さくら咲く やっぱり薄味 「だいろの湯」
新潟市西蒲区、岩室温泉の外れにある多宝温泉「だいろの湯」。オープン以来のファンであり、その変遷を見守ってきました。
新潟県第2位、全国でも有数の硫黄泉なのですが、
この問題は何度となくこのブログで取り上げ、先月のブログでも泉質変化について考察しましたが、
見上げますと、玄関前の桜がピンクの花を咲かせていました。
まだ咲き始めでしたが、青空をバックにきれいでした。
玄関横の飲泉所で温泉をひとなめして入館。
入館料はタオルセット付で880円(平日17時以降は660円)
掛け湯をして、2号源泉の内湯大浴槽に浸かります。淡白色微混濁の湯は、
続いて、問題の1号源泉の大庭園露天風呂へ。これまで同様に、ごくわずか緑がかってはいますが、ほとんど無色透明です。
天井に、地下1209メートルから毎分162L湧出する源泉を、男女80Lずつ掛け流し、源泉温度は55.2℃ ですが、熱交換で内湯の2号源泉に8℃与え、47℃で供給していると書いてありますが、これは開業時から掲示されている古き良き時代のもの。現在は異なっているはずです。
一方、内湯には、平成6年に掘削された1号源泉の隣に、平成7年に井戸を掘り、地下300メートルから湧出した源泉を内湯に使用していましたが、平成18年11月に、県の指導により温泉登録した旨が掲示されています。毎分833L湧出する源泉を、男女それぞれ毎分200Lずつ、熱交換で1号源泉から8℃もらい、48℃で掛け流ししていると書いてあります。
この掲示も以前からのものであり、現在は異なっているはずです。現在の源泉温度は26.8℃ですので、1号源泉との熱交換で8℃もらったところで34.8℃ですから、1号源泉との熱交換だけでは賄いきれないはずなのですが、どうなんでしょう。
内湯も大庭園露天風呂も、温度ムラをなくすため撹拌をしていますが、濾過はしていないことを強調しています。
撹拌のためと言っても循環装置を使用しているわけですから、厳密には掛け流しと言って良いのか疑問もありますが、
もうひとつの3号源泉の露天風呂は、
湯温はその日により異なり、もっと温かいこともあります。源泉供給量で温度調整しているのかもしれません。ここも浴槽内の温度を均一に保つため循環装置を使用しています。
湧出量が毎分800Lと多く、「わたや」や「ドーミーイン」
浴室には、このほかにドライサウナがありますが、狭いですので、新型コロナ後は蜜を避けて利用していません。
サウナ横に18℃の水風呂がありますが、これは敷地内からの地下水だそうです。
洗い場は仕切り付で、7+10の17ヵ所。
湯上がりに広間でひと休み。タイミングなのでしょうが、空いていました。
いつもの一杯。
110円です。まあ、安い方でしょう。
ロビーでもうひと休みして退館しました。
ということで、1号源泉は、今回もやっぱり薄味でした。かつての濃厚な源泉を、3号源泉で割った印象です。
往年のパワーを知らなければ、これはこれでいいお湯なのですが、
前回のブログで考察しましたように、過去と現在を比べますと、1号源泉は総硫黄が私の概算で81.5mg/kgから43.1mg/kgに半減している代わりに、ガス性除く成分総計が1853mg/kgから4888mg/kgへと濃厚になっています。
3号源泉は、総硫黄が5.3mg/kgから13.8mg/kgへと大きく増加し、その代わりにガス性除く成分総計は、6696mg/kgから4820mg/kgへと薄くなっています。
これらを総合的に考えますと、地下の奥深くで、1号源泉の湯脈と3号源泉の湯脈が交じり合っていると考えると説明ができそうに思いますが、いかがでしょうか。
分析表の数字を見ていますと、地下での営みの神秘が垣間見えるようで、想像は膨らむばかりです。こんなことを楽しんでいるのは私くらいでしょうけれど。
帰りには、いつものように受付で紙コップとカルピスをいただき、
源泉をそのまま飲んでも不味いですが、温泉カルピスは美味しいですよ。
皆さんも是非味わってください。
帰り際に駐車場横の桜の花見。
この桜の品種は知りませんが、「だいろの湯」周辺の桜は毎年早く咲いて、
訪問時から数日経過していますので、今頃はもっと咲いているものと思います。
これから県内でも順次桜開花の話題が報じられることでしょう。いよいよ本悪的な春ですね。大雪に開けくれた冬が嘘のようです。
帰り道、毎度のことながら口腔内には胃から硫化水素臭がこみ上げてきました。これも飲泉の楽しみですね。
なんだかんだ言っても、3つの源泉を掛け流しで楽しめて、