館内本だらけ リニューアル後の 「ヴィネスパ」

 新潟市西蒲区、角田山の麓のワイナリー「カーブドッチ」内にある温浴施設が「ヴィネスパ」です。私は2009年4月22日のオープン以来のファンであり、その変遷を見守ってきました。
 この間の経緯については以前のブログに記していますが、無舗装で雨上がりは泥だらけで、大きな水たまりができていたアクセス道路が、舗装・拡幅されたり、周囲に次々と施設が作られたりなど、いろんなことがありましたが、施設自体には大きな変更もなく13年が経過しました。

 当初は、朝6時~9時まで500円で利用できた朝湯があり、私の日曜日の日課としていて、常連を自認していました。
 しかし、その朝湯がなくなり、土曜日・日曜日のみ7時営業開始で、朝湯もどきは楽しめましたが、通常料金の1000円で、利用回数は減ってしまいました。
 その後、2021年10月8日から金曜日、月曜日も7時営業開始になり、今年の1月1日からは、木曜日以外は毎日7時営業開始になりました。

 この「ヴィネスパ」は、今年1月11日から1月31日まで、長期に休館して改装工事が行われ、2月1日の営業再開後も館内の改装は続き、3月1日に、たくさんの本に囲まれてくつろげるブックラウンジを併設した「VineSpa ~wine & book lounge~」として、リニューアルオープンしました。

DSC_2039-crop.JPG
 早速先週末に偵察に行ってみたのですが、駐車場は満車状態で、館内も混雑が予想されましたので、断念して引き返しました。

 そして、昨日の夕方、遅ればせながら行ってきました。混雑しているようなら出直そうと思いましたが、幸い駐車場も空いており、利用させていただくことにしました。

 建物の外見には変化はありません。

DSC_2014.JPG
 玄関先にリニューアルの看板が出ています。

DSC_2016.JPG
 玄関内に入りますと、椅子席があり、火が燃えているモニュメントらしきものがあります。

DSC_2017.JPG
 入り口は大きく変わっていて、以前の入り口部分はワイン売り場になっています。

DSC_2018.JPG
 かつてミニギャラリーがあった場所が入り口になっています。

 入場券の券売機があり、温泉利用、ブックラウンジ利用とも1000円です。

DSC_2019.JPG
 営業時間は、7:00~22:00(木曜:10:00~22:00)です。

 下足箱に靴を入れ、鍵を持って中に進みます。

 かつての受付はワインカウンターになっており、試飲もできるようです。以前の流れですと、ここのカウンターで入館受付をしていたのですが、温泉の受け付けは奥に移動していますのでご注意ください。

DSC_2020.JPG
 館内は書棚が並んでジャンル毎に本が並べられています。テーブルや椅子が所狭しと多数置かれています。

DSC_2024.JPG
 噴水がある中庭も改修され、こぎれいになっています。

DSC_2021.JPG
 奥に行っても椅子だらけ、本だらけ。

DSC_2025.JPG
 浴室前のロビーに入浴の受付がありますが、本棚がずらりと並んでいて、その前にはテーブルと椅子が多数並んで雑然としていますので、最初はここで良いのかと迷ってしまいました。

 受付に入浴券と下足箱の鍵を渡し、脱衣場ロッカーの鍵を受け取り、本棚の隙間から浴室に入ります。

DSC_2026.JPG
 脱衣場は従来のままですが、窓際にマッサージ椅子が窓に向けて1台だけ置かれていました。
 浴室の様子につきましては以前のブログに何度も紹介していますので、今回は写真等はありません。

 浴室に入りますと、掛け湯に大浴槽、仕切り付きの洗い場と、従来と全く変化はありません。
 浴室は空いていて、大浴槽に先客が2人のみで、密集・密接することなく、ゆったりと湯に浸かりました。

 この内湯は2本ある源泉のうち、角田山2号源泉(ひすいの湯)が使用されています。
 泉質はアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)、源泉温度48.0℃、湧出量記載なし、PH 9.0。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Na 258.1、K 2.0、Ca 2.3、F 1.3、Cl 147.1、Br 0.3、I 0.2、NO2 0.2、SO4 187.6、HPO4 0.1、HCO3 152.6、CO3 27.0、メタケイ酸 61.0、メタホウ酸 3.7、遊離CO2 0.1 など、ガス性除く成分総計は844mg/kgです。(平成29年9月5日付)

 無色透明無味無臭ながらも、ヌルヌル・ツルスベの湯はアルカリ性単純温泉の魅力が十分に味わえます。
 ここは掛け流しのはずなのですが、注湯量は多くはなく、オーバーフローはほとんどありません。
 湯温計は40.0℃を表示。ちょっとぬるめですが、健康的な温度設定と言うべきでしょう。温まりに問題はありません。

 露天風呂も従来と不変です。小露天風呂が空いていましたので、まずはここに浸かりましたが、先客が出て行かれて、独り占めできました。
 
 この小露天風呂は、角田山温泉1号源泉(るりの湯)が使用されています。この源泉は、以前はガス性除く成分総計は1379mg/kgのナトリウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩泉でしたが、濃度が下がって塩類泉の基準を満たさなくなりました。
 泉質はアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)、源泉温度42.7℃、湧出量記載なし、PH 9.0。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Na 192.2、K 3.0、Mg 0.2、Ca 2.5、F 0.9、Cl 55.1、Br 0.2、I 0.2、NO2 0.5、SO4 123.9、HCO3 245.9、CO3 27.0、メタケイ酸 46.3、メタホウ酸 2.1、遊離CO2 0.3 など、ガス性除く成分総計は700mg/kgです。(平成29年9月5日付)

 無色透明無味無臭で、2号源泉ほどのツルスベ感はなく、さらりとした湯です。浴槽は小さいですが、2ヶ所の注湯口から大量の源泉が注がれ、十分量が掛け流されています。
 快晴の空。暮れゆく角田山を眺めながらの入浴は気持ちよかったです。ボイラーの煙突が見えなければもっと良いのですけれど。

 そして、大露天風呂。ここも広い露天風呂に客は3人ほどで、密接することなく、リラックスして湯に浸かることができました。
 ここは、内湯と同様に角田山2号源泉(ひすいの湯)が使用されていますが、残念ながら循環されています。浴槽が大きいですので、加熱・循環は仕方ないものと思います。
 ヌルヌル・ツルスベのアル単の魅力は感じられ、ゆったりと浸かれるのは良いのですが、無臭の内湯に比して、若干のカルキ臭が感じられます。

 湯上がりにはロビーでクールダウン。椅子がたくさん置いてありますので、各所で休めます。本を手に取って休息できるのが魅力です。

DSC_2027.JPG
 2階に上がっても本だらけ。

DSC_2033.JPG
 まるで本屋さんにいるようですが、実際に展示されている本を買うこともできます。

DSC_2032.JPG
 まさに本に囲まれて休息できます。

DSC_2031.JPG
 約4,000冊の本が10のテーマでエリアごとに収められ、自由に手に取って読むことができます。
 これら本の選書と陳列は、本に関わる幅広い分野で活躍中のブックディレクターの幅允孝さんが行ったそうです。
 本はすべて新刊本で、気に入った本は買うこともできますが、これだけの品揃えは費用的にも大変だったのではないかと思います。

 この本だらけのブックラウンジは、入浴客はそのまま自由に利用でき、ドリンクやワインなどを楽しみながら本を読んだり、休息したりできます。モーニングセット(770円)もありますので、朝湯客には良いですね。

 温泉入浴なしで、このブックラウンジのみの利用も可能で、ワンドリンク付きで1000円です。
 ドリンクは、カーブドッチワイン8種、コーヒー、フランスの紅茶、ジェラートフロートなど10数種、ビール、蒸留酒などから選ぶことができます。

 温泉利用、ラウンジのみの利用のいずれでも、利用時間の制限はありませんので、1日ゆったりと過ごせそうですね。

DSC_2034.JPG
 大きく変わった「ヴィネスパ」。ブックラウンジとは思い切った変身です。こんな温泉は他にはなく、全国的にも目立った存在になることは間違いありません。どのように賑わっていくのか、見守っていきたいと思います。

 単なる温泉好きとしましては、ラウンジの利用なしの、入浴のみの安価なコースがあると良いのですけれど、1000円分の価値はある温泉施設だと思います。

 帰り際、玄関先に燃える炎が見送ってくれました。

DSC_2035.JPG
 夜の雰囲気も良いですね。皆さんも一新された「ヴィネスパ」をお楽しみください。


 

この記事へのトラックバック