いつも賑わう 新発田温泉「あやめの湯」

 新発田市街の北のはずれ、国道7号線からほど近い場所に「あやめの湯」があります。1993年に新発田市が温泉を掘削し、1994年8月にオープンした小さな温泉施設ですが、良質な源泉を掛け流しで楽しめるのが魅力です。
 度々の源泉や設備のトラブルがあり、2002年秋には源泉の自噴が止まり、翌年春に動力揚湯として営業再開するまで長期に休館しました。2011年9月にも設備故障で突然休館したりなどがあり、定期的なメンテナンスは欠かせないようです。
 私もその変遷を見守ってきましたが、低料金で銭湯感覚で気軽に楽しめる温泉として、地元の方々で賑わっています。

 最近私が運営している掲示板に、湯の色が無色になったといいう情報をいただき、気になっていましたし、8月下旬に設備補修のため休館していましたので、その確認も含めて、先日の夜に行ってきました。前回の訪問は7月でしたので、3ヵ月ぶりになります。

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 日は短くなり、7時前ではありますが、真っ暗です。

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 玄関前にある足湯は夜間で利用する人はなく、静かな空気が流れていました。この足湯はレジオネラ菌が検出されて、9月1日から閉鎖されていましたが、21日から利用再開されています。

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 玄関の明かりが優しく迎えてくれます。

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 引き戸を開けて入館。左の受付で料金を払い、右の下足棚に靴を入れて入館します。

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 料金は、大人420円、小人260円、3歳未満無料で、障がい者手帳保有者は120円(入湯税)で利用可能です。回数券は12枚で、大人4200円、小人2600円です。
 各種提携カードの提示で50円引きになるのですが、いつも忘れて後から気付いています。
 営業時間は、午前10時~午後9時、日曜日・祝日は午前6時~午後9時で、最終受付午後8時30分です。
 休館日は、毎月第1・第3月曜日(その日が祝日の場合は翌日)、12月31日、1月1日です。

 休憩所をはさんで、右に女湯、左に男湯があります。

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 脱衣場のロッカーはコイン返却式で、100円必要なのが煩わしいです。

 前回は独り占めの入浴ができましたが、この日はタイミングによるのでしょうが、混みあっていて、浴室はかなりの賑わいでした。
 浴室は8角形で、浴室中央に円形の柱が立っています。窓際に扇型の浴槽があります。
 洗い場は狭く、隣同士の間隔が狭いのが難点で、空くタイミングを見て利用しました。
 ボディソープ、リンスインシャンプーがありますが、以前とブランドが変わっていて、洒落たボトルになっていました。
 シャワーヘッドにスイッチがあり新しくなっているように感じましたが、思い違いでしょうか。
 浴槽は混雑はなく、独り占めこそできませんでしたが、互いに十分な距離を取って入浴を楽しめました。

 令和4年4月11日付の分析表によりますと、源泉名は、新発田温泉 あやめの湯。泉質は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(等張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度 46.2℃、使用位置 43.0℃。Ph 7.7。湧出量 130L/分(動力揚湯)。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 1.0、Na 2667、K 69.6、NH4 12.10、Mg 110.9、Ca 387.6、Sr 12.7、Ba 0.00、Al 0.00、Mn 0.2、Fe(II) 2.1、Cu 0.00、Zn 0.00、F 2.6、Cl 3457、Br 12.5、I 2.3、NO2 0.1、NO3 0.0、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 1268、HPO4 0.0、HCO3 320.4、CO3 0.0、メタケイ酸 33.0、メタホウ酸 44.1、遊離CO2 13.5、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は8403mg/kgです。

 夏季等の季節は、温度調整のため43℃前後になるよう水道水を加水、加温なし、循環ろ過なし、入浴剤なし、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施、浴槽の換水・清掃は毎日営業終了後に実施、水質検査は1年に1回実施し結果をフロント脇に掲示、とのことです。

 さて、湯は情報通りに透明に近くなっていました。この7月に来たときは、茶褐色の湯で、わずかに鉄味を感じましたが、今回はごく薄い緑褐色で、限りなく透明に近い湯でした。
 自己責任でなめてみますと、塩分濃度相当の塩味がありますが、鉄味は感じられませんでした。

 以前は浴槽の湯は赤茶けて混濁していたのですが、除鉄・ろ過されるようになり混濁がなくなりました。そして透明感が増して、このことに関しては以前のブログでも記事にしていました。
 その源泉が、今回さらに湯色が薄くなりました。掲示板にいただいた情報によりますと、除鉄する機械を入れ替えたところ、性能が良すぎて、こうなったとのことです。鉄分が除かれた以外は泉質に変化はないようです。

 鉄分は2.1mg/kgとそれほどの濃度でもないのですが、除鉄しないと管理が難しいのでしょうか。何度も源泉トラブルに見舞われて長期休業を繰り返していましたが、これも関連あるのでしょうか。温泉好きとしましては、除鉄しない生の源泉をそのまま味わいたいところです。
 でも源泉掛け流しで、湯の鮮度は十分に高く、気持ち良く入浴できます。混みあうと困りますけれど。
 
 湯上りには休憩所でクールダウンしました。

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 これまでコロナ禍で閉鎖されていた奥の休憩所も使用再開されていました。8月下旬の補修で再整備されたようです。

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 奥の休憩所に続く廊下にきれいな花が飾られていました。

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 ちょっとした心遣いが良いですね。

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 汗がなかなか引かないで困りましたが、ひと休みして退館しました。

 外には無料の足湯のほか、温泉スタンドもあります。

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 地域住民の生活に根差した温泉で、日帰り温泉というよりは、銭湯や共同浴場的空気感が魅力の温泉です。420円という低料金で、掛け流しの湯を楽しめるのは貴重です。
 設備的には乏しいですが、国道7号線からすぐで、交通の便は良いですので、気軽に立ち寄り湯するには、お勧めの温泉です。