寒くなったら熱い温泉 かのせ温泉「赤湯」

 新潟県内で熱い温泉といえば、胎内市の塩の湯温泉の「サンセット中条」と阿賀町の「赤湯」が挙げられるでしょう。
 10月下旬の日曜日、阿賀町津川地区での仕事があり、仕事を終えた後、せっかくですので足を延ばして、かのせ温泉「赤湯」に寄ってきました。前回行ったのは2022年3月でしたので、1年半ぶりになります。

 阿賀町の津川市街から鹿瀬方面に進みます。トンネルを抜けると麒麟山温泉ですが、入り口に廃墟があって、ちょっと見苦しいのが残念です。
 先に進んで阿賀野川の橋の手前に来ますと、もくもくとした黒煙が進行方向の左から右へと移動して、霧がかかったかのようになっていて、車内にまで煙が入ってきて煙たくなりました。
 ちょうど「SLばんえつ物語号」が通過したところだったようです。それにしましても、ものすごい煙には驚きました。

 道なりに進んで、巨大なダムを右に見て、レークサイド角神で左折して坂道を少し進みますと「赤湯」に到着です。

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 駐車場に車をとめて、玄関に向かいます。

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 自動扉を開けて入りますと、この幕が迎えてくれます。

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 さらに中に入りますと下足箱がありますので、靴を入れて入館します。

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 以前は券売機がありましたが、いつのまにか廃止され、窓口で直接現金払いになっています。

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 入浴料は、大人500円、小人300円、タオルなしです。私は「温パラ」のクーポンを利用して、ハンドタオルをいただき、バスタオルを無料レンタルさせていただきました。ありがたいことです。

 奥に進みますと浴室棟があります。

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 左手に大小の休憩用広間があり、日曜日だけあって、入り込む余地がないくらいに賑わっていました。

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 右に男女の浴室があり、入り口前に自販機が置いてあります。手前が女湯、奥が男湯です。
 暖簾をくぐりますと、開店時の浴槽の温度が掲示されていました。

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 脱衣場・浴室ではスマホを使用しないようにとの掲示がありましたので、今回は写真はありません。浴室内の様子は前回以前の記事をご覧ください。

 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠があります。コロナ禍になって棚は1つおきに使用が制限されましたが、現在も一部使用できない棚が設けられています。洗面台のシンクは2つあり、ドライヤーがあります。

 浴室内に入りますと、2つに仕切られた浴槽があり、茶褐色に混濁した湯が満ちています。
 右側の浴槽にある注湯口から高温の源泉が注がれ、仕切りを通って左側に流れ込み、窓際の縁にある排湯口からオーバーフローされています。
 注湯口がある右側は高温で、初めての人はその熱さに驚かれることでしょう。左側はぬるめとはいえ、それでもかなりの温度です。この熱さが「赤湯」が温泉ファンを魅了する所以といえましょう。

 壁際にはL字型に仕切りなしの洗い場があり、ボディソープとリンスインシャンプーがあります。

 内湯の高温浴槽には誰もおらず、ぬるめの浴槽に1人先客がおられました。洗身して、高温浴槽に足を入れましたが、膝まで浸かったところで熱さに耐えらませんでした。湯温は開店時の46℃よりかなり上昇しているものと思います。
 ぬるめの浴槽に移動しましたら、こちらは43~44℃程度のほどほどの熱さでした。無臭ですが、軽い塩味と鉄味がします。しばし湯に浸かって露天風呂に移動しました。

 外に出たところに露天風呂がありますが、露天風呂と言っても外側が開放されているだけで、屋根もあって室内という雰囲気です。解放部には虫よけの網が張られていますが、木々の緑が美しく、癒しを感じます。
 浴槽には内湯同様の茶濁りの湯が満ちており、注湯口から注がれた源泉は、外側に切られている排湯口からオーバーフローされています。
 湯温は43~44℃位でしょうか。ちょっと熱め位の適温ですが、高温の源泉が注がれている注湯口に近付きますと、かなり熱く感じます。
 ほかに客はなく、独り占めの湯を楽しみました。外の緑を眺めながら、ゆっくりと浸かって頭を空にしました。
 次の客が来るまで浸かっていようと思いましたが、なかなか来られずゆでだこ状態。浴槽の縁で涼みました。

 次の客と入れ替わりに内湯に戻りますと、無人になっていました。貸し切りの内湯は気持ち良いですね。
 せっかく貸し切りになりましたので、湯もみ棒で高温浴槽の湯を攪拌しましたら、高温の湯面が緩和されて、軟弱な私でも浸かることができました。
 なんと、首まで浸かることができました。これは快挙だ!と自己満足しましたが、それもつかの間のこと。高温の源泉が容赦なく注がれていますので、湯面の湯温はどんどんと上昇し、耐え切れずに出てしまいました。
 でも、この高温浴槽に首まで浸かったのは、20数年ぶりです。湯もみすれば湯に浸かれることを再確認しました。
 今回はタイミング良く貸し切り入浴できたため実現できましたが、他の客がいるときに湯もみする勇気はありません。せっかく湯もみ棒が用意されているんですけどね。

 再び小浴槽に浸かって頭を空にして、ストレスを強制的にリセットしました。寒くなってきましたので、このような高温の温泉は気持ち良いですね。ただし、高齢者には決して健康的とは言えないほどの熱さですので、十分ご注意の上ご利用ください。

 こんな掲示がありました。「内風呂は熱いお湯が、お好きな人の為に水のうめ過ぎに ご注意ください。露天風呂は熱いお湯が、苦手な人の為に水でうめる事を ご容赦ください。」(原文通り)
 熱い湯が苦手な人は、そもそもここに来ることはないと思いますが、内湯が熱すぎるようでしたら、露天風呂で温度調節してお楽しみください。
 ただし、温度調節しても良いとはいえ、熱い湯が魅力の「赤湯」ですので、ぬるくし過ぎないようご注意ください。

 平成27年2月13日付の分析書によりますと、源泉名は、鹿瀬温泉1号。泉質は、ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(低張性中性高温泉)、源泉温度 59.4℃、湧出量 234L/分(動力揚湯)、PH 6.4 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成27年2月13日付)は、Li 0.5,Na 790.5、K 36.4、NH4 1.6、Mg 36.2、Ca 269.5、Sr 4.9、Ba 0.0、AL 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 2.8、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.8、Cl 354.9、Br 1.7、I 0.4、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 1379、H2PO4 0.0、HCO3 678.5、メタケイ酸 57.3、メタホウ酸 6.6、遊離CO2 453.1、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は3623mg/kgです。
 加水なし、加温なし、循環・濾過なし、入浴剤なし、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒あり、浴槽の換水・清掃は毎日実施、レジオネラと大腸菌群の検査は年1回以上実施とのことです。

 注がれる源泉は無色ですが、浴槽に注がれた後は鉄分が酸化されて茶褐色に混濁しています。湯温は高いですので、浸かり過ぎには十分ご注意ください。

 湯上りの汗はなかなか止まらず、「温パラ」で無料レンタルできたバスタオルが重宝しました。

 浴室前の大小の広間は混雑していて空きはありませんでしたので、休憩と昼食を兼ねて2階の食事処に上がっていきました。

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 前回は食券の券売機がありましたが、今は無くなっていて、受付カウンターで料金を払うシステムになっていました。
 今回いただいたのは、新メニューという「赤湯ラーメン」700円です。

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 あっさりとした醬油味で、期待以上の美味しさでした。焼き豚もいい味でした。これはお勧めです。大盛りにすれば良かったと後悔しました。

 良質な源泉が温度調整しないまま掛け流しというのは素晴らしいですね。阿賀町には、各地区に泉質の違う温泉が温泉が点在していますが、その中でも「赤湯」は最も個性的であり、魅力的に思います。
 
 汗が引いたところで退館しましたが、気分爽快でした。近くならもっと利用するのですが、ここまで来るのは大変です。
 今回はたまたま阿賀町での仕事があったために利用できました。また、機会を見つけて利用したいと思います。

 帰り道に、途中にある巨大なダムと発電所を眺めました。

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 そして、くねくねとカーブを描く阿賀野川。

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 この眺めは雄大で、自然の迫力を感じます。

 ちなみに、この日の朝、津川市街手前で熊に出会いました。信号待ちをしていましたら、熊が国道49号線を横切りました。
 こんな市街地にまで熊が出てくるとは、十分な注意が必要ですね。被害が出ないことを祈ります。