ひっそり静かな 冬の「酒呑童子の湯」

 前のブログで「ふれあいパーク てまりの湯」を紹介しましたが、足湯の「酒呑童子の湯」をついでに紹介しましょう。

 「道の駅・国上」の裏にあり、無料で利用できますので、通りすがりに利用するには便利です。私は足湯だけでは満足できませんけれど。

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 2006年3月20日に、分水町は吉田町、燕市と合併し、燕市になりました。この合併を前に、分水町は閉町記念事業として足湯を作ることになり、2005年10月23日にオープンしたのが「酒呑童子の湯」です。
 悪事を働いて退治された京都の大江山の鬼として有名な酒呑童子は、越後に生まれ、国上山にある国上寺で稚児として修行したそうです。その後鬼になってしまうのですが、この地は酒呑童子の故郷ということで親しまれているようです。この酒呑童子伝説にちなんで、足湯の名前は「酒呑童子の湯」となりました。

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 屋根付きで、周囲がガラス戸で囲まれたかなり大きな足湯で、「てまりの湯」と同じ源泉が使用されています。
 建物の外にある酒呑童子を模した注湯口から加熱源泉が注がれ、中にある細長い足湯浴槽に流れ込み、反対から掛け流される構造になっていますが、冬期間はこの外の部分は閉鎖され、板で覆われていて、屋内部分だけ使用されています。

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 オープン当初は、浴槽の奥の方には、別に個別の注ぎ口が数個あり、各所に桶があって、一人用の足湯になっていたのですが、ほどなくして撤去され、浴槽が拡張されて現在の姿になりました。

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 コロナ対策で、間隔をあけて座るように指定されています。

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 利用は無料です。現在の利用時間は、10:00~17:30で、休館日は、毎週月曜日で、祝日の場合は翌日となります。

 源泉は「てまりの湯」と同じです。源泉名は、長崎温泉。泉質は、単純硫黄冷鉱泉(低帳性弱アルカリ性冷鉱泉)、源泉温度 20.8℃、湧出量 50L/分(動力揚湯)、PH 8.2 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、LI 0.0、Na 243.9、K 1.4、NH4 2.2、Mg 2.6、Ca 34.2、Sr 0.4、Ba 0.4、Al 0.0、MN 0.0、Fe(II) 0.3、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.6、Cl 390.3、Br 1.4、I 0.6、NO3 0.0、NO3 0.0、HS 1.2、HSO4 0.0、S2O3 4.0、SO4 2.9、HPO4 0.0、HCO3 78.7、CO3 3.0、メタケイ酸 31.1、メタホウ酸 7.4、遊離CO2 0.3、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は807.6mg/kgです。

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 湯は加温されていますが、加水はなく、消毒はされておらず、源泉の良さが感じられます。無色透明ですが、自己責任でなめますと、硫黄味が感じられます。

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 閉館直前で、他に利用者はなく、静かな空気に包まれていました。周囲は真っ暗で、ゆったりと気分穏やかな時間を過ごすことができましたが、逆に静かすぎて、鬼でも出てきそうな不気味さも感じられました。

 湯温はぬるめで、私の体感では40℃位に感じました。「てまりの湯」の各浴槽と毎分50Lを分け合っていますので、湯の供給量としては少ないと思いますが、「てまりの湯」の浴槽の湯よりは温泉らしさが感じられ、足湯だけではもったいなく感じてしまいます。柔らかな硫黄泉で、全身浸かりたくなってしまうのは私だけでしょうか。

 この源泉は、源泉温度が20.8℃と低温ですので、加熱循環が必須となりますが、これを逆手にとって、夏季は低温のまま掛け流して「冷やし足湯」をやっています。
 これは、生の源泉をそのまま味わえますので、鮮度も高く、満足度も高いのでお勧めです。しかし、冬季はそういうわけにもいきません。まあ、これは仕方ないですね。

 ということで、ぬるい足湯だけでは満足できず、「てまりの湯」への坂道を上って行ったのでありました。

 
 

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