掛け流しを楽しむ 「さくらの湯」

 先日の夜、出張からの帰り道に、弥彦村の「さくらの湯」に立ち寄り湯してきました。前回利用したのは寒風吹き荒れる1月でしたので、4か月ぶりです。

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 玄関先の「いらっしゃいませ」の看板が迎えてくれます。

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 玄関を入り、下足箱に靴を入れて受付へ。

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 料金はタオルセット・館内着付きで、大人1150円、小人650円です。平日17時以降の夜間割引は、タオルセット付で大人700円、小人450円と格安です。
 毎回受付時に岩盤浴の利用を尋ねられますが、私はまだ利用したことがありません。温浴だけで十分満足できますので、必要性は感じません。
 通常料金の1150円は、当初は高く感じましたが、昨今の値上げラッシュの中にあっては、館内着付きで、女性は浴衣の柄も選べて温泉旅館気分を味わえることを考えますと、妥当な値段と言えましょう。
 そして、平日17時からの夜間割引のタオルセット付で700円という料金は、昨今の値上げラッシュの中では格安です。

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 奥の浴室に向かいます。手前が女湯、奥が男湯です。そして向かいの左側に岩盤浴があります。

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 脱衣場にはたくさんの木製ロッカーがあります。増築されて入り組んだ脱衣場になっています。
 洗面台には無料のドライヤー、ヘアブラシ、整髪料等が揃っています。ドライヤーが有料化されていないのは良いですね。

 浴室に入りますと、すぐに掛け湯があり、右に洗い場、左にサウナ、小さな丸い水風呂が2つ、替わり湯浴槽(今は水風呂になっています)があり、中央に腰掛け湯、そして奥に、大浴槽と小浴槽があります。
 まずは、洗い場で洗身しましょう。洗い場は、仕切り付きが10ヵ所、仕切りなしが7ヵ所あり、PHOENIXブランドのボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。ほかに、サウナーの皆様用にクールタイプのボディソープ、リンスインシャンプーもあります。
 また、垢擦りが置いてあるのはありがたいです。最近垢擦りを置いている施設はほとんどなくなりましたものねえ・・。

 身体を清めた後は、温泉を楽しみましょう。大浴槽は、中央に金属のバーがあるのが特徴です。湯温は41~42℃程度でした。小浴槽は若干ぬるめで、40℃位でしょうか。
 湯色はそのときのコンディションで変化しますが、今回は極わずか緑がかっていましたが、ほぼ無色透明で、かすかな硫化水素臭があり、なめるとほどよい塩味と硫黄味がしました。
 2つの浴槽とも、注湯口から注がれた湯は、窓側の浴槽の縁から掛け流されています。浴槽の大きさに比して、注湯量は十分であり、湯の鮮度は抜群です。

 内湯を楽しんだ後は、露天風呂に移動しました。多彩な浴槽がありますが、軒下にある浴槽が一番鮮度が良く感じられます。奥の注湯口から大量に注がれた源泉は、手前の浴槽の縁から掛け流されています。
 そのほか、浅めの浴槽、深い立ち湯、屋根の下の浴槽、寝湯等が効率良く配置されており、湯は寝湯の外側からオーバーフローされています。ほかに、屋根のない所に壺湯が3つあります。
 各浴槽を順に楽しみました。寝湯には、当初は枕用の丸太がひとつありましたが、位置が上過ぎて、枕の用をなさず、その後その下に細い丸太が設置されて、寝湯として使えるようになりました。
 ちょうど同じ時期に、寺泊の「太古の湯」がオープンしましたが、そこの寝湯の丸太も同じく枕の用をなさず、寝るために苦労しました。「さくらの湯」はすぐに改善されたのに比して、「太古の湯」は改修されることなく閉館してしまいました。などと、寝湯を楽しみながら、昔を思い起こしていました。
 この日は、変な客がいて、壺湯のお湯を一生懸命に掻き出している人がいました。挙動不審で、遠くから見ていました。

 サウナも楽しみましたが、「黙浴」しましょうという大きな張り紙があるにも関わらず、大きな声で話をしている爺さんがおられ、いたたまれず、睨み付けて退室しましたが、何にも思ってないでしょうね。
 コロナがどうこうということでなく、狭いサウナ室内で賑やかに話をされますと、うるさくて、気が散ってしまいますから。

 内湯をもう一度楽しんで浴室を後にしましたが、湯上がりの汗が止まらないで困りました。温泉のパワーは素晴らしいですね。

 平成5年7月31日付の分析書によりますと、源泉名は、やひこ桜井郷。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度 44.5℃、湧出量 394L/分(動力揚湯)、PH 8.2。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 812.6、K 13.2、NH4 0.6、Mg 3.3、Ca 226.0、Sr 5.9、Ba 1.5、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.2、Cl 1599、Br 6.0、I 0.4、OH 0.0、HS 6.5、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 80.5、NO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 3.0、HCO3 43.4、CO3 3.0、メタケイ酸 33.8、メタホウ酸 17.6、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 0.6、遊離H2S 0.4 など、ガス性除く成分総計は2858mg/kgです。
 加水なし、入浴に適した温度を保つため一部加温、衛生管理のため一部循環、衛生管理のため塩素系薬剤を使用とのことです。

 噴き出る汗をバスタオルで拭きながら、浴室横のクールルームでひと休み。

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 男女浴室の間に、テレビ付きの狭い休憩場所があり、立派なマッサージ椅子が並んでいますが、利用したことがありません。

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 奥に行って、足湯を覗いてみましたが、利用客は誰もいませんでした。

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 以前は足湯用のタオルがあったのですが、やめてしまったのは残念です。衛生管理というよりは経費削減なんでしょうが。

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 そして、いつものように、広間にある給茶器でのどを潤しました。

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 ここのお茶は濃くて美味しいです。

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 広間はガラガラで、独り占めでした。

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 そして、リラックスルームへ移動。

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 安楽椅子に座って休みながら、この原稿を書いていました。

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 気が付きますと夜もすっかりとふけましたので、あわてて退館しました。

 なお、6月17日(月)~20日(木)の4日間、館内施設点検のため休館になりますので、ご注意下さい。

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 充実した浴室・浴槽で、内湯・露天風呂とも良質な源泉が掛け流しで楽しめるのは大きな魅力です。館内設備も整っており、ゆったりと休息できます。
 いわゆる館内着でなく、浴衣で温泉旅館気分を味わえて、料金分は十分に楽しめるものと思います。
 新潟県内でも最高水準の日帰り温泉であり、これからも利用させていただきたいと思います。