強塩泉にノックアウト 久しぶりの「紫雲の郷」

 先日、どこの温泉に行こうかと思案しましたが、しばらく行っていなかったことを思い出し、久しぶりに新発田市の「紫雲の郷」に行って来ました。

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 なんだかんだで1年以上は行っておらず、随分とご無沙汰してしまいました。

 「ざぶーん」~「紫雲の郷」~「塩の湯温泉」~「西方の湯」と、下越海岸部には濃厚な強塩泉群が連なっており、よう化物イオンやアンモニウムイオン、臭素イオンを豊富に含む泉質は、いずれもよく似ています。
 温泉のほかに工業用の井戸が多数あって、よう素の採掘が行われています。「紫雲の郷」は、この個性あふれる温泉群の中間部に位置します。
 広大な県立紫雲寺記念公園の中にあり、行楽のついでの利用にも便利だと思います。プールやスポーツ施設、宿泊施設などを備えた大規模な施設ですが、私は温泉部分しか利用したことがありません。

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 玄関を入り、下足箱に靴を入れ、鍵と引き換えに受付します。

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 入館料は、大人600円、小人300円で、タオルセットは100円ですが、私は「温パラ」のクーポンで50円引きで入館しました。以前は夜間割引があったのですが、2年前から廃止されたのは残念です。

 タオルセットが安いので、借りることにしました。

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 物販コーナーを通り過ぎて、館内を奥に進みますと、通路に五月人形が飾られていました。

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 来月は5月ですものね。季節の移ろいは早いですね。

 通路兼休憩スペースの左右に浴室があり、右が「藤塚の湯」、左が「紫雲の湯」です。

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 2週間ごとに男女が入れ替わりますが、この日の男湯は右の「藤塚の湯」でした。

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 2つの浴室は左右対称で同じ構造ですが、露天風呂の巨石風呂が「藤塚の湯」は大小2つなのに対して、「紫雲の湯」は、大きな巨石風呂が1つだけという違いがあります。

 浴室内には数人の客のみで、静かな空気が流れていました。浴室内には、大浴槽、ジャグジー付き浴槽、サウナ、水風呂があります。
 サウナは、6人までに制限されています。空いているとは言え、密閉を避けてサウナは利用しません。
 大浴槽には打たせ湯が付いているのですが、故障中とのことで使用されていませんでした。
 洗い場は仕切り付きで、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。

 浴槽には茶濁りの湯が満ちていて、アンモニア臭、ヨード臭等が入り交じった独特な芳香が漂い、それを嗅いだだけでもいい気分です。湯温は私の体感で42℃以上はあり、十分な温度でした。
 露天風呂も空いていて、先客が出るとともに利用し、大小二つの巨石風呂とも、独り占めの入浴を楽しみました。循環湯のはずですが、浴槽の縁からのオーバーフローがあり、掛け流し気分で浸かることができました。
 塀に囲まれて景色は見えませんが、空を見上げての入浴は爽快感があります。

 さて、源泉名は、紫雲寺温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物強塩泉(高張性中性高温泉)。源泉温度54.8℃。PH 6.8。湧出量89L/分(動力揚湯)、掘削深度 1330.5mです。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg:令和元年7月21日分析)は、Li 5.0、Na 11800、K 421.8、NH4 454.6、Mg 144.9、Ca 803.4、Sr 5.4、Ba 3.2、Al 0.0、MN 0.3、Fe(II) 4.5、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.0、Cl 22000、Br 146.5、I 97.3、NO2 0.0、NO3 1.4、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.1、SO4 3.3、HPO4 0.0、HCO3 659.0、CO3 0.0、メタケイ酸 121.9、メタホウ酸 121.0、遊離CO2 87.8、遊離H2S 0.0、など、ガス性除く成分総計は36794mg/kgです。

 源泉温度が高いので、40℃位になるよう指示計で制御し、水道水を加水、入浴に適した温度に保つため加温、設定温度から2℃下がると加温、衛生管理と浴槽内の温度を維持するため、常に循環濾過装置を使用、衛生管理のため、塩素系薬剤による消毒を実施、定められた濃度になるように、タイマーで調整、非塩素系薬剤を1日に1回併用して消毒、浴槽の換水・清掃は男湯と女湯を交互に毎日実施、浴室内は毎日清掃、水質検査は2カ月に1回実施し、結果をフロントに掲示、入浴剤は使用していない と掲示されています。

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 以前のブログでも書いたのですが、この分析表に間違いがありますが、お気付きでしょうか。
 よう化物イオンを97.3mg/kg含み、よう素泉の基準(10mg/kg)をはるかに超えますので、正しい泉質名は、含よう素-ナトリウム-塩化物強塩泉となります。
 鉱泉分析法指針が平成26何年に改訂されて、よう素泉が規定されてから何年にもなるのに、未だに専門分析機関にも認知されていないのでしょうか。
 なお、よう化物イオンが97.3mg/kgというのは、県内最高ではないかと思います。濃度も県内最高クラスであり、今回は湯温も高めで、温まりは最高でした。

 休憩を取りながら出たり入ったり。十分に温泉を楽しんで、浴室を後にしました。
 熱めの強塩泉ですので、温まりは半端でなく、湯上がりの汗は止まらず、休憩所の椅子で、バスタオルで汗を拭きながら、クールダウンしました。

 コーラで喉を潤しましたが、コーラにも「生」があるんですね。

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 奥に畳敷きの休憩所がありますが、無人で貸し切り状態。

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 2階に多彩なメニューがある食堂がありますが、今回は利用しませんでした。

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 以前温泉で飼育したふぐ料理を食べたことがありましたが、今は予約制になっています。

 奥の椅子席で休息しましたが、他に客はなく、ゆったりと過ごしました。

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 しばし、この原稿を書きながら休息し、一息着いたところで退館しました。

 なまった身体と精神に喝を入れるには、熱い強塩泉が最適ですね。汗を流し、気分爽やかに、心地よい疲労感とともに、家路に着きました。

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