松之山温泉で塩作り

 5月19日の新潟日報の記事で、松之山温泉の源泉を使った塩作りの話題が紹介されていました。同紙のWEB版にも記事が出ていました。

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 十日町市の有志6人のグループが、兎口地区に塩釜を開設し、地域の温泉旅館から購入した源泉から塩を作って商品化を試みているとのことです。
 松之山温泉では、戦中・戦後の物資不足の時期に、温泉から塩を作っていたという歴史がありますので、それを復活ということでしょうか。

 埼玉県出身で松之山に移住した嶋村さんの発案に賛同した地元有志のグループ「まつのやま塩倉」は、昨年10月から塩作りを始め、商品化をめざして活動しています。
 この話題は2月に地元テレビ局のUXNSTの番組で紹介されたり、新聞やネットの記事で紹介されたりしていましたので、ご覧になった方も多いものと思います。

 源泉を釜炊きして煮詰めて完成したのが「薬師山塩」です。松之山温泉は約1200万年前の化石海水由来であり、最近話題になっているマイクロプラスチックなど海洋汚染の心配がないというのが売りのようです。

 100Lを10時間かけて釜炊きし、1200gの塩ができます。本業の傍らでの作業のため、釜炊きは週3回程度であり、安定生産には課題があるそうです。
  
 商品化されて初回分は3月31日に発売され、販売価格は10gで888円と高価でしたが、すぐに完売しました。次の販売時期はまだ未定だそうです。
 今後は塩作り体験会を開催したり、施設の改修、まき小屋建設なども予定しており、300万円を目標にクラウドファンディングを始めるそうです。

 温泉熱で発電したり、温泉熱で調理(湯治豚)したり、塩を作ったりと、松之山温泉の取り組みは素晴らしいと思います。温泉発展の起爆剤になると良いですね。

 さて、温泉から塩を作るといいますと、長岡市与板の越乃湯旅館」があり、「越乃塩」として商品化されています。この商品化の話題が新聞報道されたとき、私にコメントが求められて記事に載ったことがありました。
 また、胎内市の「西方の湯」でも塩を作っており、私もご主人から何度かいただいたことがあります。今も手元にありましたので、なめてみましたが、薄茶色の塩は甘さも感じられ、塩化ナトリウム以外のミネラルの豊富さが感じられました。
 以前には、糸魚川市のフォッサマグナ糸魚川温泉で塩を作って、「湯芽」「旨塩」という名前で販売していましたが、その後経営が代わっていますので、今はどうなったかわかりません。

 新潟県内には濃厚な強塩泉が多いですから、塩を作る原料はたっぷりあります。ただ、商品化して商売にするというのは大変でしょう。温泉から塩、話題作りにはなりますから、頑張っていただきたいと思います。

 ちなみに、塩つながりということで、もう何度も紹介していますが、この塩を忘れてはなりません。
 温泉から作った塩ではありませんが、このブログを読んで下さるような温泉ファンには「マグマ塩」がお勧めです。是非ひとなめしてください。幸せ気分に浸れるでしょう。

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