若者で賑わう 「ヴィネスパ」

 新潟市西蒲区の角田山の麓、広大なワイナリーの中にある温泉、それが「ヴィネスパ」です。2009年4月22日の開業以来のファンであり、その変遷を見守ってきました。
 前回の記事にも長々と書きましたが、当初は常連を自認し、毎週のように利用し、過去記事を検索すれば、たくさんの記事が出てくるはずです。
 開業当初の無舗装のアクセス道路は、雨が降れば巨大な水たまりができて、車が泥だらけになったのも懐かしい想い出です。
 そんな思い出深い「ヴィネスパ」ですが、ブックラウンジを併設した温泉施設として生まれ変わり、2022年3月1日にリニューアルオープンしました。
 全国的にも珍しい、個性溢れる魅力的な温泉に生まれ変わったことは素晴しいのですが、2022年8月からは繁忙期特別料金1500円が設定され、それが9月の土日祝日にも延長され、さらに10月からは正式に休日料金1500円が恒常的に設定されました。
 以来行く回数は激減し、たまに平日夜間の割引料金(800円)の時間帯に利用する程度になりました。本当はもっと利用したいのですけれど・・。
 そんな私の思いとは別に、洒落たセレブな雰囲気で、他の日帰り温泉とは一線を画し、独自の路線を確立していることは素晴しいことだと思います。
 と、思い入れが強い温泉だけに、毎回同じようなことをネチネチと前置きに書いてしまいます。申し訳ありません。

 某日の夜、新潟市内某所での会議が終わり、昨年12月以来、久し振りに足を伸ばして「ヴィネスパ」を利用することにしました。
 帰宅への道を変更し、冷たい雨が降る悪天候の中に、国道402号線を進みました。国道からの真っ暗なアクセス道路を進み、薄暗い駐車場に車をとめました。

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 寒風に吹かれながら、急ぎ足で玄関に向かいました。

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 館内に入りますと、セレブな空気感が漂っています。

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 私の前には、若いカップルがおられ、入れ代わりに若い女性グループが退館されるところでした。私のような品のないジジイを拒否するかのような雰囲気を感じましたが、怖じ気づいてはいられません。

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 券売機で入浴券を購入。平日1000円、土日祝日・繁忙期は1500円、平日17時以降の夜間割引は800円です。タオルセットは350円、館内着も350円です。休日料金は高額ですので、私のような者は平日夜を選ばざるを得ません。

 下足箱に靴を入れ、奥の浴室受付へと館内を進みます。
一般の日帰り温泉とは一線を画す落ち着いた雰囲気が魅力です。

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 館内の壁面は書棚で埋まり、図書館の分類に習って、ジャンル毎に配置されています。

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 最奥に浴室の受付があり、入浴券と下足箱の鍵と引き換えに、脱衣場ロッカーの鍵を受け取ります。

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 では、浴室に行きましょう。

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 浴室内は、ほどほどの混みようですが、ほとんどが若者たちで、私が最高齢であることは間違いなさそうです。
 内湯には、掛け湯と大浴槽があるのみです。壁際に仕切り付きの洗い場が8か所あり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

 内湯には「ひすいの湯」と命名された角田山2号源泉(アルカリ性単純温泉)が使用されていますが、湯温計は41.4℃を表示していました。
 一般には適温でしょうが、もう少し熱めが好きです。いつもは無色透明無味無臭の湯なのですが、今回は多少ながら濁りがありました。
 1か所ある注湯口から注がれた加熱源泉が、浴槽の縁からオーバーフローされて、掛け流しなのですが、今回はオーバーフローはほとんどなく、いつものトロトロ・ツルスベ感も乏しく感じられました。今回は湯の鮮度が良くないような印象を受けました。

 外に出ますと、雪交じりの寒風が吹き荒れていました。正面の大露天風呂は若者たちで賑わっており、左手の小露天風呂が空いていましたので、急いで湯に浸かりました。
 湯温計は41.0℃を表示。2か所ある注湯口から高温の加熱源泉が供給され、浴槽の縁に切られた排湯口から掛け流されています。
 「るりの湯」と命名された角田山温泉1号源泉(アルカリ性単純温泉)が使用されています。無色透明無味無臭の湯ですが、内湯より明らかに鮮度が高く感じられました。
 しかし、寒風の中では湯温は低く感じられ、注湯口付近で温まりましたが、温まりはイマイチでした。
 大露天風呂は人が多かったですが、空きを見つけて入り込みました。ここはもともと循環式ですが、小露天風呂より湯温はさらに低く、40℃位でしょうか。
 あたたまり切れませんでしたので、サウナで温まろうと思ったのですが、狭いサウナは、若いサウナーたちに占拠されており、断念しました。

 内湯に戻り、注湯口横に陣取り、加熱源泉を身体に受けて温まりました。目を閉じて無念無想。湯との対話を試みましたが、たまたまなんでしょうが鮮度的にコンディションは良くなく、ちょっと残念に感じました。

 脱衣場の冷水器でのどを潤しましたが、昨年から紙コップ式に変わりました。以前は櫛が置いてあったのですが、なくなって久しくなります。洗面台のドライヤーは無料で、ダイソンの波はまだ来ていません。

 浴室を出てひと休み。中庭の噴水が名物なのですが、噴水は出ていませんでした。

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 たき火のような炎がある場所は、若い女性グループで占拠されていて、その横で休憩しました。

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 その後は2階に上がりました。ここにもたくさんの本があります。

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 2階は無人で、静かなひとときを過ごしました。

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 本を見ながら、リラックス感あふれる時間を過ごせますので、値段分は楽しめそうです。

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 夕食を食べて帰ろうとも思い、食事処のメニューを見ましたが、懐具合を勘案し、断念して退館しました。
 
 いろいろと思うところはありますが、私のような心が貧しい人間は別にして、値段に見合った満足感は得られるものと思います。
 館内にテレビはなく、大広間で湯上がり客がごろ寝しているような温泉とは全く異なります。
 近隣の「だいろの湯」や「じょんのび館」等とはコンセプトが全く異なり、これが魅力であり、ハードルでもあります。
 そのときの気分で、心の余裕のあるときに、ときどきには利用させていただきたいと思います。