日本酒風呂を楽しむ サウナーに人気の「じょんのび館」

 新潟市西蒲区の「じょんのび館」では、1月29日(月)~3月3日(日)まで、西蒲原の酒蔵五蔵の日本酒・酒粕を全身で楽しめるコラボイベント「地域と繋がる 日本酒風呂」を開催しています。

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 土日限定で、5週に渡って毎週違う酒蔵の日本酒風呂、酒粕パックの配布、日本酒投入ショーが開催されています。日本酒飲み比べセットの販売や週替わりの西蒲五蔵の粕汁の販売もあります。
 せっかくのイベントですので、開催期間中に是非とも行きたいと思っていましたが、なかなか行く機会がなく、遅ればせながら先週の日曜日の夕方に行ってきました。

 暖冬で暖かい日が続いたかと思うと真冬の寒さに戻ったりと、寒暖の差が激しい毎日ですが、この日は朝から青空が広がり、気温は20℃近くまで上がって、春を思わせる清々しい天気になりました。この陽気に誘われて、思い立って「じょんのび館」へと車を進めました。

 日曜日の夕方と言うことで、予想通りに駐車場は混雑していました。駐車場から見える後方の山が青空に映えてきれいでした。

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 吹き抜ける風も心地よく、爽快な気分の中に玄関へと向かいました。

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 下足箱に靴を入れ、券売機で入浴券を購入して受付します。

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 入館料は、タオルなしで大人880円、小人400円、小学生未満は無料です。タオルセットは250円、館内着は100円です。タオルなしで880円は、高額に感じますが、このご時世では仕方ないでしょうね。

 混雑したロビーを抜けて浴室に向かいました。浴室前には、今回のイベントの案内が掲げられていました。

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 浴室は、右が和風の「源氏蛍の湯」左が洋風の「平家蛍の湯」で、奇数日・偶数日で男女交互で使用されますが、今回の男湯は「源氏蛍の湯」でした。

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 どちらの浴室もそれぞれに魅力がありますが、「源氏蛍の湯」には通常のドライサウナのほかに、別棟でサウナーに人気の大きな「森のサウナ」があります。「平家蛍の湯」にはドライサウナとミストサウナがあります。

 脱衣して浴室に入りますと、正面に熱めとぬるめがある掛け湯があり、左に水風呂とドライサウナがあります。
 そして、浴室右側に仕切り付きの洗い場があり、ボディソープ、シャンプー、リンスがあります。
 浴室左側の窓沿いに長細い浴槽が奥まで伸びており、奥は岩風呂風になっています。
 右奥には円形の浴槽の「丸太風呂」があり、ここで今回の話題の「日本酒風呂」が開催されています。
 浴室の手前にある出口を出て、37段の階段を下って行きますと、露天風呂があり、木々に囲まれた静かな空気感の中で温泉を楽しむことができます。

 さて、日曜日ということもあり、浴室はかなり混み合っていました。子供連れも多く、平均年齢はかなり若く感じられました。
 大浴槽の湯は、無色透明無臭ですが軽い塩味があります。40~41℃とぬるめでしたが、ゆったりと浸かるうちに温まってきました。

 令和3年3月12日付の分析書によりますと、源泉名は、福寿温泉。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(低張性 アルカリ性 高温泉)。源泉温度 46.8℃、PH 9.0。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 6.9、Na 822.8、K 42.2、NH4 1.9、Mg 0.6、Ca 474.7、Sr 1.7、Ba 0.2、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、An 0.0、F 0.6、Cl 2061、Br 8.9、I 0.9、OH 0.2、HS 0.4、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 130.1、NO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 4.3、HCO3 15.9、CO3 4.4、メタケイ酸 26.4、メタホウ酸 10.1、メタ亜ひ酸 0.0、遊離CO2 0.0、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は3615mg/kgです。
 入浴に適した温度にするため泉温が高い夏季には加水あり、ほかは入浴に適した温度にするため加温あり、温泉資源保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用、イベント時のみジャグジー風呂・丸太風呂は入浴剤を使用することあり、衛生管理のため次亜塩素酸ナトリウム液(有効塩素12%以上)をタイマーで自動注入して消毒を行っているとのことです。

 昨年3月に、定期検査でレジオネラ属菌が検出されて臨時休館し、
4月には、浴室内の掲示では浴槽の温泉水の張り替えが毎日となっていたものが、実際は2週間に1回だったというスキャンダルが発覚して問題となりましたが、その反省から、衛生管理が強化されています。
 現在は、浴槽の完全換水清掃を1週間に1回行い、源泉槽の清掃と源泉系統の配管洗浄を年4回、貯湯槽やろ過循環系統の配管洗浄を年2回実施しているほか、塩素消毒を強化して、残留塩素濃度の管理が徹底されています。
 完全換水が週1回というのは気になりますが、おそらくは湧出量が少なくて、毎日の換水は難しいのでしょうね。

 内湯・露天風呂と楽しんだ後は、サウナも利用しました。内湯内にあるサウナは狭いですし、混雑していましたのでパスしました。
 「森のサウナ」もサウナーで賑わっていましたが、イベント前の空いたタイミングをみて利用しました。
 この「森のサウナ」では熱波師による熱波イベントがあり、担当する熱波師の名前が玄関先に掲示されるほどの人気になっています。

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 熱波イベントの前には、5分前にサウナ室から退去されられ、入場の順番待ちの列に並ぶシステムです。時間前には長い行列ができ、定員を上回ると抽選になります。

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 この熱波イベントの時間帯は若いサウナーたちで賑わって混雑しますが、この時間帯を避ければ、ドライサウナがもう1ヵ所ありますので、比較的混雑が少なく利用しやすいと思います。私もこのタイミングで利用しました。
 まお、この「森のサウナ」では、定期的にサウナストーンに水が垂らされて熱気を発生させるオートロウリュがあり、自分でサウナストーンに水をかけるセルフロウリュも可能なのですが、熱波イベントの開催日は、サウナ室内のコンディション調整のため休止されるのが残念です。

 さて、本題の「日本酒風呂」の話題に移りましょう。前記しましたように、期間中の土曜・日曜の14時と17時に、「丸太風呂」でイベントが開催されます。
 16時50分頃に「丸太風呂」に行きますと、3~4人の客がおられ、空いている場所に私も浸かりました。
 「丸太風呂」は「不感湯」ということで、ぬるめに設定されていますが、この日の湯温計は37.4℃を表示していました。
 浴槽内には酒粕が入った布袋が沈められ、湯は混濁していました。14時にすでに1回目の「日本酒投入ショー」が行われていることもあってか、すでにほのかな日本酒の香りを感じました。
 ぬるい湯にじっくりと浸かり、17時からの「日本酒投入ショー」の開始を待ちましたが、次第に客が増え、イベント開始時には丸い浴槽の円周が、びっしりと客で埋まりました。
 時間となり、係員が一升瓶を持って登場。各客に順に日本酒を振舞いました。両手で日本酒を受け止めて飲む人もいましたが、私は車で来ましたので、両手で受け取った日本酒で顔を洗い、体に塗りつけました。もう一度同様のサービスがあり、余った日本酒は浴槽に投入されました。
 飲んだわけではないので酔っ払うことはないでしょうが、身体が火照るようで、効能が実感されました。日本酒の香りも心地よく、大いに楽しめました。

 そして、洗い場では紙コップに入れられた「酒粕パック」の配布があり、ブツブツ感のある酒粕を身体に塗って楽しみました。
 以前から「泥パック」の配布がありましたが、酒粕ですので、泥以上の有難みを感じました。

 なお、週ごとに使用される酒蔵が異なりますが、今回は「峰乃白梅」で、ロビーで試飲会をやっていました。

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 大いに楽しみ、浴室を後にし、浴室前のソファでひと休みしました。

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 ロビーは混雑していましたが、椅子の空きを見つけてもうひと休み。

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 しばし休憩してクールダウンしました。

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 退館して外に出ますと、日は落ちており、夕焼けの空に、幾重もの飛行機雲が直線を描いていました。

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 木々の間からは、遠く粟ヶ岳が見渡せました。冬とは思えない好天に、心も軽やかに家路に着きました。

 帰り道の途中で車をとめて後方を振り返りますと、夕暮れの中に弥彦山のシルエットがきれいに浮かんでいました。

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 さて、この地元の酒蔵とのコラボイベントは、3月3日(日)まで開催されています。「日本酒投入ショー」と「酒粕パック」の配布は、土曜・日曜の14時と17時ですので、この時間を狙って行かれることをお勧めします。
 車を運転しないのであれば、日本酒の試飲ができますし、「日本酒投入ショー」で日本酒を手にいただいて飲むこともできます。
 日本酒で顔を洗ったりすることなど、通常はできませんので、この機会に是非お楽しみください。

 なお、「じょんのび館」と指定管理者が同じ系列の小千谷市の「ちぢみの里」でも、2月の土日・祝日に「地域と繋がる 日本酒・酒粕風呂」を開催中です。
 小千谷市の2つの酒蔵の日本酒投入や酒粕パックの配布などが行われ、日本酒飲み比べセットや酒粕汁の販売も行われますので、こちらもお楽しみください。