久し振りの 「麻生の湯」

 先週の日曜日に長岡へ行く用事があり、せっかくてすので、昼食がてらに温泉に浸かって、ひと休みすることにしました。
 分水~与板経由で長岡入り。いつもですと、与板からそのまま直進して、「寺宝温泉」か「喜芳」に寄るところなのですが、時間に余裕がありましたので、気が変わって、信濃川を渡って東側に行き、今回は「麻生の湯」にしました。
 前回来たのが2021年7月でしたので、2年振りになります。かなりご無沙汰してしまいました。
 初めからここにするのでしたら、三条・見附経由で来れば良かったのですが、途中で気が変わってこういうことになりました。反省です。

 国道8号線の川崎ICから栃尾方面に進み、坂道になる手前を左折して少し進めば「麻生の湯」です。
 この温泉は施設ができる遥か前からのファンです。畑のドラム缶からの垂れ流し時代を知っている方はおられますでしょうか。
 私がホームページで紹介しましたところ全国的にも知られるようになり、有名な温泉研究家も訪れました。しかし、心ない誰かが源泉が流れ出るドラム缶を破壊するという悲しい出来事もありました。
 そんなこともあって、思い出深い温泉であり、2007年4月19日のオープン直後に駆けつけ、その後もときどき利用させていただいています。

 坂道を上りますと、この看板が迎えてくれます。

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 この坂道の途中にある小さな小屋が、かつてドラム缶から源泉が自然湧出していた場所です。

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 坂を上がった右側に広大な駐車場がありますが、ちょとした高台にありますので、駐車場からの眺めも良好です。

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 田園風景の先に長岡市街を見渡すことができます。これと同じような眺めが露天風呂からも望めます。

 駐車場の横に、屋根付きの足湯「ふっとばす」があります。

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  微白濁した湯が満ちており、注湯口から注がれた湯は、反対の端からオーバーフローされています。

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 つまり、掛け流しの足湯と言えましょう。贅沢ですね。

 では、「麻生の湯」に向かいましょう。

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 一番奥に玄関があります。

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 玄関を入りますと、雑然とした館内が迎えてくれます。

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 右に下足箱がありますので、靴を入れて入館します。

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 ただでさえ狭い玄関ホールに、物品がたくさん置かれていますので、窮屈感を感じます。

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 下足箱の鍵と引き換えに受付します。料金は、タオルなしで、大人720円、小学生360円、小学生未満は無料です。タオルセット付きは、大人860円、小学生430円、タオルセット・館内着付きは、大人1100円、小学生550円です。

 受付の左の通路の奥に浴室があります。

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 手前が男湯、奥が女湯です。

 脱衣場は狭くてゆったり感はありません。浴室に入りますと、照明が落とされて薄暗くなっており、シックで落ち着いた雰囲気を感じます。
 内湯には、左側に掛け湯、大浴槽、サウナ、水風呂等があり、右側に洗い場があります。仕切り付き4か所、仕切りなし11か所あり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

 サウナはテレビ付きで広めですが、9人に制限されているため、ゆったりと利用できました。
 大浴槽はジェット付きで、十分な広さがあります。薄暗くて湯色は良くわかりませんが、淡黄色透明のようでした。
 湯口からはかなり熱めの湯がチョロチョロと供給されていましたが、浴槽の湯はぬるめで、湯温は40℃を表示していました。注湯口の湯を自己責任でなめますと、かなりの塩味と苦みが感じられました。

 露天風呂は2つあり手ます。手前の屋根の下に大きめの浴槽があり、ここには薄紅茶色の湯が満ちていました。
 ここも内湯同様に、湯口からは高温の湯がチョロチョロと供給されていて、やはり塩味と苦みを感じました。浴槽の湯温はぬるめで、39.5℃を表示していました。

 そして、少し歩いた外側に木製の長細い浴槽があり、左の注湯口側は多少広いですが、右側になるに連れて狭くなっています。
 ここは微白濁した湯が満ちており、左側の注湯口から注がれた湯は、右端の外側からオーバーフローされており、掛け流しされています。
 ここの湯は他の浴槽と大きく異なり、浴槽の湯そのものが注湯口と同様に、塩味と苦味があり、アブラ臭もかすかに感じられ、鮮度の良さを感じました。黒っぽい湯花も浮遊しています。
 この浴槽がおそらく本来の源泉の味わいだと思われ、内湯と手前の露天風呂は循環湯のため、源泉の味わいが失われているものと思います。

 露天風呂からは、田園風景の先に長岡市街を見渡すことができます。長岡市内には数多くの温泉があり、温泉天国と言えますが、市街地近くの温泉で眺めが良いのは、ここと「喜芳」です。「喜芳」は、外の木が伸びすぎて景色を遮るようになったため、実質的に一番眺めが良いのはここでしょう。

 平成28年8月1日付の分析表によりますと、源泉名は麻生田観音堂温泉、泉質は含よう素-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(高張性中性高温泉)です。源泉温度は44.1℃、湧出量は185L/分(動力揚湯)、PH 7.2 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.7、Na 4259、K 244.8、NH4 8.2、Mg 57.4、Ca 1868、Sr 14.6、Ba 3.2、Al 0.1未満、Mn 2.3、Fe(II) 1.9、Fe(III) 0.1未満、Cu 0.1未満、F 0.3、Cl 10320、Br 57.7、I 21.3、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.8、HSO4 5.0未満、SO4 5.0未満、HCO3 53.2、CO3 0.1未満、メタケイ酸 118.6、メタホウ酸 41.5、遊離CO2 7.1、遊離H2S 0.1未満 など、ガス性除く成分総計は17070mg/kgです。

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 入浴に適した温度に保つため加温、衛生管理と浴槽内の温度を維持するため循環ろ過装置を使用、常に新しい温泉を補給し浴槽からあふれ出た分は掛け流し、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施と掲示されています。

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 湯上りには食堂で昼食をいただきました。源泉の塩分を使用したという梅塩ラーメン800円です。

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 上品な盛り付けで、梅干しがトッピングされて、酸っぱさが癖になりそうでした。チャーシューではなく、鶏肉が美味しかったです。
 「食べる源泉掛け流し」と称するメニューは他にもありますので、話の種にどうぞ。

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 帰り際に足湯をもう1度立ち寄りましたが、湯の性状は露天風呂の掛け流し浴槽と同様であり、やはり鮮度は良さそうでした。

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 坂を下って次の目的地へと向かいました。

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 久しぶりに「麻生の湯」を利用しましたが、改めていい温泉だと感じました。市街地の西にも東にも、このような素晴らしい温泉がたくさんある長岡市民がうらやましいですね。