存続決定! 「明石の湯」

 十日町市の「越後妻有交流館キナーレ」内にある日帰り温泉施設「明石の湯」は、入館者数の減少による経営不振による常態化した赤字のため、2023年3月末で閉館し、1億5千万円をかけて美術作品の展示スペースとして改修し、併設されている越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)と一体化させる方針が昨年末に示されました。
 これに対して、3月の十日町市議会定例会の一般質問で、閉館の決定は拙速すぎるとの意見が出て、十日町市議会産業建設委員会で審議された結果、「明石の湯廃止に関する条例改正案」に関して、3月27日の市議会の本会議で記名投票で採決されることになりました。
 その結果、継続審査賛成12票、反対11票で、条例改正案は継続審査とすることが決まり、4月以降も当面営業を継続することが市長により表明されました。
 人員や予算の制限があるため、営業時間を短縮して週5日間の開館とし、食堂の営業を中止するなどサービス内容を縮小して、4月6日より臨時営業が開始されました。
 そして、継続審査となっていた「明石の湯廃止に伴う条例改正案」が、4月26日に開催された十日町市議会の臨時議会で採決され、賛成11、反対12の僅差で否決されました。
 これにより「明石の湯」を廃止して美術館の展示室に改修する費用など1億5千万円を盛り込んだ23年度一般会計補正予算案は撤回され、「明石の湯」の存続が決定されました。

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 しかし、存続するとはいえ、今後の運営をどうしていくのかは見通せません。4月からは、キナーレの指定管理委託費1550万円を使用して、営業時間の短縮や食堂営業の中止など、内容を限定しての臨時営業が行われていますが、当面はこの体制で、同じ指定管理者により営業が継続されるようです。
 今後の運営費については、6月の市議会に補正予算案が提出される予定ですが、コスト削減を図るため、温泉をやめて水道水による沸かし湯温浴施設への転換も検討されているとのことであり、前途多難です。

 私は、営業継続は無理だろうと判断して、記録と記憶に残すため、3月に訪問して別れを惜しんできました。
 営業継続はうれしいニュースではありますが、今後の展開に不安を感じます。これからどのような体制で、どのように運営されていくのか、注視していきたいと思います。