施設改修して再スタート 「寿和温泉」

 魚沼市穴沢の「寿和温泉」は、合併前の入広瀬村が、村の中心部の破間川沿いに整備した複合型の温泉施設です。
 1993年に破間川河畔で温泉掘削に成功し、1994年10月にまず露天風呂棟がオープンし、1995年6月に多彩な浴槽や休憩所を備えたヘルスセンターとウォータースライダーを備えた室内の温水プールがオープンし、これらを合わせて「ドリームタウン」として、30年近くに渡って親しまれてきました。
 1996年6月には、宿泊施設の「ひめさゆり荘」もオープンしましたが、残念ながら2009年3月末で閉館してしまいました。

 当初は、毎分3700L(当時全国3位)という豊富な湧出量(自噴)を誇り、年間9万人以上の利用者で賑わっていましたが、その後利用者は年々減少し、2021年度は3万5千人程度だったそうです。
 施設の老朽化も進み、安心して利用できる環境が維持できなくなったため、温水プール棟は2023年3月31日をもって閉鎖されました。
 ヘルスセンター棟も、改修するには多額な費用が掛かるため、露天風呂棟のみを残すこととして、約2億円をかけて2022年度から改修工事が進められました。
 新たに内湯が作られ、サウナ室、多目的トイレが増設され、バリアフリーなコンパクトな施設として再出発することになりました。

 改修工事は完了して、11月17日(金)に営業を開始しました。これに伴い、これまでのヘルスセンター棟は11月15日(水)をもって営業を終了しました。
 施設の概要につきましては、以前のブログで紹介しましたが、実際に確かめるため、某日に行ってきました。

 国道17号線や関越道経由ではなく、国道290号線経由で快適に魚沼市入りしました。三条方面からショートカットで来れますので、お勧めの道です。
 守門地区から入広瀬地区へと国道252号線を進みます。「道の駅いりひろせ」と鏡ヶ池を左に見て進み、案内板に従って左折。旧入広瀬村の中心街を進みますと破間川に面して寿和温泉があります。

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 左が3月末で閉鎖された温水プール棟です。右がヘルスセンター棟で、11月15日(水)で閉鎖されたばかりですが、すでに廃墟のような空気感に満たされています。
 温水プール棟の左奥には、かつて宿泊施設の「ひめさゆり荘」があり、入浴もできたのですが、閉館して福祉施設に転換されています。

 そして、ここが従来からの露天風呂棟を大改修して11月17日(金)にオープンしたばかりの、新しい「寿和温泉」です。

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 バックに見える山が見映えがしますが、何という山でしょうか。地図を見ますと城跡があるようですが。

 建物の外観は従来の露天風呂棟を引き継いでいるようで、「寿和温泉ドリームタウン 露天風呂」という表示のままです。

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 入館前に、周りの景色を見回しました。

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 温泉のすぐ裏には破間川が大きくカーブを描いて流れています。

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 裏山も趣がありますね。

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 玄関に向かいます。

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 玄関を入り、左の入り口へ進みます。

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 中に入りますと、すぐ左に受付があり、右に鍵付き下足箱がありますので、靴を入れ、鍵は自分で保管します。入浴券の券売機がありますので購入し、受付に提出します。
 料金は、大人700円、小人(3歳~小学生)400円で、回数券(6回券)は3500円、タオルセットは200円です。営業時間は12時~20時で、最終受付は19時です。休館日は毎週木曜日で、木曜日が祝日の場合は金曜日です。

 右にロビーと休憩所を横目に見て、奥の浴室に向かいます。

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 手前が女湯、奥が男湯でした。

 浴室に入りますと、鍵付きのスチールロッカーがありますので、好きな場所を自由に使用します。
 
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 洗面台にはドライヤ―があります。

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 他には椅子と扇風機、ヘルスメーターがあるのみです。

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 浴室に入りますと、左の壁際に洗い場、正面に大浴槽があります。

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 洗い場は仕切りなしで5か所あり、ボディソープとリンスインシャンプーがあります。

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 右手前には、ドライサウナと水風呂があります。

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 浴槽には無色透明無臭の湯が満ちています。

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 注湯口からは源泉がチョロチョロと出ているのみですが、浴槽内に勢い良く加熱源泉の注入があります。

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 湯温は41℃程度でしょうか、ほど良い塩味がしますが、ツルスベ感はありません。循環湯ではありますが、浴槽に浸かりますと、縁からのオーバーフローがあって、掛け流し気分を味わえました。
 実は先客が1人おられたのですが、互いに意識し合って、一緒になることはなく、浴槽は独り占めできました。

 先客と入れ替わりに露天風呂に移動しました。

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 従来は大きな岩造りの露天風呂だったと記憶していますが、内湯につぶされて、コンパクトな浴槽になりました。塀に囲まれていて景色を楽しむことはできません。

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 ここも内湯と同様に、注湯口からは源泉がチョロチョロ出ているだけですが、浴槽内に加熱源泉の注入があります。

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 露天風呂も独り占め。ここも湯に浸かるとオーバーフローがありました。周りに塀がありますので、開放感は少なめですが、気持ち良く温泉を楽しめました。

 サウナも覗いてみました。

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 大きくはないですが、施設の規模からしますと、適切な大きさでしょう。

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 室温は96℃。木の香漂う出来立てのサウナを、気持ち良く利用しました。

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 内湯に露天風呂と、温泉を十分に楽しみ、浴室を出ました。

 残念ながら、脱衣場には温泉の分析書や適応症・禁忌症の掲示がありませんでしたので、
受付の人に、どこにあるのか尋ねてみましたら、受付前の下足箱の上にありました。
 見にくい場所でしたので、受付の人に頼んで下におろしてもらって見させていただきました。

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 平成28年12月9日付の分析書によりますと、源泉名は、寿和温泉第2号源泉。泉質は、ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性中性温泉)。源泉温度41.8℃、使用位置41.0℃。湧出量144L/分(動力揚湯)。PH 6.9。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.7、Na 1525、K 29.5、NH4 0.2、Mg 17.6、Ca 325.2、Sr 4.3、Ba >0.1、Al >0.1、Mn 0.3、Fe(II) 3.6、Fe(III) >0.1、Cu >0.1、F 3.3、Cl 975.4、Br 3.3、I >0.2、HS >0.1、S >0.1、S2O3 >0.1、HSO4 >5.0、SO4 2344、HCO3 332.6、CO3 0.2、メタケイ酸 44.9、メタホウ酸 18.4、メタ亜ヒ酸 0.4、遊離CO23 70.2、遊離H2S >0.1 など、ガス性除く成分総計は5629mg/kgです。
 加水なしで源泉100%ですが、加熱があり、循環ろ過装置を使用し、塩素系薬剤による消毒がされています。

 循環湯とはいうものの、湯量豊富で、オーバーフローも若干ながらあり、利用客数も多くありませんので、鮮度が良い湯を楽しむことができます。
 硫酸イオンが2344mg/kgもあり、硫酸塩温泉としましては、県内でも有数の温泉だと思います。

 湯上りには、ピカピカの休憩所でひと休みしました。

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 喉を潤してクールダウンしました。

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 この休憩室からは破間川を眺めることができますが、なかなかいい眺めで癒されます。

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 ひと休みして退館しました。

 温水プール、ヘルスセンター、露天風呂からなる「ドリームタウン」から、コンパクトな温泉施設へと生まれ変わりました。
 内湯、サウナ、水風呂、露天風呂と、いずれもコンパクトながら必要十分にそろっています。周辺の人口を考えますと、相応な規模だと思います。
 加熱・循環ながらも泉質的には十分であり、近くに行かれた際には、ご利用をお勧めします。
 近辺には、守門温泉や浅草岳温泉もありますので、温泉巡りをされても良いかもしれませんね。