値段分はあるのでしょうね 久しぶりの「ヴィネスパ」

 新潟市西蒲区の角田山の麓に広がるブドウ畑の中に、カーブドッチワイナリーを中心に、ひとつのテーマパーク的な世界が広がっています。
 その中に温泉施設の「ヴィネスパ」があり、家から近いこともあって、私もしばしば利用させていただき、このブログへの登場回数も多くなています。

 この「ヴィネスパ」は、今年の1月から大掛かりな改装工事が行われ、たくさんの本に囲まれてくつろげるブックラウンジを併設した温泉施設として、3月1日にリニューアルオープンしました。
 以前からセレブ感を感じさせる落ち着いた雰囲気が魅力でしたが、改修によって、さらにセレブ感が増しました。
 
 温泉施設としましては、かなり異質な館内となりましたが、新たな楽しみも生まれて、これはこれで良かったかなと思っていました。
 しかし、今年の8月から繁忙期特別料金(1500円)が始まり、9月の休日にも延長され、10月からは恒常的に休日料金(1500円)が設定され、すっかり足が遠のいてしまいました。
 でも、2009年4月22日のオープン当初からのファンであり、その幾多の変遷を見守り、ともに歩んできた私としましては、高額料金に躊躇しながらも、行きたい気持ちは変わりはありません。
 しかし、休日の1500円は大きなハードルであり、かと言って平日に行くことはできず、いたずらに時間だけが過ぎて行きました。
 こんな状況の中、先日新潟市内での出張の仕事が早めに終了しましたので、平日夜間割引の時間帯に利用させていただきました。

 日が落ちて、すっかり暗くなった駐車場に車をとめて玄関へと向かいます。
 
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「VineSpa」という洒落た看板が迎えてくれます。

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 ここは通常の温泉施設ではなくて、「Wine & Book Lounge」なんですよね。

 自動扉を開けて中に入りますと、通常の日帰り温泉とは一線を画したセレブな空気感を感じます。

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 左手に券売機と鍵付き下足箱があります。

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 温泉入館料は、平日昼間 1000円、平日夜間(17時以降)800円、土日祝日・繁忙期 1500円(終日)で、タオルセット 350円、館内着 350円です。
 本屋カフェ入館料は、平日昼間 1000円、平日夜間(17時以降)800円、土日祝日・繁忙期 1000円(終日)です。温泉利用者は本屋カフェも利用できます。
 リピーター向けの入浴券10枚セットがあり、通年使用可能が13000円、平日限定は9000円です。
 「土・日・祝日につきましては、過度な混雑を避け、お客様に心地よくお過ごしいただくことを第一に考えての料金となっております。」とのことです。
 あえて集客を減らし、混雑を避けるという方針は素晴らしいと思いますが、料金にこだわる単なる温泉好きの私は、排除される側なんだろうなあと寂しさを感じました。

 平日夜間ということもあって、館内は混みあうこともなく、落ち着いた雰囲気です。

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 「Book Lounge」を名乗るだけあって、館内には本棚が並べられて、多数の本が分野ごとに分類されて並んでいます。
 いたるところに種々の椅子が並べられていて、まさに「Lounge」という雰囲気です。

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 館内の奥の浴室横に入浴の受付カウンターがあり、下足箱の鍵と入浴券を渡しますと、脱衣場のロッカーの鍵が渡されます。

 浴室は空いていて、脱衣場は無人でした。浴室内に入りますと、洗い場に数人の客がおられましたが、浴槽は無人でした。
 内湯の大浴槽には2号源泉の無色透明な湯が満ちていて、注湯口から注がれた湯は、十分とは言えませんが掛け流しされています。
 無色透明無味無臭の湯ですが、トロトロ・ツルスベ感があって、浴感は良好です。湯温は40.3℃を表示していました。数字上はぬるめですが、体感ではもっと高温に感じ、温まりは良好でした。
 洗い場側の浴槽の縁に檜の枕があり、頭を載せて窓の外の木々や草花を見るのが好きなのですが、夜間で何も見えませんでした。

 洗い場は仕切り付きで8か所。ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあり、洗い椅子、洗い桶がちょっと洒落た感じで好きです。

 露天風呂は大小2つの浴槽があり、長方形の小露天風呂は1号源泉が使用され、小さな浴槽ながらも、2か所の注湯口から加熱源泉が供給され、十分量が掛け流しされています。
 角田山を眺めながらの入浴ができるのですが、夜間で景色は見えませんでした。でも、浴槽を独り占めできて、贅沢な時間を過ごせました。
 湯温は40℃台でぬるめでしたが、加熱源泉の注湯口横は熱くなっており、十分に温まれました。
 
 大露天風呂は、内湯と同じ2号源泉が使用されていますが、こちらは循環されています。
 石造りの大きな浴槽で、一部は浅くなっていて寝湯として利用でき、また、腰掛湯のように石が組まれた場所もあって、それぞれの場所で楽しめる工夫がされています。
 秋が深まっていて、浴槽の底には落ち葉が沈んでいましたが、これもまた季節感を感じさせます。

 小さなサウナと、小さな水風呂があるのですが、閉鎖空間を避けて利用しませんでした。

 さて、小露天風呂に使用されている角田山温泉1号源泉(るりの湯)は、泉質はアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)、源泉温度42.7℃、湧出量記載なし、PH 9.0です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Na 192.2、K 3.0、Mg 0.2、Ca 2.5、F 0.9、Cl 55.1、Br 0.2、I 0.2、NO2 0.5、SO4 123.9、HCO3 245.9、CO3 27.0、メタケイ酸 46.3、メタホウ酸 2.1、遊離CO2 0.3 など、ガス性除く成分総計は700mg/kgです。(平成29年9月5日付)
 
 内湯と大露天風呂に使用されている角田山2号源泉(ひすいの湯)は、泉質はアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)、源泉温度48.0℃、湧出量記載なし、PH 9.0です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Na 258.1、K 2.0、Ca 2.3、F 1.3、Cl 147.1、Br 0.3、I 0.2、NO2 0.2、SO4 187.6、HPO4 0.1、HCO3 152.6、CO3 27.0、メタケイ酸 61.0、メタホウ酸 3.7、遊離CO2 0.1 など、ガス性除く成分総計は844mg/kgです。(平成29年9月5日付)

 1号源泉は、当初はガス性除く成分総計が1379mg/kgのナトリウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩泉で、アブラ臭も感じられたのですが、現在は濃度が薄くなって塩類泉の基準を満たさなくなり、アルカリ性単純温泉となりました。2号源泉よりツルスベ感が軽く、さらりとした浴感ですが、十分量が掛け流しされており、鮮度が高く感じられます。
 2号源泉は無色透明ながらもツルスベ感があり、アルカリ性単純温泉の魅力が十分に感じられます。

 脱衣場洗面台にはドライヤーのほか、櫛や整髪料、ローション類があり、備品としましては十分です。
 給水器がありますが、コップが紙コップではなくプラスチックのコップというのは従来から踏襲されています。
 湯上りにフルーツ牛乳をいただきましたが、ちょっと高くて130円でした。

 ロビーの椅子に座って、中庭の噴水を見ながらひと休みしました。

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 ということで、温泉施設として十分な魅力にあふれています。しかし、施設の目指す方向が変わり、本屋カフェ、ブックカフェとしての路線を歩んでいます。
 
 それで料金が変わらないのなら何ら問題はないのですが、休日料金が、通常料金の1.5倍と、かなり高額に設定されて、困っているのは私だけでしょうか。
 今回は800円の平日夜間割引を利用して、館内をゆっくりと利用してみたのですが、やっぱり素晴らしいですね。

 4000冊もの本が10テーマで並べられていて、その種類の豊富さと、陳列の素晴らしさ、選書のセンスの良さには驚かせられます。専門書も含めて、たくさんのジャンルの本があり、それらを自由に手に取って読めるというのは素晴らしいことです。
 1階・2階の各所に本が並べられていて、その場所ごとに違ったジャンルの本があり、場所を移動しながら本を眺めるだけでも楽しいです。

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 私が欲しかったものの高額で買えなかった本もあり、本を読んでいますと時間を忘れてしまいます。

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 休日料金が高額であったとしても、混みあわなくてゆったりと過ごせるのなら、1500円もありかなと思えました。
 ワインや軽食、コーヒーやスイーツを楽しむこともできますし、カーブドッチのワインを試飲して購入も可能です。
 朝7時からの朝風呂の時間帯にはモーニングセットの提供があり、食事処のメニューも充実しています。

 このように素晴らしいコンセプトなのですが、休日に利用した人から、若者のグループがいて、お喋りがにぎやかで寛げなかったという話も聴いたことがあり、混雑せずに、静かな空間を保証できるかどうかが「ヴィネスパ」に課せられた課題だと思います。

 料金にばかりこだわっている心の貧しい私ですが、値段分は楽しめる施設であることは間違いありません。いつの日にか、宿泊して美味しい料理をいただきながら、上等のワインをいただき、貸し切りのガーデンスパ(2時間5500円)を利用したいなあ、などと夢見ています。

 大広間で、老若男女がゴロゴロして休憩している日帰り温泉とは全く異なります。温泉旅館とシティホテルの違いみたいなものでしょうか。
 1日ゆっくりと過ごせることは確かであり、そのように楽しむ心の余裕、心の豊かさを忘れてはいけないと反省しています。
 でも、集客をしぼって、経営的に大丈夫なのかなあ、などと勝手に心配していますが、余計なお世話ですね。
 これからも、他の施設では決してまねのできない素晴らしい温泉環境を提供していただきたいと思います。