「ソルト・スパ潮風」解体へ!

 柏崎市の日帰り温泉施設「ソルト・スパ潮風」は、経営難から2019年2月20日から休館が続いていますが、2019年5月に事業譲渡を受けた柏崎交通は、建物を解体して、土地を柏崎市に返還することが明らかになったとの記事が、11月14日付の新潟日報に載っていました。

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 事業譲渡を受けた柏崎交通は、内部の改装工事を進めるなど、営業再開の準備を進めていましたが、新型コロナウイルスの感染の拡大もあって、営業再開できず、2022年3月に営業再開を断念することが発表されました。
 その後売却先を探しましたが契約には至らす、建物の解体と土地の市への返却をすることになったとのことです。

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 「ソルト・スパ潮風」は、柏崎市が約8千万円をかけて温泉を掘削し、市から温泉設備の無償貸与を受けた第三セクターの柏崎潮風温泉の運営により1996年にオープンしました。
 2001年度には14万5千人の利用客がありましたが、中越地震、中越沖地震での長期休業、燃料費の高騰、施設の老朽化による維持管理費の増大等により、東日本大震災後から経営危機がささやかれました。
 柏崎市からの支援は得られず、2013年2月18日に新潟地裁長岡支部に民事再生法を申請(負債総額は約3億8千万円)しました。
 営業を続けながら再建が図られ、2016年には再生手続きが終了しましたが、2017年度の利用客は9万7千人にまで減少し、老朽化した施設の維持費も経営を圧迫し、2019年2月20日、突然営業を中止しました。

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 そして2019年5月に柏崎交通(当時は柏崎タクシー)に事業譲渡され、改修工事も始まって営業再開を楽しみにしていました。
 しかし、新型コロナ感染の拡大もあって営業は再開されず、2022年3月16日に開催された柏崎交通の取締役会で営業再開を断念することが決議されました。
 売却先を探すとのことで、新しい経営者の下での営業再開を期待し続けていましたが、閉鎖されたまま時間が過ぎていきました。
 先日も柏崎に行く用事があって、前を通ったのですが、放置されて朽ちて行く姿が悲しく感じられました。
 結局売却先は見つからず、建物は解体されるという最悪の事態を迎えることになりました。

 「ソルト・スパ潮風」のオープン当時、私は柏崎市での単身赴任生活を始めた頃でしたので、今は無き「かんぽの宿 柏崎」とともに、毎日の生活に欠かせない温泉でした。

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 当時は夜8時から夜間割引がありましたので、8時になるのを待って入館したのが懐かしい思い出です。

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 そんなこともあって、「新潟県内日帰り温泉おすすめ情報」の紹介順の第1番はこの温泉であり、強い思い入れがあります。

 土地、温泉権、ポンプなどの温泉設備は市が所有しており、今後源泉がどうなるのか心配されます。せっかくの源泉がこのまま消えてしまうのは残念であり、有効利用していただきたいと切に願います。