露天風呂利用できず 御神楽温泉「みかぐら荘」

 広大な面積を誇る阿賀町には、各地区に個性的な温泉が点在しています。三川地区には「三川温泉」と「新三川温泉」、津川地区には、「津川温泉」と「麒麟山温泉」、鹿瀬地区には「かのせ温泉」と「角神温泉」、そして上川地区には、「七福温泉」と「御神楽温泉」があります。
 以前のブログで「七福温泉」を紹介しましたが、そのとき「御神楽温泉」にも足を延ばしましたので、遅ればせながら紹介したいと思います。

 国道49号線から案内板に従って上川方面に進み、磐越道の下をくぐって進みますと阿賀町の上川支所があり、さらに数キロ進んで案内板に従って左折し、坂道を上がりますと名峰・御神楽岳を望む「みかぐら荘」があります。

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 隣には小さな一軒宿のブナの宿 小会瀬」があり、立ち寄り入浴が可能です。そして、さらに奥には「あすなろ荘」があり、川の中州の露天風呂が魅力的だったのですが、閉館して久しくなります。
 
 「みかぐら荘」は、東蒲原郡初の日帰り温泉として1981年にオープンし、1996年春に宿泊・休憩施設としてリニューアルされ、さらに2007年7月に再度リニューアルされて現在の形になりました。
 しかし、経営難から宿泊や食堂営業は中止され、2019年10月からは指定管理から外れて阿賀町の直営となって現在に至ります。

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 階段を上がって玄関を入りますと、「故障のため 露天風呂休止中」という掲示がありました。

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 昨年も同じ掲示がありましたが、1年経っても同じというのはどうしたのでしょうね。復活の見込みはあるのでしょうか。

 下足棚に靴を入れ、受付で料金を払います。入浴料は、大人500円、小学生300円です。
 営業時間は、10時~20時までで、斎数受付は19時30分です。定休日は、毎週木曜日です。

 奥に進みますと浴室がありますが、左が御神楽岳と広谷川を眺められる「御神楽の湯」、右が飯豊連峰と上川の田園風景を眺められる「飯豊の湯」で、男女交互で使用されます。

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 今回の男湯は、昨年来たときと同様に左側の「御神楽の湯」でした。

 脱衣場には、中央部に脱衣棚に脱衣籠があるほか、壁際にコイン返却式の鍵付きロッカーもあります。

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 洗面台には、シンクが4つも並び、大きな鏡がありますが、ドライヤーが2台あるのみです。

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 浴室内へのスマホ持ち込み禁止の掲示がありましたので、浴室内での撮影はできませんが、脱衣場のガラス窓から、浴室内を眺めることができます。

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 私と入れ替わりに先客が出て行かれ、浴室内は私だけとなり、浴室を独り占めできました。
 浴室は2面がガラス張りで、明るく開放感があります。窓から見える木々の緑が癒しを与えてくれます。
 浴槽は、三角形の大浴槽と長方形の小浴槽に分かれていますが、湯に違いはありません。
 浴槽には無色透明無臭の湯が満ちており、各浴槽の注湯口から湯が注がれていますが、循環式でオーバーフローはありません。
 軽いツルスベ感はありますが、あまり特徴が感じられない湯です。でも、さすがに温泉であり、湯温はそれほど高くはないものの、温まりは良かったです。

 外に出て、階段を降りたところに屋根付きの小さな露天風呂があるのですが、湯が抜かれていて、寂しさを感じました。去年と同じ光景であり、改修される予定はなさそうです。

 手前側と右側の壁際に仕切りなしの洗い場があり、ボディソープ、リンスインシャンプーが置いてあります。

 泉質もさることながら、浴槽を独り占めというのは贅沢であり、大きな満足感を感じました。
 しばし湯に浸かっていますと次の客が入って来られましたので、入れ違いに退室しました。

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 脱衣場に掲示されている平成27年2月6日付の分析表によりますと、源泉名は御神楽温泉4号。泉質はナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)、源泉温度 54.6℃、PH 7.96 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 398.7、K 5.7、NH4 1.3、Mg 1.9、Ca 11.6、Sr 0.2、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.7、Cu 0.2、Zn 0.0、F 2.6、Cl 110.0、Br 0.5、I 0.3、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 496.7、HPO4 0.0、HCO3 282.5、CO3 0.0、メタケイ酸 37.3、メタホウ酸 2.9、遊離CO2 4.7、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は1352mg/kgです。
 衛生管理上及び源泉供給に支障が生じた場合一時的に水道水を使用して加水、入浴に適した温度に保つため加温(42.0℃)、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置使用、入浴剤使用なし、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒あり。浴室清掃は毎日実施、浴槽の清掃は毎日逆洗、湯の入れ替え・完全清掃は週1回とのことです。

 ロビーにある美味しい冷水をいただいてのどを潤し、休憩用の広間に移動し、しばし休憩しました。

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 窓から見える緑が目に鮮やかでした。

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 この原稿を書きながらクールダウンしました。

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 がらんとしたロビーを抜けて退館しました。空いていて良かったですが、逆に言えば経営的には厳しいでしょうね。
 広大な阿賀町の中でも、奥深い上川地区の最奥にある温泉であり、行きにくい面もありますが、その行きにくさが気分転換にもなりましょう。また、思い立った時にまた利用させていただきたいと思います。