眺め最高! 岩室温泉「めんめん亭わたや」

 岩室温泉では、毎年ほたるが舞うこの時期に「冬妻ほたる祭りが開催されていますが、今年は6月22日(土)~7月7日(日)まで開催中です
 この期間中に「湯めぐりパスポート」(2回分1200円)が発売されており、参加施設は「ゆもとや」「濱松屋」「穂々-hoho-」「松屋」「わたや」「だいろの湯」の6館です。
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 パスポートは、参加各旅館の他に「いわむろや」で販売されています。当日の入浴の可否や利用時間は、各施設に確認する必要がありますので、ご利用の際にはご注意下さい。

 このパスポートは、通常は立ち寄り入浴できない旅館も利用できるのが魅力です。通常でも立ち寄り湯可能な施設でも、通常料金が「ゆもとや」は1000円、「穂々-hoho-」は1100円ですし、日帰り温泉の「だいろの湯」は990円ですので、2回分で1200円はかなりお得と言えましょう。
 これまでも度々利用させていただきましたが、せっかくの機会ですので、今年も利用させていただくことにしました。

 与えられたルーチンワークを終えて、某所で安価な昼食を摂り、岩室温泉に到着。「いわむろや」で小休止し、どこを攻めようかと作戦を練り、参加施設に電話を掛けました。
 私が一番好きな「松屋」は、浴室の貸し切り利用が原則ですので予約が必要なのですが、今回は混んでいるとのことでしたので断念しました。
 その代わりとして、すぐに利用可能だった「めんめん亭わたや」を利用することにしました。前回利用したのが2019年6月でしたので、5年ぶりになります。

 岩室温泉街の道路沿いにある「わたや」に到着。向かいは「富士屋」です。

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 正面から見ますと2階建ての小さな旅館にしか見えませんが、奥に5階建ての建物が隠れています。

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 玄関を入り、靴を脱いで入館。

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 フロントのお姉さんにパスポートを渡して、1回分を切り離し、奥の本館へと向かいました。利用時間は14時までとのことでしたので、利用される方はご注意下さい。
 少し下り坂になった廊下を奥に進み、エレベーターで最上階の5階に上がりました。エレベーターを降りますと、木彫りの像(良寛?)が迎えてくれます。

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 エレベーター前の窓からは、岩室温泉街と、その向こうに角田山が眺望されて、眺めは抜群です。

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 浴室は、右が女湯、左が男湯で、その隣に湯上りの休憩所があります。男女浴室間にある立派な時計が目を引きます。

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 浴室には先客がおられましたが、私と入れ違いに出て行かれましたので、以後浴室を独占することができました。

 脱衣場には、脱衣棚に脱衣籠のほか、貴重品入れもあります。

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 洗面台には、ドライヤー、整髪料、ヘアブラシ、剃刀など、温泉旅館として必要十分な備品が揃っています。

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 浴室に入りますと、広くはなく、大浴槽がひとつあるだけですが、大きなガラス窓で、明るく解放感があります。

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 洗い場は仕切り付で、4+3ヵ所。ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

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 浴槽には、微白濁した湯が満ちています。注湯口からは大量の湯が注がれていますが、オーバーフローはなく、循環されています。

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 湯温は41~42℃程度で良く温まりました。自己責任でなめますと、ほどよい塩味があります。

 そして、外には小さな露天風呂があります。

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 浴槽には白濁した湯が満ちており、注湯口から注がれた湯は、少量ではありますが、排湯口からオーバーフローがありました。

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 白濁していることもあり、気分的には内湯より楽しめました。

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 浴室は5階にありますので、眺めは抜群です。左側に多宝山、右に岩室富士と称される松岳山(松ヶ岳)が見えます。

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 別方向を見ますと、五頭連峰~菅名岳~白山~粟ヶ岳~守門岳と、越後平野を取り囲む山々が一望されます。

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 眺めの良さは、5階に展望大浴場がある「富士屋」と並んで、岩室温泉随一と思われます。

 さて、「わたや」は「だいろの湯」の姉妹館ということもあり、「だいろの湯」の3号源泉と岩室温泉の源泉を混合した独自の源泉が使用されています。
 供給量が限られる岩室温泉の源泉を補うために、湯量豊富な「だいろの湯」の3号源泉を混合使用するというのは、岩室温泉本来の魅力を味わうことはできなくなりますが、次善の策としては良いアイデアですね。

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 岩室温泉組合に属しており、玄関に岩室温泉の「黒湯」ののぼりも立てられていますが、純粋な岩室温泉ではなく、岩室温泉と多宝温泉とのハイブリッドと言えましょう。

 平成27年3月31日付の分析書によりますと、源泉名は、わたやの湯(多宝温泉だいろの湯3号源泉と岩室4号源泉の混合泉)。泉質は、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(等張性アルカリ性温泉)。源泉温度41.0℃。PH 8.5。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 2231、K 24.3、NH4 11.6、Mg 5.2、Ca 857.5、Sr 8.63、Ba 2.0、Al 0.02、Mn 0.2、Fe(II) 0.2、F 1.6、Cl 4982、Br 17.0、I 0.6、HS 8.4、S2O3 15.4、SO4 47.3、HCO3 50.7、CO3 6.0、メタケイ酸 34.8、メタホウ酸 64.2、遊離H2S 0.3 など、ガス性除く成分総計は8369mg/kgです。
 加水なし、適温に保つため加温、掛け流しを行いながら衛生管理と適温に保つため循環ろ過実施、入浴剤使用なし、衛生管理のため次亜塩素酸ソーダを注入と掲示されていました。
 源泉掛け流しの浴槽付きの客室が4部屋あるそうですが、いつか利用してみたいですね。

 湯上りには、浴室前にある給水器で冷水をいただいて喉を潤しました。

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 浴室の隣に休憩所があり、ひと休みできます。

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 ここにはたくさんの本があります。

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 この原稿を書きながら、しばし休息しましした。

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 汗が引いたところで退館しました。

 ここは独自源泉の魅力のほか、浴室からの眺めの良さが泉質以上の魅力だと思われます。岩室温泉本来の「黒湯」は楽しめませんが、お勧めの宿です。一度はゆっくりと泊まってみたいですね。