カラフルボール風呂? 鯉のぼり泳ぐ 小須戸温泉「花の湯館」

 GW真っただ中の平日の夜、仕事帰りに立ち寄り湯してきました。どこに行こうか思案しましたが、遠すぎない場所ということで、今回は新潟市秋葉区の小須戸温泉「花の湯館」にしました。

 ここは、合併前の小須戸町が建設した公共日帰り温泉施設で、「こすど温泉健康センター 花の湯館」として、1995年4月にオープンしました。
 低料金で利用できる町営の公共温泉として賑わい、1996年には横に大広間のある建物が増築され、2003年には食堂も作られました。
 2005年3月に新潟市に合併した後は、新潟市直営の「新潟市小須戸温泉健康センター」となり、2008年4月からは、指定管理者に運営委託されました。
 そして、2015年4月に現在の指定管理者(関越サービス)の下でリニューアルオープンして現在に至ります。
 現在の指定管理者は、三条市の「さぎの湯」や小千谷市の「ちぢみの里」も運営しており、新潟市西蒲区の「じょんのび館」も同じ系列の指定管理者が運営しています。
 いずれの施設も、指定管理者が変わってから、これまでの常識にとらわれない斬新な館内に改装され、魅力あるイベントを連続的に開催して、活発な集客活動をしています。
 「花の湯館」も、毎月さまざまなイベントを開催しており、このブログでも度々紹介させていただいております。

 前置きが長くなってしまいましたが、GW中のあわただしい某日の夜、仕事帰りに立ち寄りました。
 新潟市秋葉区の山沿いを南下し、田上町との境界部にある「花の湯館」に到着しました。今年2月に来て以来ですので、3か月ぶりになります。

DSC_8571.JPG
 日没どきではありましたが、空にはまだ明るさが残っていました。小高い丘の上にありますので、駐車場からは新潟平野が一望され、穏やかな弥彦・角田の山並みが、夕暮れの空に映えていました。

DSC_8567.JPG
 薄暗くなった駐車場に渡されたロープに、鯉のぼりが吊るされており、そよ風に揺れていました。子供の日にちなんだイベントのようですね。

DSC_8568.JPG
 では玄関に向かいましょう。

DSC_8572.JPG
 玄関を入りますと、初めての人は、コンパクトな館内に驚かれることと思います。ロビーというほどの広さはありません。

 玄関先で靴を脱ぎ、左手にあるやたらに大きいスチール製下足箱に靴を入れ、券売機で入浴券を購入し、鍵と共に受付に提出しますと、引き換え用の番号札が渡されます。
 料金は、大人600円、小人300円で、タオルセットは200円、館内着200円です。夜間割引がないのが残念ですが、その代わりに平日の17時以降は、スタンプカードのポイントが2個割増しになります。
 この日はサイコロでスタンプカードのポイントがプレゼントされるサイコロポイントデーに当たっていたのですが、出た目は 2 でした。17時以降の割り増し2個がプラスされ、結局スタンプは4個でした。6 が出れば8個もらえたのですが、ついていませんね。もっとも、前回は 1 でしたので 2 でまだ良かったというべきでしょうか。
 今回は、例によって「温パラ」のクーポンを利用して、200円のタオルセットが無料になりました。ありがたいことですね。

DSC_8573.JPG
 さて、狭くて雑然とした館内の中央に2階への階段があり、その階段を挟んで左右に浴室があります。
 右が和風風呂、左が洋風風呂で、男女交互に使用されます。洋風・和風とは言うものの、どこが洋風で、どこが和風なのか良くわからず、基本的に大差はありません。左右対称の配置になっていますが、基本構成に変わりはありません。今回の男湯は左側の浴室でした。

DSC_8574.JPG
 自動ドアを開けて脱衣場に入りますと、コイン返却式のロッカーがありますので、空いている場所を自由に使用します。100円硬貨が必要なのが煩わしいですね。ほかに鍵なしの脱衣棚・脱衣籠もありますが、ロッカーに入れるべきでしょうね。
 洗面台には無料のドライヤーがあり、脱衣場内に牛乳の自販機が置いてあり、湯上りに喉を潤すことができます。
 浴室入り口に置かれた足拭きマットは、先日行った「じょんのび館」と同じ電気式になっていました。

 自動ドアを開けて浴室に入りますと、円形の低温浴層と、それを取り囲むようにして窓沿いに大浴槽があります。
 洗い場は壁際に7ヵ所あり、仕切りなしで、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーが置いてあります。洗い桶はケロリンの黄色い桶です。

 円形浴槽の温度は、37~38℃程度の不感温度で、ゆっくりと浸かれます。大浴槽はジェット付きで、40~41℃程度で、湯温は高くありません。角に注湯
口がありますが、そこからの湯の供給はなく、浴槽の底から加熱源泉が供給されています。典型的な循環湯で、オーバーフローはありません。
 無色透明の湯は、無味ですが、カルキ臭があり、温泉としての特徴は感じられませんが、長く浸かっていますと、沸かし湯以上に温まります。
 GW期間は、こどもの日にちなんでだと思いますが、「カラフルボール風呂」をやっていて、色とりどりのビニール製のボールが浴槽に浮かべられていて、子供たちは喜びそうでした。

DSC_8575.JPG
 以前から黄色いアヒルを多数浮かべた「アヒル風呂」を名物にしていますが、アヒルやボールを入れたところで泉質が変わるわけでもなく、単純に子供へのサービスということでしょう。
 この日は平日の夜でしたので、対象となる子供はいませんでしたが、昔子供だった人も、邪念を廃して素直にボールと戯れましょう。

 浴室の手前側には小さなドライサウナがありますが、全身に絵が描かれている粋な兄さん方が複数おられ、その中に入り込む勇気もなくて遠慮しました。

 外には露天風呂がありますが、2人程度用の大変小さな浴槽です。2人浸かれるとはいえ、他人と2人で、この小さな浴槽に浸かる気にはなれません。
 当然ながら露天風呂も循環式であり、浴槽の底から噴き上がるように加熱源泉が供給されていますが、オーバーフローはありません。内湯よりは温まりは良く感じました。
 塀に囲まれていて外の景色は見えませんが、うっすらと明るさが残る空を眺めて、湯と対話しました。

 私が露天風呂に浸かっている間、私がいる浴槽を挟むように、左右で全身に絵が描かれたお兄さん方が外気浴されていて、サウナ後のクールダウンをしておられました。
 まだお若そうに見えましたが、覚悟を決めて、後戻りできないその道で精進されているものと思います。未来に幸あれと願いながら、湯に浸かっていました。

 さて、平成27年2月9日付の分析書が掲示されていました。
源泉名は大沢温泉。温泉法第2条別表のメタケイ酸の項により規定される温泉ですが、療養泉に該当しないため泉質名は付きません。源泉温度18.9℃、使用位置42.5℃、PH 7.32です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 136.7、K 7.6、NH4 0.5、Mg 5.9、Ca 7.6、Sr 0.0、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.5、Cl 117.6、Br 0.5、I 0.4、OH 0.0、HS 0.4、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 0.0、NO3 0.0、HPO4 0.0、HCO3 214.2、CO3 25.8、メタケイ酸 106.2、メタホウ酸 2.9、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 1.4、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は628.1mg/kgです。
 加水なし、入浴に適した温度に保つため加温、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用、入浴剤等の使用なし、衛生管理のため塩素系薬剤を残留塩素濃度0.2mg/l以上となるよう使用とのことです。

 天然温泉100%ではありますが、循環湯であり、残念ながら温泉としての有難みは薄いと言わざるを得ません。
 特徴がない分、刺激が少なくて、万人に勧められるとも言えましょうか。療養泉ではありませんが、メタケイ酸による保湿効果・美肌効果もあるかもしれません。泉質を論じるより、温泉に浸かったという自己満足感が何よりも大切だと思います。

 湯上りには2階で休憩しましょう。

DSC_8581.JPG
 「温泉カフェわかば」という食事処がありますが、今回は利用しませんでした。

DSC_8576.JPG
 奥に広間がありますが、「学校の休み時間」をコンセプトとしています。いかにもこの指定管理者らしいですね。

DSC_8577.JPG
 湯上りにはもちろんこれをいただきました。

DSC_8578.JPG
 コインロッカーで返却された100円硬貨を使用できてちょうど良いです。「さくらんど温泉」は最近100円から120円に値上げして残念に思っていましたが、ここは100円を維持してくれていてありがたいです。このまま値上げしないことを祈ります。

 館内には大きな鯉のぼりが上から吊るされていて、こどもの日の演出をしていました。

DSC_8579.JPG
 今回は平日の夜で、子供はひとりもいませんでしたが、連休中は賑わうことでしょう。しばし休憩して退館しました。

DSC_8583.JPG
 外はすっかり暗くなっていましたが、イルミネーションがきれいでした。

DSC_8582.JPG
 日は長くなり、夕暮れの明るさわずかに残る中に、鯉のぼりがたなびいていました。

 「カラフルボール風呂」のほかに、5月5日には「しょうぶ湯」も行われます。鯉のぼりもありますし、連休中こどもたちは喜んでくれることでしょう。