危険があるため、撤去する工事を行うことになり、その費用が今年度の一般会計補正予算に計上されたそうです。これにより、源泉井戸の管理が難しくなり、温泉成分が詰まって源泉が出なくなる可能性もあるそうです。
さらに、源泉井戸の鋼管の腐食により、土から湧き出た原油が流入し、毎月200Lを回収して処分しているそうですので、源泉井戸の維持は大変そうです。
源泉を新たに掘るには1億円以上かかり、赤字続きの現状にあっては新源泉の掘削は困難であり、源泉枯渇のリスクを背負いながら、このままみていかざるを得ません。
休館を続けても維持経費はかかり、赤字が拡大するばかりであり、廃止の選択も現実味があります。
市長が交代し、前市長が力を注いだ置き土産を今後どうしていくのか、慎重に見守りたいと思います。
実は、今回の休館に入る直前に利用しており、今思えば幸運でした。3月3日から休館に入ったのですが、直前の3月1日に、突然思い立って行きたくなり、温泉をたっぷりと楽しむことができました。
この日は、長岡市の新潟県立歴史博物館で開催されていた冬季企画展「越後佐渡の温泉文化」を見に行き、ついでに寺宝温泉に寄って帰るつもりだったのですが、何故か突然「加茂 美人の湯」に行きたくなったのです。
単なる偶然とは思い難く、神のおぼしめしと言いますか、虫の知らせがあったのでしょうか。
また、新潟県立歴史博物館も、私が見に行ったその日に、翌日からの臨時休館を発表し、タイミングの良さには、我ながら驚いています。日頃の行いが良いなずはないのですけれど。
このまま閉館して、温泉を楽しめなくなるのは、あまりにもさびしいです。3月に入浴したのが最後になることがないように祈ります。何とか復活してもらいたいものです。