ついに更地に 「ソルト・スパ潮風」

 柏崎の中心市街地の海岸部にある日帰り温泉「ソルト・スパ潮風」は、柏崎市が約8千万円をかけて温泉を掘削し、市から温泉設備の無償貸与を受けた第三セクターの柏崎潮風温泉の運営により1996年にオープンしました。

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 その館名の通り、濃厚な強塩泉が魅力であり、各種浴槽やサウナ、食事処など施設も充実していました。
 ちょうど私の柏崎での単身赴任生活と重なり、私の温泉ライフの原点というべき施設で、ホームページでの紹介記事の整理番号1番はここです。
 当時は夜8時から夜間割引をやっていて、8時の時報と共に入館していたことを懐かしく思い出します。

 2001年度には14万5千人の利用があったそうですが、2004年10月の中越地震のほか、2007年7月の中越沖地震後の長期休業が転機となり、利用各数の減少が続きました。
 その後も2011年の東日本大震災等による社会情勢の変化、燃料費高騰、施設の老朽化などもあって経営不振に陥り、2012年7月から料金体系の改訂、夜間割引の廃止などで乗り切っていましたが限界となりました。
 柏崎市からの支援も受けられず、2013年2月18日付で、柏崎潮風温泉は新潟地裁長岡支部に民事再生法を申請して受理されました。負債総額は約3億8千万円とのことでした。

 その後は営業を続けながら、再生手続きのもとで会社再建を図り、2016年には再生手続きが終了しました。
 しかし、2017年度の利用客は9万7千人にまで減少し、老朽化した施設の維持費も経営を圧迫し、2019年2月20日、突然休館してしまいました。

 その後2019年5月に、柏崎市内でタクシーや貸し切りバス事業を営む柏崎交通(当時は柏崎タクシー)が事業譲渡を受け、内部の改装工事を進めるなど、営業再開の準備を進めていましたが、新型コロナウイルスの感染の拡大もあって、営業再開できないままでいました。
 そして、2022年3月16日に開催された柏崎交通の取締役会で営業再開を断念することが決議されました。
 その後売却先を探しましたが契約には至らす、建物の解体と土地の市への返却をすることになり、その方針が2023年11月13日の柏崎市議会産業建設委員協議会で報告されました。

 その後どうなったのかと心配していましたが、今年3月に柏崎に行ったときは建物はそのままでしたが、その後に解体されて更地になったとの情報を掲示板にいただき、先日柏崎に行ったときに見てきました。

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 情報通りに、建物は跡形もなく更地になっていました。隅ではまだ重機が活動していましたので、解体・整地工事が行われたのは最近のことのようでした。

 バス停だけが残っていて、それが寂しさを助長していました。この土地は柏崎市へ返還されましたが、今後どう利用されるのかの情報はありません。
 また、源泉がどうなったのかの情報もありません。せっかくの源泉ですので、有効活用していただきたいと、部外者は勝手に思っています。