岩室温泉を味わうなら・・「松屋」最高!

 以前に紹介しましたが、岩室温泉では「冬妻ほたる祭り」が、6月18日(土)から7月3日(日)まで開催されました。これに合わせて、1200円で参加施設を2回入浴利用できる「湯めぐりパスポート」が販売されました。
 今回の参加施設は、これまでと同様に、「ゆもとや」「濱松屋」「ほてる大橋館の湯」「松屋」「わたや」「だいろの湯」の6館でした。日頃立ち寄り湯できない旅館も参加していますので、こういうイベントは貴重です。

 この「湯めぐりパスポート」は、以前は「冬妻ほたる祭り」のほか、3月の「アートサイト岩室温泉」というイベントでもやっていたのですが、最近はその話題を聞かなくなりました。
 始まった当初は、3回分で1200円だったものが、今は2回で1200円です。参加旅館も減ってしまい、最近は前記した6館で固定してしまっています。

 さて、参加6館のうち、「だいろの湯」は日帰り温泉で、飽きるほど行っていますので除外。「ゆもとや」と「ほてる大橋館の湯」は、通常でも立ち寄り湯をやっていますので、ねらい目は「濱松屋」「松屋」「わたや」となりましょう。
 この中で、これまでの経験で最も鮮度の高い源泉を楽しめるのは「松屋」ですので、まずはここを目標とすることにしました。

 「松屋」は小さな旅館であり、浴室は基本的に貸し切り利用となりますので、予約する必要があります。これまでも利用できずに断念したことがありましたので、ドキドキしながら予約の電話を入れました。
 電話しますと、今入浴中の客いるけれど、間もなく出てくると思うので、15分後位に来てくれたら大丈夫とのお言葉でした。タイミングが良かったようで、ラッキーでした。

 車を「いわむろや」にとめて、ここで「湯めぐりパスポート」を購入し、温泉街へと向かいました。

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 温泉街を徒歩でブラブラと歩きながら「松屋」へと向かいました。前回利用したのが2017年6月でしたので、5年ぶりになります。

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 温泉街というほどのものでもないですが、その中心部に「松屋」があります。

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 玄関を入りますと、女将さんが快く迎えてくれました。

 女将さんと少しお話しましたが、温泉が黒いこと、掛け流しでお湯が熱いことなどを気にされていました。みんな承知していて、ここを選んだとお答えしましたら安心されたようでした。そして、右手奥の浴室へと向かいました。

 数段の階段を降りた先に浴室があります。

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 もうひとつ小さな浴室があり、女将さんは好きな方を使ってくれと話されていましたが、利用するなら当然こちらです。

 浴室の手前に洗面台があります。

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 脱衣場・浴室は全体で円形になっていて、半円形の脱衣場は非常に狭いです。

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 鏡がありますが、洗面台はありません。浴用タオルと足ふきタオルが用意されています。足ふきマットが黒くなっているのが名湯の証です。

 脱衣場から浴室への入り口は左右にあり、どちらからでも中に入れます。中に入りますと、手前に浴槽があり、窓際に洗い場があります。

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 浴室は半円形で、円弧状の大きなガラス窓から見える木々の緑が色鮮やかで、心を和ませてくれました。

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 丸い浴槽には黒い湯が満ちていて、注湯口から注がれた源泉が浴槽の縁から掛け流されています。

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 天井はこんな感じです。

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 女将さんは熱いと話されていましたが、湯温は私には適温でした。

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 自己責任でなめてみますと、塩味と苦みがあり、若干のツルスベ感があります。前回来たときは白濁していたのですが、今回は黒く濁っていました。その時のコンディションによるのでしょうね。

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 浴槽の湯を洗面器に汲んでみますと、薄墨色でした。

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 浴槽の底には温泉成分が沈殿しますので、足の裏は黒くなってしまいます。

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 浴槽を触った手も真っ黒。

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 きっとお尻も黒くなっているんでしょうね。これが名湯の証なんですが、温泉マニアじゃない一般の観光客には不評かもしれません。女将さんも気にしておられました。

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 源泉名は岩室4号源泉。泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度は52.2℃です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成26年3月22日分析)は、Li 0.4、Na 2844、K 36.3、Mg 10.6、Ca 1422、Sr 13.0、Ba 0.3、Mn 0.3、Fe(II) 0.2、NH4 5.9、F 2.7、Cl 6869、I 2.1、SO4 42.7、HCO3 103.7、CO3 0.5、HS 33.3、HPO4 4.8、メタケイ酸 30.9、メタホウ酸 61.8、遊離CO2 3.3、遊離H2S 5.8 など、ガス性除く成分総計は11490mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つため、季節により加水・加温、循環・ろ過装置使用なし、入浴剤使用なし、塩素系消毒剤使用、毎日完全換水・清掃との掲示がありました。

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 源泉100%掛け流しであり、浴槽は小さいですので、鮮度の高い生の源泉を楽しめます。本来の源泉を楽しむには、小さな旅館の小さな浴槽がベストだということを再認識しました。

 温まりは半端ではなく、噴き出す汗が止まりませんでした。脱衣場には扇風機もなく、クールダウンできません。
 次の予定がありますので、温泉を愛する者としてはやってはいけないことですが、シャワーで水を浴びて、強制的にクールダウンしました。

 女将さんに良い湯だったとお話しして、「松屋」を後にし、汗を拭きながら次の旅館へと温泉街を歩きました。



 


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