掛け流しを堪能 咲花温泉「柳水園」

 仕事帰りのひと風呂。今回は久しぶりに五泉市の咲花温泉「柳水園」に行ってきました。前回利用したのは1月でしたので4か月ぶりになります。
 早めに仕事を終えて、国道49号線から馬下橋で阿賀野川を渡り、左折して川沿いを進み、18時半頃に咲花温泉入りしました。日は随分と長くなり、明るさが残っていました。

 温泉街入り口にある「望川閣」を過ぎた先の右手に「柳水園」への細い坂道がありますので、ここを上って行きます。

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 駐車場と言いますか、無舗装の広場がありますので車をとめます。

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 玄関に向かいます。

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 玄関先に料金値上げの掲示がありました。

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 入浴料は、4月8日から値上げされて、大人500円だったものが600円になりました。6枚で3000円の回数券もあります。入浴時間は、9時から20時30分までです。

 靴を脱いで、スリッパに履き替えて入館します。

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 右の部屋から女将さんが出て来られましたので、料金を払いました。値上げしちゃったんですねと、思わず言ってしまった自分の心の狭さを恥じております。
 左には、作家の尾崎士郎の書による「柳水園」の額が飾られています。ちなみに「柳水園」という館名は、尾崎士郎が命名したそうです。

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 廊下を奥に進みます。

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 ステンレスの洗面器が並ぶ洗面台の奥に男女浴室があります。

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 手前が男湯、奥が女湯で、観葉植物に「男湯」という札が下げられています。

 戸を開けて、3段降りたところが脱衣場です。

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 小さな洗面台にはドライヤーがあります。そして脱衣棚に脱衣籠が12か所あります。

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 非常に狭い浴室には、先客が3人おられました。洗身している間に、1人が出て行かれましたが、それでも小さな浴槽に2人浸かっておられました。
 そのうち、1人が浴槽から出て、縁で休んでおられましたので、そのタイミングで「おじゃまします」と浴槽に浸かりました。

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 2畳ほどの小さな浴槽で、注湯口から注がれた湯は、浴槽の縁からそのままオーバーフローされる正真正銘の掛け流しです。
 湯色はいつもより薄く、極わずか緑ががっている程度でした。硫化水素臭もいつもより薄く、ほとんど無臭で無味でした。

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 湯温は、私の体感で43~44℃程度はあり、かなり熱めで、身体にキシキシと滲みてくる感覚が気持ち良かったです。

 洗い場には、ボディソープとリンスインシャンプーがありますが、シャワーの出は良くありません。

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 ケロリンの洗い桶がたくさん置いてあります。

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 熱い湯と対話しながら、鮮度が高い極上の湯の掛け流しを堪能しました。浴槽に浸かったり出たりを繰り返し、湯を存分に楽しみ、頭がボーっとなってきたところで退室しました。

 さて、平成26年10月26日付けの分析表によりますと、源泉名は,咲花温泉6号。泉質は、含硫黄-ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。源泉温度 48.3℃、使用位置 46.3℃で、PHの記載はありませんでした。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 233.1、K 7.0、NH4 0.8、Mg 0.8、Ca 75.7、Sr 1.2、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.7、Cl 286.4、Br 0.9、I 0.4、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 20.5、HSO4 0.0、S2O3 7.6、SO4 281.7、HPO4 0.2、HCO3 45.2、CO3 0.0、メタケイ酸 55.5、メタホウ酸 3.4、遊離CO2 2.5、遊離H2S 3.7 など、ガス性除く成分総計は、1022mg/kgです。
 加水なし、加温なし、循環ろ過なし、入浴剤の使用なし、温泉の入れ替えを毎日行っており消毒剤の使用なし、浴槽は毎日換水し浴室は毎日清掃、レジオネラ属菌と大腸菌群の検査を年1回以上実施とのことです。

 硫化水素イオンが20.5mg/kg、チオ硫酸イオンが7.6mg/kg、遊離硫化水素が3.7mg/kgと硫黄分は多く、月岡温泉や多宝温泉には遠く及ばないものの、県内でも屈指の硫黄泉といえます。
 今回は硫黄分をあまり感じませんでしたが、非加水・非加熱・非循環・非消毒の生の源泉をそのまま味わえるというのは素晴らしく、透明感の高さは鮮度の高さを如実に示しています。
 
 浴室は朽ち果てて、壁はボロボロです。これを汚いとみるか、風情と感じるかはあなた次第です。私は魅力に感じますが・・。
 設備の貧弱さや古さは別にして、純粋に咲花温泉の湯を楽しむなら、やっぱり「柳水園」がベストであることは間違いありません。

 噴き出る汗をタオルで拭きながら退館し、人の気配が感じられない静かな咲花温泉を後にしました。

 7時を過ぎて周囲は暗くなっていましたが、西の空は夕焼けの名残で、赤く染まっていました。

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 素晴らしい湯を楽しみ、幸せな気分で新潟市へと車を進めました。