今どき貴重なワンコイン 「馬下保養センター」

 仕事帰りのひと風呂ですが、ワンパターンな施設を順繰りに巡っていて、新味もなくて申し訳ありませんが、今回は五泉市の「馬下保養センター」です。前回行ったのが今年の1月でしたので、そろそろ良いかなということで記事にしたいと思います。
 
 国道49号線を阿賀野市から会津方面に進み、阿賀野べりに出たところで、ぐるりと回って国道290号線の馬下橋を渡って阿賀野川の対岸へ渡ります。
 左に川沿いを進みますと咲花温泉ですが、そのまま直進し、少し進んで左折して磐越西線の狭い踏切を渡ります。
 集落の中の細道を少し進んで左折、看板に従ってさらに左折して坂道を上ってしばらく進みますと、右手に特別養護老人ホーム「菅名の里」があり、左下に「馬下保養センター」があります。

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 途中の道に、早咲きの桜が何本か咲いていて、春の訪れを実感しました。ソメイヨシノの開花が待ち遠しいですね。

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 ここは国道49号線とは阿賀野川を挟んだ対岸の菅名岳の麓の高台にあり、眼下に阿賀野川が流れています。川の対岸には国道49号線、その奥に磐越自動車道が見渡せて、行きかう車のライトがきれいです。向かいに見える山並みは、五頭連峰の最南端に当たります。

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 4月になって日も長くなり、日没後ではありましたが、明るさがまだ残っていました。

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 玄関を入って左側に下足箱がありますので、空いている場所に入れましょう。鍵なしですので、どこに入れたか忘れませんように。

 入って左手に受付がありますので、料金を払います。入館料は、大人500円、小人250円、タオルなしです。営業時間は9時~20時、休館日は毎月第4水曜日です。
 今回でスタンプカードのポイントが10個たまりましたので、次回は入湯税(150円)のみで利用できます
。なお、毎週火曜日はスタンプが2倍ですので、ねらい目です。

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 長い廊下を奥に進んだ先に男女浴室があります。

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 手前が男湯、奥が女湯です。

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 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠があり、鍵付きロッカーもあります。洗面台には無料のドライヤーがあります。
 脱衣場は無人でしたが、脱衣棚に何人分かの衣類がありましたので、賑わっているようです。

 浴室内に入りますと、先客が4人ほどおられ、出て行く方がおられましたが、入って来る方もあり、最後まで独占しての入浴はできませんでしたので、写真はありません。

 浴室には窓際に大浴槽がひとつあるのみです。大きなガラス窓からは庭が見えますが、その先に塀がありますので、景色は見えません。もっと暗くなりますと、その庭の景色も見えなくなってしまいます。
 大浴槽の左手に注湯口があり、大量の湯が注がれています。それが掛け流されていれば最高なのですが、もちろん循環されており、浴槽の縁からわずかなオーバーフローがあるのみです。タイミングによりますが、そのわずかなオーバーフローもないことが多いです。
 注湯口の左横の石に「健楽の湯」と書かれていますが、健康で楽しくという意味でしょうか。

 浴室の左右の壁沿いに仕切りなしの洗い場が4ヵ所ずつあり、ボディソープ、リンスインシャンプー、固形石鹸があります。
 洗面器と洗い椅子は浴室の手前側に重ねられていますので、使用時は各自が洗い場に持っていき、使用後は元の場所に戻すのがここの暗黙のルールです。

 浴槽の湯は、無色透明で無味。カルキ臭がきついときもありますが、この日はカルキ臭は感じられず無臭でした。
 湯温計は41.7℃を表示していました。トロトロ・ツルスベ感はなく、浴感に特徴はありませんが、さすがに温泉は侮れず、温まりは良いです。

 脱衣場に掲示されている平成27年4月17日付の分析表によりますと、源泉名は馬下温泉。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)、源泉温度29.2℃、使用位置42℃です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.4、Na 386.7、K 4.6、NH4 0.7、Mg 2.7、Ca 320.4、Sr 4.3、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.1、Fe(II) 0.3、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.0、Cl 383.2、Br 1.0、I 0.8、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 1014、HPO4 0.0、HCO3 53.7、CO3 0.0、メタケイ酸 28.5、メタホウ酸 5.4、遊離CO2 0.9、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は2209mg/kgです。
 加水なし、入浴に適した温度に保つため加温、温泉資源の保護と衛生管理のため、ろ過装置を使用し循環、入浴剤使用なし、衛生管理のため塩素系消毒剤を使用とのことです。

 典型的な循環湯であり、温泉としての個性は乏しいと言わざるをえませんが、沸かし湯にはない温泉としての味わいは感じられます。
 混雑するといっても3~4人程度で済みますので、ゆったりと楽しむことができるのが、何よりの魅力です。

 湯上りには、廊下にある冷水器の水をいただき、広間で休憩しました。

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 先客はすぐに出て行かれ、広い広間を独り占めできました。

 ここは、例のふるさと創生事業で掘削された温泉を利用した五泉市の保養施設です。大浴場のほか、休憩用広間や個室、障害者用の特別浴室があり、自炊室がある宿泊棟では宿泊も可能です。以前は食堂も利用できたのですが、2020年2月末で営業をやめてしまいました。
 あくまで公共の保養施設であり、歓楽的要素は全く感じられませんが、単に入浴と休憩を目的とするなら良い施設です。
 昨今の値上げラッシュの中で、500円で利用できるというのは、大きなアドバンテージと言えましょう。

 アクセス道路がわかりにくく、初めての人は心配になるかもしれませんが、1度行ってみますと迷わずに行けると思います。
 国道49号線からもそれほどの距離ではありませんので、立ち寄り湯するにも良いと思います。
 磐越西線・馬下駅からも徒歩15分程度で行けると思いますが、坂道もありますのでご注意ください。