アワアワ・ツルスベ・掛け流し ぬる湯を楽しむ「寺宝温泉」

 長岡市西部の寺宝町にある「寺宝温泉」は、1999年12月21日にオープンして以来のファンであり、その幾多の変遷を見守ってきました。
 当初は、現在駐車場になっている場所に日帰り温泉施設としてオープンし、その後現在の湯治館が建設されました。
 2010年末をもって日帰り温泉施設での営業は終了し、日帰り利用も湯治館を利用するようになり、日帰り温泉の建物は取り壊されました。
 その歴史を振り返りますと、様々な思い出が、走馬灯の様に蘇ります。オープンして今年で25年になりますが、短期間の間に、これほど大きく変遷してきた温泉も珍しいのではないかと思います。
 施設も源泉も変化していますが、変わらないのは、湯量豊富な鮮度の高い源泉が、豪快に掛け流しされていることです。その魅力は、開業以来全く変わっていません。

 先日長岡方面に行く用事があり、帰り道に寄ってきました。しょっちゅう行っているつもりでいましたが、振り返りますと2022年7月以来でした。こんなにもご無沙汰していたとは、自分でも驚いています。

DSC_8482.JPG
 土曜日の夕方ではありましたが、ほどほどの混雑で良かったです。玄関先で、カエルの置物が迎えてくれます。

DSC_8494.JPG
 カエルと言えば、近くにある「喜芳」を思い出しますが、あれほど立派ではありません。

 玄関を入り、右手にある下足箱に靴を入れ、鍵は自分で保管します。

DSC_8493.JPG
 館内に入って、すぐ左にある受付で料金を払います。入浴料金は、大人800円、子供600円で、タオルなしです。平日の17時以降は夜間割引で、大人700円、子供500円になります。営業時間は8時~20時までです。
 この日は土曜日でしたので、夜間割引はありませんでしたが、「温パラ」の割引クーポンを利用して100円引きで入館しました。

 ロビーのすぐ奥に浴室があり、男女交互に使用されますが、基本構造に変わりはありません。今回の男湯は奥の浴室でした。

DSC_8489.JPG
 脱衣場や浴室内は撮影できませんので、中の様子は、以前の記事をご覧下さい。脱衣場には、脱衣棚に脱衣籠。洗面台には無料のドライヤーがあります。

 浴室は非常に狭く、空いた空間は全くありません。中に入りますと、手前の左右に洗い場があり、その先の左右に浴槽があります。2つの浴槽の間のわずかな隙間が露天風呂への通路となっています。
 浴槽には紅茶色の湯が満ちています。右はぬるめで38℃程度、左が熱めで41℃程度で、注湯口から注がれた源泉は、浴槽の縁から掛け流されています。
湯は薄い塩味があり、ツルスベ感があって浴感は素晴しいです。
 洗い場は仕切り付きで、左右2か所ずつ。安価そうな業務用ボディソープとリンスインシャンプーがあります。
 洗い場と浴槽の間には仕切りがありますが、非常に狭くて余裕は全くありません。この洗い場で特筆すべきことは、カランの湯が源泉であること。何とも贅沢ですね。

 そして外には露天風呂があります。手前に岩造りの浴槽があり、底から泡が吹き上がっています。湯温は40℃程度とぬるめで、皆さんゆったりと浸かっておられます。
 奥には桧造りの露天風呂があり、浴槽の底からボゴボゴと湯が供給され、ザバザバと浴槽の縁から掛け流されています。湯温は38℃程度でぬるく、じっくりと湯と対話し、瞑想の時間を過ごせます。
 他に、隣の浴室との境界部に巨石をくりぬいた浴槽があり、左右の浴室の両方に出入り口があり、男女交互に使用されていますが、残念ながら、この日は女湯になっていました。
 また、露天風呂にも洗い場がありますので、内湯が混んでいましたらこちらで洗身できます。

 さて、脱衣場には平成24年4月24日分析の分析表が掲示されていました。
 源泉名は、寺宝温泉 あわの湯。泉質は、ナトリウムー塩化物温泉。源泉温度は、40.7℃、湧出量 330L/分(供給量190L/分)、PH 8.0です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1、Na 1274、K 80.9、NH4 19.1、Mg 9.5、Ca 28.4、Sr 0.3、Ba 0.1、Al <0.1、Mn 0.1、Fe(II) 0.6、Fe(III) <0.1、Cu <0.1、F 0.4、Cl 1863、Br 10.9、I 6.2、HS <0.1、S <0.1、S2O4 <0.1、HSO4 <5.0、SO4 <5.0、HCO3 689.1、CO3 5.2、メタケイ酸 118.9、メタホウ酸 <0.1、遊離CO2 11.6、遊離H2S <0.1 など、ガス性除く成分総計は4110mg/kgです。

 前回来たときには、令和4年4月26日付の最新の分析表が掲示されていました。
 源泉名は、寺宝温泉 あわの湯。泉質は、ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性温泉)。源泉温度は、38.7℃。湧出量 330L/分(動力揚湯)。PH 8.0です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1、Na 1053、K 67.0、NH4 14.1、Mg 6.0、Ca 20.6、Sr 0.2、Ba 0.1、AL 0.1未満、Mn 0.1未満、Fe(II) 0.2、Fe(III) 0.1未満、Cu 0.1未満、F 0.4、Cl 1262、Br 7.5、I 4.1、HS 0.1未満、S 0.1未満、S2O3 0.1未満、HSO4 5.0未満、SO4 5.0未満、HCO3 792.2、CO3 6.0、メタケイ酸 126.2、メタホウ酸 2.4、メタ亜ヒ酸 0.1未満、遊離CO2 13.3、遊離 H2S 0.1未満 など、ガス性除く成分総計は 3362mg/kgです。
 
 現在は、どうしてこの令和4年4月26日付の分析表を掲示していないのかは不明です。いずれにせよ、源泉は、加温はありますが加水なしで、循環・ろ過装置の使用はなく、掛け流しされています。規定により塩素系薬剤による塩素消毒はされていますが、その影響は感じられません。

 各浴槽の湯温についてはこのように掲示されていました。

DSC_8488.JPG
 各浴槽ともぬるく、長時間浸かっていられるのが魅力なのですが、その分浴槽に浸かる客の回転が悪く、タイミングが悪いときには、なかなか空かないという問題もあります。
 
 湯上り後には休憩所で休むことができますが、広くはないですので、先客がおられますと利用しにくいです。

DSC_8492.JPG
 ということで、椅子に座ってのどを潤しました。

DSC_8491.JPG
 飲み干したところで退館しましたが、ちょうど日没時でした。

DSC_8498.JPG
 裏の神社で家内安全と健康を祈願しました。

DSC_8499.JPG
 西側に連なる山並みを望んで深呼吸。眼前の田んぼは耕されており、田植えの準備が進んでいるようでした。春ですねえ・・。

DSC_8500.JPG
 入口にある看板を眺めて「寺宝温泉」を後にしました。与板ー分水経由で、快適なドライブで家に到着できました。