値段相応の満足感 花みずき温泉「喜芳」

 先週の日曜日、長岡に行く用事がありましたが、せっかくですので、早めに家を出て、立ち寄り湯することにしました。どこにしようかと思案しましたが、今回は久しぶりに「喜芳」を選びました。
 この温泉は、2002年に源泉が掘削され、施設ができる前の源泉垂れ流し時代からのファンで、2004年11月27日に現施設ができた後も、時々利用させていただき、度々の料金改定やリニューアルなど、その変遷を見守ってきました。この秋で20周年を迎えると思いますと感慨深いですね。

 いつものように、国道116号線で大河津分水を渡り、すぐに左折して、信濃川沿いを進んで与板へ。山沿いの道を進んで三島に入り、快適に「喜芳」に到着しました。昨年の6月以来ですので、9か月ぶりでした。

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 右横にある足湯を覗いてみましたが、冬季の休止期間がまだ明けておらず、湯が張られていませんでした。

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 いつものように、玄関前のカエル(湯喜之助)にお参り。

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 振り返って玄関への階段を上がりました。

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 左手にある下足箱に靴を入れ、鍵と共に受付へ。

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 入館料は、大人は平日850円(17時以降620円)、土日祝日980円(17時以降830円)、子供は平日400円(17時以降300円)、土日祝日500円(17時以降450円)、タオルセット140円、館内着150円 です。営業時間は、平日:10時~21時30分、土日祝日:10時~22時です。

 温泉旅館風の和の空気感が漂う館内を奥に進み、エレベーターで2階に上がりますと浴室があります。

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 右側が男湯です。

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 中に入りますと脱衣場がありますが、ちょっと狭さを感じます。奥に小さな小上りがあり、クールダウンできます。ここに血圧計が置いてあります。
 仕切られた場所に洗面台・化粧台が2列並び、腰掛が置いてあり、高級温泉旅館風です。無料のドライヤーやヘアブラシがあります。

 浴室に入りますと、右に行くと内湯、左に行くと露天風呂に出られるようになっています。
 内湯に入りますと、すぐ右にドライサウナと小さな水風呂があります。その先に小さな掛け湯と洗い場があります。
 浴室はコンパクトなのですが、ガラス壁になっていて、外を見渡すことができ、明るく開放感があります。

 通路を挟んだ左右に仕切り付きの洗い場(一部仕切りなし)があり、ボディソープ、シャンブー、コンディショナー、洗髪ブラシ、角質削りがあります。垢擦りが置いてあり、自由に使えるのはありがたいですね。
 奥の窓際に大浴槽があり、浴槽内の右寄りにある注湯口から源泉が供給されています。その手前にジャグジー付きの小浴槽があります。

 洗身して、大浴槽に浸かりました。淡黄色透明の湯は、加熱・循環されていて、オーバーフローはありませんが、軽いツルスベ感があって、柔らかな浴感です。湯温は42.6℃を表示。ほど良い温度で、気持ち良く浸かりました。
 窓からは田園地帯が一望され、遠く長岡の町並みやその先の山々が見渡せます。注湯口の上に鎮座するカエルを見ながら、しばし湯を楽しみました。

 外に出ますと、右に広い岩露天風呂があり、田園地帯が見渡せて、清々しい気分で湯を楽しめます。ここも加熱・循環されていて、オーバーフローはありません。湯温計は43℃を表示。ほど良い温度で、温まりは良いです。
 1段上がった所に、檜露天風呂があります。浴槽のほか、周囲もすべてが檜造りで、滑りやすいので注意しましょう。
 開業以来時間が経って老朽化しましたが、2022年秋に改修されて新品になり、現在も真新しさが感じられます。
 ここは非加熱源泉が掛け流されていて、浴槽の縁からオーバーフローされています。湯温は私の体感で39~40℃程度と低めですので、ゆったりと湯を楽しむことができました。
 ほかに1人用の陶器露天風呂がありますが、檜露天風呂を十二分に楽しみましたので、今回は利用しませんでした。

 令和3年10月22日付けの分析表によりますと、源泉名は、花みずき温泉。泉質は単純温泉。源泉温度 31.8℃、使用位置 42.0℃、湧出量 42L/分(動力自噴)、PH 8.0 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1>、Na 42.9、K 16.9、NH4 5.5、Mg 2.9、Ca 4.4、Sr 0.1>、Ba 0.1>、Al 0.1>、Mn 0.2、Fe(II) 0.8、Fe(III) 0.1>、F 0.2、Cl 15.6、Br 0.2>、I 0.2、HS 0.1>、S 0.1>、S2O3 0.7、HSO4 5.0>、SO4 5.0>、HCO3 158.3、CO3 0.5、メタケイ酸 135.5、メタホウ酸 0.1>、メタ亜ヒ酸 0.1>、遊離CO2 6.7、遊離H2S 0.1> など、ガス性除く成分総計は384.6mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つため加温、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用(檜露天風呂は放流式)、衛生管理のため塩素系薬剤を使用とのことです。

 浴槽の湯は、淡黄色透明で、ほとんど無味無臭ですが、ごくわずかのツルスベ感を感じます。
 単純温泉の中でも濃度的には薄い源泉で、成分表だけ見ますと、特徴のない源泉を想像してしまいますが、決して単純な温泉ではなく、単純温泉に抱くイメージが覆されるような、柔らかな浴感がある魅力的な泉質です。特に檜風呂は、十分量が
掛け流しされていますので、その魅力をダイレクトに味わえます。

 空いていましたので、今回はサウナも利用しました。最大10人程度の小さめなサウナですが、気持ち良く汗を流しました。

 タイミング良く、各浴槽とも独占入浴することができて、湯と対話し、癒しの時間を堪能しました。最後に檜露天風呂を上がり湯代わりにもう一度楽しみ、浴室を後にしました。

 湯上りといえば、これ。

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 なんと150円!というのは驚きです。温泉旅館料金でしょうか。100円の施設もあるんですけどねえ・・。

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 1階の休憩所でひと休み。

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 ここから見える庭園は、小さいですけれど、落ち着きがあって癒されます。

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 その後は食事処で昼食をいただきました。

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 本日のおすすめメニューがいろいろありました。

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 魅力的なメニューが並んでいましたが、今回は経費削減でこれ。

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 759円という中途半端な値段が面白いですね。熱々の鉄板で、フーフーしながら美味しくいただきました。

 お腹を満たした後は3階に上がりました。

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 ここから見える風景も良いですね。

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 奥に休憩所があり、仮眠したり、TVを見ながらリラックスしたりできます。

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 安楽椅子に座って、しばし休憩しました。

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 ちなみに、以前は各椅子に個別のTVモニターが付いていたのですが、いつのまにか現在の状況になりました。これでも不満はないのですけれど。

 一日ゆっくりと過ごしたいところでしたが、次の予定が迫ってきましたので、ほどほどのところで退館しました。

 休日料金のタオルなし980円は高く感じますが、泉質の良さ、施設の充実度を考えますと、妥当な料金と納得できます。おすすめの温泉です。

 「喜芳」がある長岡市の西部には、寺宝温泉、喜多金輪温泉、青葉温泉、三島谷温泉(廃業)、灰下の湯などがあり、市街地を挟んだ東側には、桂温泉、麻生田観音堂温泉、愛隣温泉、長岡温泉、長岡かまぶろ温泉などがあります。
 中心街からすぐのところに、多数の魅力的な温泉がある長岡市民がうらやましく感じられます。