県民割開始! 晩秋の「スノーピーク温泉」

 2022年4月15日にオープンした「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」ですが、面倒ですので、ここでは「スノーピーク温泉」とさせていただきます。
 オープン後の4月に行ったほか、5月にも再訪したのですが、その後高額な料金に怖気づいたこともあって行く機会がなく、半年が過ぎてしまいました。
 季節を変えて、今年中にもう一度と思っていたところに、県民割を始めたとの情報があり、先日行ってきました。
 道中の木々は赤や黄色に色付き、冬を前にして、過行く秋を惜しむかのように、まさに紅葉の真っ盛りでした。

 三条市の下田市街から、Snow Peak の黒い案内板を頼りにスノーピーク本社に向かってクネクネ細道を進みます。
 坂を上がりますと展望が開け、スノーピークの本社のほか、広大なキャンプ場が広がっています。ここは、アウトドア愛好家の間では、よく知られたキャンプ場のようですね。

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 その一角に、勝手に命名してすみませんが「スノーピーク温泉」があります。

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 隣には高級なグランピング施設があり、ヴィラ棟が3棟、モバイルハウス(住箱)が4棟があります。

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 窓が開いてましたので、グランピングを楽しんでいる方もおられるようですね。私もいつかそういう楽しみ方をしたいものです。

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 浴室やレストランがある本館は、決して大きな施設ではありませんが、隈研吾さん設計による建物の存在感に圧倒されます。さすがスノーピークですね。

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 玄関を入りますと、ロビーは物品販売のスペースになっており、スノーピーク・ブランドの高級な製品が販売されています。
 ここからの眺めが最高で、晴れていれば粟ヶ岳が一望されるのですが、あいにく雲に隠れていました。

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 右奥はレストランになっており、コース料理をいただけるのですが、今後の課題として取っておきたいと思います。

 奥にタッチパネル式の券売機が2台並んでいますので、入浴券を購入します。

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 入館料は、一般料金が、大人1,600円、子供1,100円、スノーピーク会員料金が、大人1,400円、子供1,100円、地元割引料金(三条市・燕市・見附市の居住者)が、大人1,400円、子供1,100円で、いずれもレンタルタオルセット付でしたが、県民割引料金が設定され、新潟県在住者は、大人1,400円、子供1,100円となりました。
 つまり、これまでの「地元割」が「県民割」に移行して、わずかではありますが新潟県民は利用しやすくなりましたました。なお、受付時に免許証等の住所を確認できるものの提示が必要です。


 券売機右横の受付に入浴券を渡しますと、ロッカーキーとタオルセットが渡されます。

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 階段で地階の浴室に降りていきますがエレベーターもあります。

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 下に降りますと、正面に浴室入り口、左に下足箱、右に食事処があります。

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 階段を降りたところで靴を脱ぎ、左手の下足箱に入れますが、下足箱は好きな場所を選び、鍵は自分で保管します。

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 通常は右の浴室が男湯で、左の浴室が女湯ですが、日によって交換している場合があるそうです。今回はその交換している日ということで、今回の男湯は、左側の浴室でした。

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 ロッカーキーをかざしますと、入り口の扉が開きます。

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 脱衣場の構成は右側の浴室と同じです。落ち着いた色調の脱衣場は高級感が漂っています。ロッカーは木製で、壁の色と同系色で統一性を持たせています。

 ロッカー・脱衣スペースが2ブロックずつ計4ブロックあり、その間に洗面・化粧スペースが2ブロックあります。
 脱衣場所には高級そうな籐製スツールがあり、一角に紙コップ式の給水所があり、紙コップをかざしますと自動的に水が出ます。
 洗面台のシンクはデザイン性に富んだステンレス製で、手をかざしますと水が出る自動水栓になっています。
 ダイソン製の高級ドライヤーのほか、高級そうな化粧水・乳液類があり、化粧用コットンがありますが、私のようなジジイには用なしと思われます。綿棒が黒いのもさすがです。

 浴室の構成・並びは右側の浴室と若干異なります。浴室は鰻の寝床のように細長く、壁際に洗い場があり、右に手前からサウナ、水風呂、露天風呂、内湯と並んでいます。
 浴室内は石造りの落ち着いたシックな色調で、間接照明が高級感を醸し出しています。

 洗い場は、5つずつ3ブロックで、計15か所で、右側の浴室より多いように思います。窓側に向いていて、身体を洗いながら外を眺めることができます。
 ボディソープ、シャンプー、コンディショナー、洗顔用ソープがありますが、高級そうなボトルに入っています。
 鏡は正面でなく、左側にあり、30度位の角度で内向きに取り付けられており、シャワーヘッドにはON/OFFのスイッチが付いています。洗い桶、洗い椅子は、木製で高級感があります。
 ほかにシャワーが2か所ありますが、固定式・可動式の2つのシャワーヘッドがあり、いかにも高級そうです。

 サウナ室にはサウナマットを持って入ります。外側は全面ガラス張りで、外の景色を見ながら楽しむことができます。
 中央に円筒形にサウナストーンが積まれており、周囲は8角形の黒い柵で囲まれています。柄杓で水を掛けて、セルフロウリュが可能です。
 サウナマシーンを取り囲むように席が作られており、黒い色調の室内は、落ち着きと高級感があります。

 水風呂は、右側の浴室は室内にあり景色は見えませんでしたが、こちらはサウナ室のすぐ隣で、内湯・露天風呂と一直線上に連なった並びにあり、ガラス張りで、外が見えます。水深は最深部で1.2mあり、立って水風呂を楽しめるのは珍しいです。この水は市水ではなく、非加熱の温泉水のようです。

 内湯浴槽は細長い長方形で、15m位はありそうです。奥に天井から伸びるパイプがあり、非加熱源泉が注がれています。
 浴槽の底の手前側4か所から加熱源泉が注入されており、窓側の浴槽の底から吸引されています。
 浴槽の手前側の縁には木材が貼られており、窓側と手前側は縁がなく、オーバーフローされています。
 外側は全面ガラス張りで、外の景色が楽しめます。入浴した状態での視線では、浴槽の外側の縁が見えず、湯面と外の景色が一体化します。

 露天風呂は、2枚の厚くて重いドアを開けて外に出た所にあります。長方形で、金属製の注湯口から非加熱源泉が注がれています。
 内湯と同様に、浴槽の底から加熱源泉の供給があり、外側の浴槽の底に吸引があるほか、縁からのオーバーフローがあります。
 内湯と同様に、入浴した位置からは、浴槽の縁が見えず、湯面と景色が一体化します。インフィニティ風呂と表現される浴槽です。

 露天風呂から6段下がった所にクールダウン用のデッキがあり、スノーピーク製の高級キャンプ用折り畳み椅子が並んでいます。

 今回の左側の浴室は、右側の浴室よりも、数メートル奥まった場所になっており、木々が視界を遮って、その分だけ眺望が良くない印象です。
 天気が悪くて、粟ヶ岳は雲に隠れていましたが、晴れていれば、視界は若干遮られるものの、粟ヶ岳の雄姿を見ながらの入浴は楽しめるものと思います。

 さて、温泉の分析書は、前回来たときは平成29年7月付の分析書でしたが、今回は2022年5月11日付の新しい分析書になっていました。前回同様にデザイン性が優先されており、小さくて読みにくく、情報量が乏しいのが難点です。

 源泉名は、雪峰温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物冷鉱泉(低張性・中性・冷鉱泉)。源泉温度 18.3℃で、使用位置は、内湯42℃、露天風呂43℃です。湧出量やPHの記載はありませんでした。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1、Na 377.2、K 28.1、NH4 5.9、Mg 37.4、Ca 88.1、Sr 0.7、Ba 0.2、Al <0.1、F 0.2、Cl 795.5、Br 4.6、I 1.6、HS 0.1、S <0.1、S2O3 <0.1、SO4 8.7、HCO3 139.3、CO3 0.2、メタケイ酸 87.8、メタホウ酸 2.4、メタ亜ヒ酸 <0.1、遊離CO2 23.2、遊離H2S <0.1 など、ガス性除く成分総計は1582mg/kgです。mVal、mVal% の記載がないのは残念でした。
 加水なし、加熱あり(適温を維持するため)、循環利用あり(温泉資源の確保と衛生管理のため)、消毒処理あり(衛生管理のため塩素消毒を実施)とのことです。

 湯は、ほとんど無色透明ですが、わずかな薬臭があり、薬味が感じられますが、塩素臭は感じられません。刺激の少ない柔らかな湯で、万人に勧められます。

 前回の分析表では、ガス性除く成分総計が594.7mg/kgで、源泉温度 32.4℃の単純温泉でしたが、今回の分析表では、源泉温度が下がったものの、成分は濃くなり、1000mg/kgの基準を超えて、塩類泉に分類されました。
 前回入浴時に、単純泉にしては濃厚に感じて、十分に塩類泉の基準を超えているに違いないと、前回のブログに書かせていただきましたが、やはり私の感覚は正しかったようですね。

 帰りには、脱衣場出口にロッカーキーの返却ボックスがありますので、投入して返却します。
 浴室前にタオルセット返却ボックスと、タオルバッグの返却場所がありますので、返却すれば退館処理はすべて終了です。

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 湯上りの休憩スペースは、食事処以外は乏しいのが難点ですが、食事処前でしばし休憩しました。

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 大きなガラス窓からの眺めは雄大ですね。
 
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 退館前にトイレを使用しましたが、ここもきれいで、高級感があります。

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 帰り際に、陳列されている商品を見て回りましたが、どれもが高額で、とても手が出ませんでした。さすが、高級キャンプ用品ブランドとして人気のスノーピークですね。
 これくらいの値段で怖気づいているようでは、グランピングを楽しむことなんて、夢のまた夢でしょうね。懐も、心も貧しいジジイは、恨めしく思い、わが身を恥じるのでした。

 外に出て、もう一度本館を見上げました。

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 何度見ても、この豪華さ、ボリューム感は大したものですね。圧倒されるばかりです。

 ともあれ、温泉に関しては素晴らしい施設だと思います。泉質、浴室、サウナ、眺めと、どれもが一級品です。
 食事処以外の休憩所があると良いのですが、そのような休憩場所がなくて、ゆったりと過ごせないのが残念な点です。
 清涼飲料や牛乳の自販機などありませんので、飲み物は食事処でいただくしかありません。
 世間一般の日帰り温泉と差別化を図り、スノーピークのブランドイメージを保ち、高級な雰囲気作りをしているものと思います。

 高額な料金設定は難点ではありますが、高級な施設イメージに見合った料金設定にしているのでしょう。
 入館料の1600円(県民割1400円)は高額に感じますが、良く考えれば、休日の「極楽湯」でタオルセットを借りますと、770円+400円で、1170円にもなりますし、「ヴィネスパ」の休日料金はタオルなしで1500円(タオルセット350円)ということを考えますと、決して高額とは言えません。値段相応のセレブな雰囲気を味わえますので、良しとすべきでしょうね。

 あれこれと思い巡らしながら、山の上のつかの間の夢の世界から、下界の現実世界へと、細道を下っていきました。