久しぶりの 「加茂七谷温泉 美人の湯」

 梅雨空が続く某日、久しぶりに加茂市の「加茂七谷温泉 美人の湯」に行ってきました。
 2002年11月のオープン以来の長いお付き合いであり、度重なる源泉トラブルや存続の危機など、波瀾万丈なその変遷を見届けてきました。結果として、このブログの登場回数も多くなっていますが、前回行ったのは、ハニカムサウナが導入された直後の昨年10月でしたので、9か月もご無沙汰してしまいました。

 加茂市街から加茂川沿いに進んでいきます。本来であれば粟ヶ岳の雄姿を望みながら車を進めるところなのですが、残念ながら雨が降って視界不良でした。

 国道290号線から分かれて直進し、しばらく進みますと、右手に「美人の湯」があります。

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 小雨が降る中、玄関へと駆け足しました。

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 館内に入りますと、公共日帰り温泉らしからぬ豪華さを感じます。太い円柱が立ち並ぶ2階吹き抜けの廊下には、何度来ても圧倒されます。

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 下足箱に靴を入れ、受付で鍵とともに料金を払います。2023年5月の連休明けから料金改定されて、大人800円、小人300円、平日17時以降は大人600円、小人200円になり、タオルセット150円、館内着150円となりました。

 ロッカーキーを受け取って、奥の浴室へと向かいます。

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 男女交互で使用されますが、今回の男湯は奥の浴室でした。二つの浴室は左右対象形で基本構造は同じですが、浴槽の形に違いがあり、手前の浴室の浴槽は曲線ですが、奥の浴室の浴槽は直線でデザインされています。

 脱衣場に入りますと、スチール製ロッカーが多数並び、
洗面台には、無料のドライヤーが5台あるほか、5分100円の赤いダイソンドライヤーが1台あります。ヘアブラシがあるのは良いですね。

 浴室に入りますと、掛け湯、小浴槽が2つ(そのうち手前側は水風呂)あり、奥にL字型の大浴槽があります。大浴槽の角の部分の浴槽の中に柱があり、そこに注湯口が設けられています。浴槽の左端は浅くなっていて、寝湯として使用できます。浴槽の外側は一面ガラス張りで、外の景色が見えて開放感があります。

 洗い場は、仕切り付きが10か所、仕切りなしが12か所あり、PHENIXブランドのボディソープ、シャンプー、リンスがあります。そのほかにシャワーが2か所あります。

 大浴槽の角の注湯口前がお気に入りの場所で、そこでゆっくりと湯に浸かりました。湯温はぬるめで、41℃程度でしょうか。
 ほぼ無色透明の湯は、塩味がしますが、本来の源泉をかなり希釈しているものと思います。それでもツルスベ感のある湯は、浴感も良く、湯と対話しました。

 外に出ますと露天風呂があり、天気が良ければ、粟ヶ岳の雄姿を望みながらの入浴を楽しめるのですが、雨雲に隠れて何も見えませんでした。

 この露天風呂の庭先に、昨年10月に設置されたハニカムサウナがあります。6角形のユニット型で、基礎工事が終わった後に、完成された状態で搬入・設置されたものと推測します。
 階段を上がって中に入りますと、奥にガラス窓があり、その前に円筒形のサウナストーブがあり、サウナストーンが積まれています。
 片側に4人ずつ、計8人程度が利用できる大きさです。室温計は90℃を表示していました。タイミング良く空いていて、独り占めで楽しみました。

 これとは別に、内湯にスチームサウナがあり、こちらの室温は50℃でしたが、スチームが立ちこめて温まりは良かったです。「じょんのび館」のように座面の底上げをすると体感温度が上がって、もっと楽しめるものと思います。

 内湯、露天風呂と入浴を楽しみ、ドライサウナにミストサウナと、十分に楽しんで、浴室を後にしました。

 平成29年3月9日付けの分析表によりますと、源泉名は、加茂美人の湯(源泉100%)。泉質は、含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物強塩・炭酸水素塩冷鉱泉(高張性中性冷鉱泉)。源泉温度22.1℃、湧出量6.0L/分(自然湧出)、pH6.8。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.7、Na 9409、K 129.3、NH4 12.2、Mg 18.8、Ca 388.0、Sr 10.3、Ba 0.8、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 1.9、Cu 0.0、Zn 0.0、F 12.1、Cl 12150、Br 47.8、I 4.5、NO2 0.0、NO3 0.1、HS 1.2、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 332.3、HPO4 0.0、HCO3 5370、メタケイ酸 10.6、メタホウ酸 41.4、遊離CO2 1134、遊離H2S 1.7 など、ガス性除く成分総計は27941mg/kgです。
 スケールを防止するため、高濃度の温泉を肌にやさしいマイルドなものにするため、高濃度の温泉なので機器の保全等のため、必要な加水を実施。入浴に適した温度に保つため加温を実施。衛生管理のため循環ろ過装置を使用。衛生管理のため塩素系薬剤を使用。とのことです。
 なお、毎回書いていますが、硫化水素イオンが1.2mg/kg、遊離硫化水素が1.7mg/kgあり、総硫黄を概算しますと、2.76mg/kgと硫黄泉の基準の2mg/kgを超えますので、正確には泉質名に「含硫黄」も付けるべきです。
 本来の源泉は、県内でも最強の成分だと思われますが、何倍にも希釈されて、本来の源泉の味わいを感じ取ることができないのが残念です。

 入浴後の休憩場所は、館内に多数ありますが、まずはロビーでクールダウンしました。

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 本来であれば、正面に粟ヶ岳が見えるのですが、何も見えません。

 その後は2階に上がって、広間で休憩しました。

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 カラフルな和傘のディスプレイがきれいですね。

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 しばし、この原稿を書きながら休息しました。

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 給茶器のお茶は、かなり薄味でした。

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 束の間ながら、心身の疲れを取って退館し、雨降る中を車を進め、家路に着きました。

 豪華な館内で、浴室が充実し、休憩場所もいろいろあり、食事処のメニューも充実しています。
 浴室を含めて、館内にネコのディスプレイがあり、私のようなネコ好きにはたまりません。皆さんも探してみて下さい。

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 昨今の値上げラッシュの中にあって、800円(平日夜間割り引き600円)という料金は、館内設備を勘案しますと高くは感じません。
 近くならもっと利用するのですけれど、これからも時々利用させていただきたいと思います。