安さで選ぶなら 「てまりの湯」

 燕市の国上山の麓にある「道の駅 国上」の奥の高台に、日帰り温泉「てまりの湯」があり、低料金で利用できるのが魅力です。
 もともとは、合併して燕市になる前の分水町と吉田町が共同で建設した温泉保養施設の「ふれあいパーク てまりの湯」であり、左隣の「国上地区農村環境改善センター」を休憩所として利用し、一体化して運営されて親しまれていました。
 2006年3月に合併して燕市になった後は、燕市の公共日帰り温泉となり、老朽化に伴って2008年8月25日から改修工事が行われて、露天風呂も増設され、12月23日にリニューアルオープンしました。
 その後、2022年7月から「道の駅 国上」と「てまりの湯」を含む周辺施設全体が新しい指定管理者を迎えてリニューアルされ、「てまりの湯」も基本構造は変わらないものの、こぎれいになり、現在に至ります。
 道の駅の裏の足湯「酒呑童子の湯」は、道の駅の利用のついでに立ち寄ることが多いのですが、「てまりの湯」を利用する機会は少なく、2023年7月以来ですので、1年近くもご無沙汰していました。

 ということで、某日の夕方、久しぶりに立ち寄りました。

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 道の駅の裏の高台にありますが、施設前の駐車場は満車でしたので、道の駅の駐車場に車をとめて、坂道を歩いて行きました。
 高台にありますので、ここから道の駅と関連施設全体を見渡すことができ、遠く新潟平野を囲む粟ヶ岳~守門岳を遠望することができます。

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 左の大きな建物が休憩所として利用されている「国上地区農村環境改善センター」です。補助金の出所からこういう施設名になっているのでしょうね。

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 正面にあるのが「てまりの湯」です。

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 玄関を入り、下足箱に靴を入れて入館します。

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 中に入りますと、販売物品で雑然としたロビーの奥に受付があります。

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 受付左にある券売機で入浴券を購入。

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 料金は、大人500円、小中学生300円で、17時以降は、大人300円、小中学生100円です。タオルセットは200円、タオル・館内着セットは300円です。

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 下足箱の鍵と入浴券を受付に出しますと、鍵と引き換え用の番号札が渡されます。
 なお、ポイントカードをやっていて、スタンプ10個で1回無料だったのですが、今年の3月で廃止されてしまいました。

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 浴室は男女は固定されており、受付のすぐ左に男湯があり、廊下を歩いた先に女湯があります。

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 脱衣場には鍵付きロッカーがありますので、空いている場所を自由に使用します。洗面台には無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、正面に円形の浴槽、窓際にジャグジー付きの大浴槽があります。左手に仕切り付きの洗い場が6か所あり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。
 右手にはシャワーが1か所、その奥に掛け湯、そして小さなドライサウナがあります。
 さらに、右奥に入ったところに仕切り付きの洗い場が5か所あり、狭い通路を通って外に出ますと、塀にギリギリの非常に狭い露天風呂があります。

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 さて、内湯の円形浴槽は、当初は大浴槽とは別の源泉が使用されていましたが、その後その源泉が温泉の基準を満たさなくなり、地下水として使用されています。

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 大浴槽と露天風呂に源泉が使用されていますが、無色透明無味で、カルキ臭を感じます。

 浴室内はかなりの混雑で、浴槽に空きを見つけて湯に浸かりましたが、リラックスはできませんでした。
 露天風呂も同様で、何とか浴槽に浸かりはしましたが、入浴待ちの人もいましたので、長湯はせずに退散しました。
 塀の上から見える国上山は穏やかであり、軒先に多数吊るされたガラスの風鈴が風流でした。

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 平成27年6月9日付の分析表によりますと、源泉名は、長崎温泉。泉質は、単純硫黄冷鉱泉(低帳性弱アルカリ性冷鉱泉)、源泉温度 20.8℃、湧出量 50L/分(動力揚湯)、PH 8.2 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、LI 0.0、Na 243.9、K 1.4、NH4 2.2、Mg 2.6、Ca 34.2、Sr 0.4、Ba 0.4、Al 0.0、MN 0.0、Fe(II) 0.3、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.6、Cl 390.3、Br 1.4、I 0.6、NO3 0.0、NO3 0.0、HS 1.2、HSO4 0.0、S2O3 4.0、SO4 2.9、HPO4 0.0、HCO3 78.7、CO3 3.0、メタケイ酸 31.1、メタホウ酸 7.4、遊離CO2 0.3、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は807.6mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つために加温、浴槽内の温度を一定に保つため及び浴槽内の不純物を取り除くため濾過循環装置を利用、常に一定量の源泉をかけ流し(オーバーフロー)し、衛生管理のため塩素系薬剤を使用、自動滅菌装置により常時消毒、営業時間終了後に毎日換水、営業時間終了後に浴槽、浴室の清掃を実施、配管清掃、濾過器消毒は休館日に実施、レジオネラ菌、大腸菌等の検査は年2回自主検査との掲示があります。
 新源泉の投入分はオーバーフローがあるはずですが、注湯口からは循環湯が大量に供給されているものの、オーバーフローはありませんでした。
 硫黄分を含むのですが、加熱・循環ろ過されて塩素消毒された湯は、残念ながら硫黄泉の面影は感じられませんでした。
 足湯の「酒呑童子の湯」では、非加熱源泉が掛け流しされていて、しっかりと硫黄泉を感じ取ることができるだけに、ちょっと残念に思います。

 小さなサウナは混雑していましたので利用せず、ほどほどの満足度で浴室を後にしました。

 玄関ロビーの奥に食堂があり、魅力的なメニューが並んでいましたが利用しませんでした。
 左奥に進んで、隣の「国上地区農村環境改善センター」に移動しました。

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 1階に広間がありますが先客がおられましたので、2階に上がりました。ここにステージ付きの大広間(多目的ホール)がありますが、無人で貸し切り状態でした。

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 冷房の効いた大広間を独り占めして温泉で火照った身体をクールダウンしました。

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 この広間には、子供の遊び場やハンモックはあったりして、家族連れには良いですね。ただし飲食物の持ち込みはできませんので、自販機の飲み物か、食堂を利用せよということのようです。

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 2階のロビーでも休憩しました。

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 この窓から酒呑童子神社の五重塔が見えました。

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 しばし休息しましたが、私がいる間にほかの客は全く来られず、貸し切り状態で申し訳なく思えてしまいました。

 帰りに、すでに営業が終了した「酒呑童子の湯」を覗いてみました。

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 源泉をすくってみますと、硫化水素臭が感じられ、なめてみますと、しっかりと卵味(硫黄味)がしました。

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 この足湯に全身浸かってみたいと感じるのは私だけでしょうか。やっぱり、私くらいでしょうね。