硫黄泉を堪能 「だいろの湯」

 硫黄泉が恋しくなり、先日久しぶりに、新潟市西蒲区の多宝温泉「だいろの湯」に行ってきました。
 混雑を避けて、夕暮れ時に行ったのですが、人気施設だけあって、それなりに混み合っていました。
 2001年11月の開業以来の大ファンであり、常連を自認して、その変遷を見守ってきましたが、最近は足が遠のいてしまっています。昨年末以来で、今年最初というのは、我ながら驚いています。こんなにご無沙汰していたとは・・・。

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 夕暮れ時でしたが、「だいろの湯」の後方にそびえる多宝山の穏やかなシルエットがきれいに浮かび上がっていました。

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 振り返れば、温泉櫓が見えます。駐車場にはほのかな硫化水素臭が漂い、気分を盛り上げてくれます。

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 玄関へと向かいますと、「飲泉できます」という赤いのぼりが気分を高揚させます。

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 源泉を手にすくって味わって、気持ちを引き締めました。

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 玄関を入って、左側の下足箱に靴を入れて受付にいきます。 

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 入館料は、タオルセット付で880円、平日17時以降は夜間割引で660円です。2019年10月からこの料金になっていますが、昨今の値上げラッシュの中で、タオルセット付でこの料金はお得に感じます。

 さっそく浴室へ。混み合ってはいましたが、まずまずゆったりと湯を楽しむことができました。
 洗い場で洗身して、内湯から順に温泉を楽しみました。サウナは混み合っていましたので利用しませんでした。

 まずは内湯です。2号源泉(含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉)が掛け流しで使用されています。柔らかな硫黄泉ですが、開業当初から使用されていたものの、当初は温泉の認定は受けていませんでした。
 無色透明~軽い白濁のことが多いですが、今回は白濁の程度が強く、浴槽に浸かった足が見えないほどでした。自己責任でなめてみますと、硫黄味と塩味がありますが、いつもより濃く感じました。体感で41℃程度に感じましたが、温まりは良かったです。

 大庭園露天風呂に移動。ここは開業前に垂れ流されていて、周囲に硫化水素臭を漂せていたメインの1号源泉(含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉)です。
 浴槽を見た瞬間、これまでになくきれいなエメラルドグリーンの湯が満ちていて感激しました。
 この浴槽の湯は、その時のコンディションで、白濁したり、黒濁したり、緑濁したりと様々に変化することがありますが、薄い緑色で濁りのない湯が基本のように思います。
 今回の湯は緑色が濃く、月岡温泉並みのエメラルドグリーンの湯で、若干の混濁もありました。硫化水素臭・硫黄味・塩味も、いつもより濃く感じました。
 最近パワーダウンを感じ、実際に分析表の数値も低下しているのですが、今回の湯は濃厚であり、良質な硫黄泉として何の不満も感じませんでした。
 湯温は、浴槽の端では体感で41℃位でしたが、隅の注湯口からは高温の源泉が注がれており、その付近では高温で良く温まりました。

 3号源泉(含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉)の露天風呂は、非加熱源泉がそのまま注がれており、ぬる湯が売りですが、今回は38℃程度の不感温度で気持ち良かったです。
 なお、この源泉は2007年7月末から供用開始され、湯量豊富のため、新潟駅前の「ドーミーイン新潟」に運ばれ「多宝の湯」として供用されており、専用のタンクローリーに出会うこともあります。
 また、姉妹館である「
めんめん亭わたや」にも供給され、岩室温泉の源泉との混合泉(わたやの湯)として使用されています。

 ということで、今回は内湯も露天風呂も、いつもより濃厚に感じて、大満足でした。月岡温泉に次ぐ、新潟県第2位の硫黄泉の実力が感じられて良かったです。
 3種類の良質な硫黄泉を、掛け流しで楽しめるのは贅沢ですね。最近某温泉が、毎日浴槽の湯を抜いて清掃していると掲示しながら、実際は2週間ごとだったというスキャンダルがありましたが、ここは毎日湯を抜いて、ブラシで清掃しているとのことです。

 湯上りには、いつものこれ。

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 ここの給茶器は薄味です。「さくらの湯」や「花水」並みの濃さだと良いのですけれど。

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 広間は空いていました。

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 しばし休憩して退館しました。

 帰りには、受付で紙コップにカルピスをいただくことは忘れてはなりません。

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 源泉で割って飲む「薬師のミネラルカルピス」は大変美味しいですので、是非お飲みください。
 最近飲泉所の源泉にトラブルがあったようですが、問題は解消されているようで、良かったです。

 かつてこの地には生薬に硫黄を混ぜて作られた「毒消し」が作られていて、女性たちが行商していたことで知られています。遠い昔、黄色い丸薬を子供の頃に祖母から飲まされた記憶がありますが、硫黄泉を飲みながら、いろいろと思いをはせました。
 調子に乗ってお代わりして飲み過ぎますと、口腔内に硫化水素がこみ上げてきて気持ち悪くなりますので、ほどほどにしましょう。まあ、そんなのは私くらいでしょうけれど・・。

 体に染みついた硫化水素の香りにうっとりとしながら、入浴も飲泉も楽しめる「だいろの湯」の素晴らしさを再認識しました。