「白根温泉」独り占め

 新潟市内にはいくつかの温泉がありますが、素朴な名湯として忘れてはならないのが南区にある「白根温泉」です。
 先週の土曜日、仕事帰りに立ち寄ってきました。前回行ったのは6月初めでしたので4ヶ月以上のご無沙汰でした。
 新潟市街から国道8号線を南下。白根市街に入る手前の保坂交差点を左折し、田園の中の1本道を進み、小さな橋を2つ渡りますと左に「白根温泉 関根旅館」があります。
 浴室は狭いですので、駐車場が混んでいるようでしたら断念しようと思いましたが、車は2台だけでしたので利用することにしました。

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 駐車場の奥にこの看板があり、利用客を迎えてくれます。

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 奥に旅館の入り口がありますが、日帰り入浴は正面ではなく、右横にある入り口から入ります。

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 本館と休憩所を結ぶ通路に入り口が作られていますので、初めての人は驚くでしょうね。

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 右手の休憩所で靴脱いで靴を置き、通路を通って本館へ上がっていきます。通路のところで靴を脱いで置いておきますと、女将さんが休憩所まで靴を移動してくれますので、初めから休憩所で靴を脱ぎましょう。

 中に入りますと、すぐ右に浴室があり、手前が男湯、奥が女湯です。

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 奥に受付らしきテーブルがあり、たいていは女将さんが、よく来てくれたと出迎えてくれますので、料金を払います。まれにおられないことがありますが、声をかければ奥から出てこられます。
 入浴料金は、大人600円、小人300円、営業時間は10時~19時です。毎週月曜日が定休日ですが、祝日の場合は翌日が休みです。
 非常に優しい女将さんで、いつも入浴前に麦茶を勧めてくれますので、今回ものどを潤してから浴室に入りました。

 脱衣場には脱衣棚。

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 洗面台は1つのみ。ドライヤーはあります。

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 浴室の戸はガラス戸ですので、中を覗くことができます。

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 入り口の上には「天下之名湯 白根温泉」という看板があります。

 先客が2人おられましたが、私と入れ代わりに1人が出て行かれ、私が洗身している間にもう1人も出て行かれましたので、以後私だけの独泉入浴となりました。

 浴室には小さな浴槽が1つあるのみで、醤油色の湯が貯められています。

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 非加熱源泉のコックがあり、湯が熱いときは温度調整できます。これ以外に注湯口はありません。

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 洗面器に湯をすくいますとこんな感じです。

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 湯温は42℃程度で、モール泉特有の臭気があり、自己責任で舐めますと塩味があり、ツルスベ感もあって、浴感は良好です。オーバーフローはなく、ため湯状態ではありますが、不満は感じません。

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 浴槽はかなり深いですので、顎の下までたっぷりと湯に浸かり、湯と対話しました。

 洗い場は3か所。ボディソープ、リンスインシャンプー、固形石鹸があります。

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 平成19年11月14日付の分析書によりますと、源泉名は白根温泉。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(中性高張性冷鉱泉)。源泉温度15℃。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li <0.1、Na 3320、K 145、NH4 49.6、Mg 352、Ca 63.9、Sr 1.5、Ba 0.2、Al 2.1、Mn 0.3、Fe(II+III) 6.3、Cu <0.1、Zn <0.1、F 0.2、Cl 4972、Br 15.5、I 2.4、HS <0.1、S2O3 0.5、SO4 1.6、HCO3 3047、CO3 <0.1、メタ珪酸 62.8、メタホウ酸 9.9、遊離CO2 4.6 など、ガス性除く成分総計は12053mg/kgです。
 湯は加水なし、加温あり、循環装置使用あり、入浴剤なし、塩素系消毒剤使用ありとのことで、湯は毎日入れ替えて清掃しているそうです。

 炭酸水素イオン3047mg/kgは県内でも有数の値であり、モール泉と塩化物泉の魅力を併せ持ち、個性的で素晴しい源泉だと思います。源泉温度が15℃と低いので、加熱・循環は避けられません。

 次の客が来るまで浸かっていようと思いましたが、誰も来られず、ゆでだこ状態になって浴室を出ました。
 女将さんが待ち構えていて、湯加減を尋ねられましたので、ちょうど良かったと答えました。
 また麦茶を勧められましたので、ありがたくいただきました。湯上がりには美味しいですね。

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 休憩所でひと休みし、女将さんに見送っていただいて退館しました。

 今回はタイミングが良くて、独り占めで楽しむことができました。新潟市内にこのような名湯が隠れているのは素晴しいですね。
 設備的には劣りますが、純粋に温泉入浴だけに限れば、お勧めできる温泉です。このブログをご覧くださるような方なら、その良さをご理解いただけるものと思います。