掛け流し最高! 「さくらの湯」

 先日、某所での仕事の帰り道、久しぶりに弥彦村の「さくらの湯」に立ち寄ってきました。
 前回来たのは4月末でしたので、なんと8ヵ月ぶりです。こんなにもご無沙汰していたとは自分でも信じられません。

 駐車場に車をとめて、寒風が吹く中に玄関に向かいますと、イルミネーションが迎えてくれて、ほっとした気分にさせてくれます。

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 玄関先にはすでに小さな門松が飾られていました。

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 小さな下足箱に靴を入れて受付へ。入館料はタオルセット館内着付きで1000円ですが、平日夕方5時以降はタオルセット付で600円です。
 前回のブログでも考察しましたように、近隣の温浴施設の夜間割引を検証しますと、先日紹介した「てまりの湯」の夜間割引はタオル付で300円と格安ですが、泉質・施設の充実度等を勘案しますと、値段相応かもしれません。
 「だいろの湯」の夜間割引はタオルセット付で660円、「
じょんのび館」は夜間割引がなくなり、「ヴィネスパ」の夜間割引はタオルなしで700円ですので、「さくらの湯」のタオルセット付で600円は、泉質や設備の充実度を考えれば格安だと思います。

 ということで、手首で体温測定を受け、下足箱の鍵と引き換えに受付し、夜間割引料金600円を払い、ロッカーの鍵と、くたびれたバッグに入ったタオルセットを受け取りました。

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 では、浴室に向かいましょう。

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 内湯は、掛け湯、腰掛け湯、大浴槽、ぬるめの小浴槽のほか、ハーブ湯をやっていた小さな浴槽があるのですが、この日は水風呂になってました。
 ほかにサウナと円形の小さな水風呂が2つありますが、サウナは混雑を避けて利用しませんでした。

 洗い場は仕切り付・仕切りなし合わせて17か所。PHENIXの豆乳ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。垢擦りが置いてあるのはいいですね。

 大浴槽の注湯口前が私のお気に入りです。高温の加熱源泉が注がれ、窓側の浴槽縁から大量に掛け流されています。
 浴槽の湯温は高めで、私の体感では43℃程度あり、温まりは良く、ここに浸かっただけでも十分満足できました。
 それなりに混みあってはいましたが、皆さん黙浴を励行されており、気持ち良く入浴を楽しめました。

 隣のぬるめの小浴槽は、私の体感で39~40℃位でしょうか。皆さん無言で湯に浸かっておられました。
 ハーブ風呂浴槽は、前記しましたように水風呂になっていました。ご無沙汰している間にやめてしまったのでしょうか。

 温まったところで、露天風呂に移動しました。

 軒先の浴槽の注湯口横が私のお気に入りです。内湯同様に、湯温は高めで、私の体感で42~43℃位で、ちょうど良かったです。
 2段目の浅めの浴槽の注湯口付近はもっと熱く、44℃位はありそうで、まさに私好み。寝湯のように浸かって、思う存分温まりました。
 3つある壺湯も大好きです。ザバーと浸かると気持ち良いですね。他にも深湯、寝湯、足踏み湯など、多彩な浴槽は飽きさせません。
 小雪が舞い、LEDのイルミネーションがきれいな露天風呂に浸かり、うっすらと雪が積もった庭を見ながら、雪見風呂を堪能しました。

 さて、源泉名は、やひこ桜井郷。泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度44.2℃、湧出量394L/分(動力)、PH 8.2です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成28年9月30日付)は、Li 0.1、Na 728.2、K 6.0、NH4 0.8、Mg 1.7、Ca 129.1、Sr 4.5、Ba 1.0、F 2.2、Cl 1228、Br 4.2、I 0.5、HS 6.6、S2O3 0.3、SO4 63.8、HPO4 7.3、HCO3 47.2、CO3 0.6、メタケイ酸 27.2、メタホウ酸 13.6、遊離CO2 0.5、遊離H2S 0.5 など、ガス性除く成分総計は2273mg/kg。です。
 加水なし、源泉掛け流し、入浴に適した温度に保つため一部加温、衛生管理のため一部循環、衛生管理のため塩素系薬剤を使用との掲示があります。

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 内湯大浴槽は微白濁していましたが、露天風呂の各浴槽は無色透明でした。ほのかな硫化水素臭が漂い、自己責任で飲めば塩味と硫黄味がする柔らかな硫黄泉です。
 浴槽の大きさを鑑みて、供給される湯量は十分です。それが惜しげもなく掛け流されていて、ちょっともったいなく感じるほどです。
 内湯・露天風呂とも、いつもより湯温は高めで、温まりは抜群で、ストレスがたまった頭を空にすることができました。

 以前のブログで考察しましたが、この源泉は検査のたびに濃くなっているのが特異的です。
 この温泉は、もともとは高齢者総合生活支援センターという弥彦村の福祉施設で利用されていて、足湯や飲泉所もあって、私も利用させていただきました。
 その後、湯量豊富な源泉を一般向けの日帰り温泉施設として活用するため「さくらの湯」が建設され、2006年10月24日にオープンしました。

 2002年12月の分析では、ガス性除く成分総計が469.4mg/kgの単純硫黄泉でしたが、2007年7月の中越沖地震後に泉質変化があり、2009年3月の分析で、ガス性除く成分総計が1028mg/kgとなり、塩類泉の基準を満たして含硫黄-ナトリウム-塩化物泉となりました。
 さらに、東日本大震災後の2011年6月の分析では、ガス性除く成分総計が1516mg/kgとさらに濃くなり、Caイオンが20mval%の基準を超えて、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉となりました。なお、この時の分析では、硫黄分が基準を満たしており、正確には含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉でした。
 そして、2016年9月の分析では、ガス性除く成分総計が2273mg/kgの含硫黄-ナトリウム-塩化物泉となり、さらに濃くなりました。
 源泉が濃くなるとともに、硫黄分も増えており、味わい深い温泉となっているのは素晴らしいことです。

 湯上がりには、大広間の給茶器の冷茶で咽を潤します。

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 広間でひと休み。

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 いつもなら足湯も覗いてみるのですが、浴衣姿の女性グループがおられ、小心者の私は遠慮しました。

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 その後は、休憩室の安楽椅子に座ってこの原稿を書きながらクールダウンしましたが、なかなか汗が引きませんでした。

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 時間はあっという間に過ぎ、頃合いをみて退館しました。

 良質な硫黄泉が大量に掛け流しされ、浴槽の湯の鮮度は抜群です。最近レペルダウンが目立つ「だいろの湯」より満足度は高く感じました。
 通常料金は1000円と高めですが、タオルセット・館内着(浴衣)付きですし、女性は浴衣の絵柄を自由に選べて、温泉旅館気分を味わえることを考えますと、妥当でしょう。「じょんのび館」もフルセットにすると980円になります。
 平日夜間割引は、タオルセット付で600円と安く、これは大変お得です。スタンプカードもあります。

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 私は利用したことがありませんが、岩盤浴もやっていますし、館内設備、食事処の充実度も素晴らしく、万人に自信をもって勧められる日帰り温泉です。ただし、混みあわなければ、ですが。

 なお、年末年始は休まず営業されますが、12月31日は20時に閉館します。また、1月5日までは平日夜間割引はありません。

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 弥彦神社の初詣客でにぎわいそうですね。皆様も混み具合を見てご利用ください。

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