強塩泉が恋しくて 「紫雲の郷」

 先日の日曜日の夕方、ストレス解消のため、温泉でひと風呂を考えましたが、寒くなりましたので温まりの良い強塩泉が恋しくなりました。
 強塩泉と言えば、下越海岸部に連なる強塩泉群が身近ですが、今回はその中から新発田市の「紫雲の郷」を選びました。
 10月以来、2か月ぶりの利用になります。久しぶりの利用のように思いましたが、2か月しか経っていないのですね。

 国道7号線新々バイパス蓮野ICから国道113号線に降りて海岸沿いを北上。聖籠町から新発田市に入りますと、ほどなくして紫雲寺記念公園内の「紫雲の郷」に到着できます。

 広い駐車場に車をとめて、玄関へと進みます。

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 玄関を入り、下足箱に靴を入れ、鍵と引き換えに受付します。

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 入館料は、この10月1日から大人だけ100円値上げされて、大人700円、小人300円、3歳未満は無料です。タオルセットは100円、館内着は200円です。
 前回同様に「温パラ」の割引クーポンを利用して、タオルなしながら550円で入館できました。ありがたいことです。

 奥に進みますと、片側にテーブルとソファ、反対側に自販機が並ぶホールの左右に、男女浴室があります。
 左が「紫雲の湯」、右が「藤塚の湯」で、2週毎に男女交互で使用されます。今回の男湯は、左側の「紫雲の湯」でした。

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 2つの浴室は、左右対称のほかは、どちらも基本構造は同じですが、露天風呂の巨石風呂が「紫雲の湯」は大が1つ、「藤塚の湯」は小が1つ、中が1つという違いがあります。

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 浴室に入りますと、まず左に洗面台があり、10月20日より有料化された5分100円の赤いダイソンドライヤーが4台あります。そして奥にスチール製の脱衣ロッカーが多数並んでいます。

 内湯は、手前左側に仕切り付きの洗い場があり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。右にはドライサウナと水風呂があります。
 奥に通路を挟んで、左に大浴槽、右に小浴槽があり、茶褐色微混濁の湯が満ちています。注湯口から湯が供給されているほか、浴槽内に鵜も加熱源泉の注入があります。
 内湯の温度計は、大小二つともに、42.2℃を表示していました。熱くもぬるくもなくて、気持ち良く湯を楽しみました。大小二つの浴槽を楽しみ、露天風呂に移動しました。

 露天風呂は、当初は混みあっていましたが、外のベンチでクーリングしながら空くタイミングを待って湯に浸かりました。
 巨石をくり抜いた浴槽で、注湯口から大量に湯が注がれていますが、循環式でオーバーフローはありません。
 湯温は内湯よりぬるくて、湯温計はありませんが、私の体感では40~41℃程度でした。
 しばらくの間、他の客と2人だけで浸かることができ、暮れ行く空を見上げなから、ゆったりと湯と対話しました。

 さて、令和元年7月21日付の分析表によりますと、源泉名は、紫雲寺温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物強塩泉(高張性中性高温泉)です。
 源泉温度は、54.8℃。PHは、6.8。湧出量は、89L/分(動力揚湯)で、掘削深度は、1330.5mとのことです。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 5.0、Na 11800、K 421.8、NH4 454.6、Mg 144.9、Ca 803.4、Sr 5.4、Ba 3.2、Al 0.0、Mn 0.3、Fe(II) 4.5、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.0、Cl 22000、Br 146.5、I 97.3、NO2 0.0、NO3 1.4、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.1、SO4 3.3、HPO4 0.0、HCO3 659.0、CO3 0.0、メタケイ酸 121.9、メタホウ酸 121.0、遊離CO2 87.8、遊離H2S 0.0 などで、ガス性除く成分総計は、36794mg/kgです。

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 源泉温度が高いので、40℃位になるよう指示計で制御し、水道水を加水、入浴に適した温度に保つため加温、設定温度から2℃下がると加温、衛生管理と浴槽内の温度を維持するため、常に循環濾過装置を使用、衛生管理のため、塩素系薬剤による消毒を実施、定められた濃度になるように、タイマーで調整、非塩素系薬剤を1日に1回併用して消毒、浴槽の換水・清掃は男湯と女湯を交互に毎日実施、浴室内は毎日清掃、水質検査は2カ月に1回実施し、結果をフロントに掲示、入浴剤は使用していない と掲示されています。
 なお、毎回書いていますが、よう化物イオンが97.3mg/kgあり、よう素泉の基準(10mg/kg)を満たしますので、正しい泉質名は、含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉となります。

 加熱循環された湯ですが、県内最高レベルの濃厚な強塩泉ですので、循環されても泉質への影響は感じられません。
 茶褐色微濁の湯は、アンモニア臭とヨード臭が入り交じった芳香があり、当然ながらなめれば塩辛いです。

 浴槽から出たり入ったり、十分に湯を楽しんで浴室を後にしました。

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 1階奥の広間でクールダウンし、その後はロビー奥の椅子に座ってこの原稿を書きながら休息しました。

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 その後、夕食をいただくため、2階に上がりますと、クリスマスツリーが迎えてくれました。

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 2階には正面に休憩用広間があり、右側は食事処になっていて、メニューは豊富です。お座敷なのですが、掘りごたつ方式になっていて、足を下せるのが良いですね。

 今回いただいたのは・・・

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 生姜焼き定食、1000円です。もう少しボリュームがほしかったかなと思いましたが、美味しかったです。
 2015年より、温泉水を利用してとらふぐの養殖を始め、ふぐ料理が名物になっていて、以前は当日でも食べられるメニューもあったのですが、現在は3日前までに予約しないといけないので、なかなか食せません。

 食後はひと休みした後、もう一度湯を楽しみ、身体に染み付いた温泉の芳香をかぎながら、新潟市の自宅へと、バイパスを走りました。

 なお「紫雲の郷」は、2002年にオープンし、これまで第三セクターの「紫雲寺記念館」が指定管理者として運営してきましたが、2024年度から市の直営となるそうです。
 施設の老朽化に伴い、大規模な修繕が生じた場合、指定管理者による安定的経営に支障をきたす恐れがあるため、今後の意思決定に際して市が主体的に迅速に経営判断していくためと説明されています。

 市の直営となるのは浴場運営のみで、飲食や宿泊部門については「紫雲寺記念館」がテナントとして運営するそうです。今後どのように運営されていくのか期待したいと思います。