ドライヤー有料化!「ごまどう湯っ多里館」

 田上町にある日帰り温泉「ごまどう湯っ多里館」のドライヤーが有料化との情報をいただき、気になっていましたので、確認のため先日行ってきました。

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 「ごまどう湯っ多里館」は、田上町が湯田上温泉北側の高台に建設した「田上町多目的交流施設」で、2001年4月21日にオープンしました。
 私はオープン翌日に駆けつけて、以後その変遷を見守ってきましたが、
前回利用したのは2021年12月でしたので、1年8か月ぶりになります。随分とご無沙汰していたことに、我ながら驚いています。

 国道403号線の旧道を南下。JR田上駅手前のファミマのある交差点を左折して山側に進み、案内板に従って坂道を上った先にあります。玄関前まで坂道を上って行けますが、そこには駐車できませんのでご注意ください。

 湯田上カントリークラブのゴルフコースのすぐ隣で、ネットで囲まれている駐車場に車を止めて、エレベーターで上に上がります。

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 通路を歩いた先に「ごまどう湯っ多里館」の玄関があります。

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 この通路の窓から暮れゆく新潟平野が眺められました。

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 通路を抜けて外に出ますと、玄関まで行く途中に飲泉所があり、源泉が絶えず流されています。

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 飲泉してみますと、硫黄味が感じられる柔らかな魅力的な源泉です。

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 飲泉だけなら無料ですが、こういう飲泉所は貴重ですね。かつては駐車場横にもあったのですが、使用できなくなって久しくなります。

 玄関を入り、右手の下足箱に靴を入れて入館します。

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 受付横の券売機で入館券を購入します。

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 入館料は、大人700円、小人400円、夕方17時以降は夜間割引で、大人600円、小人400円です。タオルセットは100円ですが、館内着はありません。
 10個たまると入湯税の150円で入館できるポイントカードがあり、火曜日・木曜日はポイントが2倍になりますので狙い目です。
 営業時間は10時~21時で、最終受付は20時までと早いですのでご注意ください。定休日は第2火曜日です。

 下足箱の鍵と引き換え用の番号札を受け取って、カーブを描いた館内を左手に進んで浴室に向かいます。

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 左が「ごまどうの湯」、右が「あじさいの湯」で、週替わりで男女交互に使用されますが、この日の男湯は「ごまどうの湯」でした。

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 左右の浴室に大きな違いはありませんが、「ごまどうの湯」にはソルティサウナ、「あじさいの湯」には高温サウナがあります。

 脱衣場のロッカーは好きな場所を選びますがコイン返却式ですので、100円玉が必要です。
 この脱衣場からは露天風呂が見え、内湯のほか、露天風呂に直接出入りできます。また、階段を上がると展望コーナーがあり、新潟平野を一望しながら休憩できます。

 では、早速本日の本題に移りましょう。ドライヤーの有料化の話題です。

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 「昨今の物価上昇(特に光熱費)で皆様の家計も大打撃を受けていると思われます。当館におきましても同様で、コスト削減等最大限の努力を行っておりますが、簡単に入館料を値上げすることも出来ませんので、利用者負担の一環として、脱衣所に設置してあるドライヤーを有料とさせていただく事と致しました。」とのことで、8月9日(水)から有料化されました。
 予備のコンセントがありますので、ドライヤーを持参すれば無料で利用できるとのことです。

 洗面台には実際に5分で100円というダイソンの赤いドライヤーがありました。料金箱の仕様や掲示など、最近有料化された「さくらんど温泉」や「だいろの湯」と全く同じですので、同じレンタル業者が参入しているものと推測します。
 やはりこういうビジネスモデルが出来ているようで、他の施設にも拡大していくのではないかと危惧しています。

 これで今日の話題は終わりですが、温泉についての紹介もしなければいけませんね。

 浴室に入りますと、源泉100%の掛け湯(あがり湯)があり、早速源泉を楽しみました。加熱されていますが、飲泉所と同様の硫黄分がしっかりと感じられました。この湯にそのまま浸かれたら最高なんですけどね。

 左手には仕切り付きの洗い場があり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。ほかにシャワーブースもあります。小さな水風呂がありますが、1人しか浸かれそうもない狭さです。
 ソルティサウナが空いていましたので利用しました。スチームサウナ的な雰囲気で、室内に水道の蛇口があります。TV付きで、それほどの高温ではありませんので、ゆっくりと楽しめます。塩が盛られたバケツが2つ置いてあり、身体に塗って楽しみました。
 
 浴室の大きな窓際には大小の浴槽があり、小浴槽はぬるめになっています。大浴槽は循環湯の注湯口のほか、隅に非加熱源泉の注入口があり、これは小浴槽にもあります。自己責任で舐めてみますと硫黄味がある良い源泉なのですが、ちょろちょろと流れているだけです。
 浴槽の湯は、ほぼ無色透明無味無臭ですが、若干のツルスベ感は感じられ、温泉としての味わいは感じられます。
 浴槽は浅めで、そのまま浸かりますと肩が出てしまいますので、身体を傾けるようにして首まで浸かります。窓からの眺めも良く、泉質を論じる以上の喜びを感じます。

 小さいながら3種のジェットバス(ドリームバス、肩たたき、エステバス)があり、この浴槽は深くなっています。強力なジェットでマッサージ効果が高くて気持ちよかったです。

 そして外に出て、露天風呂を楽しみました。浴槽はかなり深いところにあり、段を降りる感じで湯に浸かります。かつては打たせ湯もあったのですが使用されていません。

 この露天風呂からは新潟平野が一望され、夕暮れの中に佐渡の山並みのシルエットが美しく映えていました。
 高台にありますので、展望の良さは抜群であり、何物にも代えがたい大きな魅力です。左側には弥彦山~角田山の山並み、正面には佐渡、右側には広大な新潟平野の先に新潟市の街並が見えます。
 この雄大な景色を見ながら入浴できれば最高なのですが、露天風呂の浴槽に浸かった状態では景色は全く見えないのが残念です。

 猛暑に配慮してか、軒先からミストが噴射されていて、ミストを浴びながらクールダウンすることもできます。ミストがある露天風呂はほかでは見たことがありません。

 さて、脱衣場に掲示されている2020年12月17日付の分析表によりますと、源泉名は、田上ごまどう温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物温泉(低張性アルカリ性温泉)です。湧出量 393L/分、源泉温度 34.5℃。PH 記載なしです。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 334.4、K 2.5、NH4 0.7、Mg 0.0、Ca 19.1、Sr 0.1、Ba 0.0、Al 0.0、Mn0.0、Fe(II) 0.0、Cu0.0、Zn 0.0、F 1.2、Cl 436.5、Br 0.9、I 0.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.3、HSO4 0.0、S2O3 0.7、SO4 96.7、HPO4 0.0、HCO3 53.7、CO3 18.6、メタケイ酸 46.4、メタホウ酸 4.1、遊離CO2 0.0、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は1016mg/kgです。

 湯は加熱・循環ろ過・塩素消毒されており、飲泉所や掛け湯で感じられた硫黄分は感じられません。ガス性除く成分総計は1016mg/kgと塩類泉に該当しますが、ギリギリです。PHの記載はありませんが、前回の分析表ではPH 9.2でしたので、その程度のアルカリ度はあるものと思います。
 オープン当初は、ガス性除く成分総計が4045mg/kgと濃厚な湯が掛け流しされていましたが、その後2007年6月の分析で1091mg/kgと薄くなり、2015年10月の分析では1951mg/kgと持ち直したものの、2020年12月の分析では1016mg/kgと薄くなってしまいました。
 温泉は生き物ですので仕方ないのですが、1000mg/kgを切りますと単純温泉になってしまします。今後の推移を注視したいと思います。

 温泉を十分に楽しみ、最後に源泉100%のあがり湯で身体を清めて浴室を後にしました。

 湯上がりには、脱衣場2階の展望コーナーで、日が落ちて暮れゆく新潟平野を眺めました。

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 気分爽やかと行きたいところですが、これから熱帯夜が始まります。

 浴室を出て、一番奥にある広間で広間でひと休み。多くの人たちで賑わっていました。

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 これが110円で売っていました。安いですね。

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 のどを潤し、しばし休憩して退館しました。飲泉所で源泉をもう1度いただいて通路を進み、癒やしの温泉からストレスが溢れる下界へとエレベーターで降りました。

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 エレベーターの横には盛りを過ぎた紫陽花の花。

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 夕暮れの中に家へと車を進めました。