極上の翠湯を楽しむ 月岡温泉「美人の泉」

 仕事帰りのひと風呂。今回はエメラルドグリーンが恋しくて、月岡温泉の共同浴場「美人の泉」に行ってきました。
 前回行ったのがGW前の4月下旬でしたので、3か月もご無沙汰していました。どうりで恋しくなるわけですね。

 仕事を終えて、月岡温泉の外れにある「美人の泉」の到着。駐車場が空いていましたので、混雑はないようで安心しました。

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 軒先にツバメの巣があり、毎年ひなが生まれていますが、今年もすくすくと育っているようでした。

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 巣を見上げて玄関へと進みました。

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 玄関横の券売機で入浴券を購入します。

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 タオルなしで600円です。

 中に入り、左手の受付に入浴券を提出し、右にある下足棚に靴を入れて入案します。玄関前にすぐに浴室があります。

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 前回来たときと印象が違っていましたが、お気づきでしょうか。暖簾が新しくなっていました。

 では、温泉を楽しませていただきましょう。

 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠、ほかに鍵付きスチールロッカーもあります。洗面台には無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、硫化水素臭が立ち込め、浴槽には鮮やかなエメラルドグリーンの湯が満ちていました。
 今回はいつもより色が濃くて、窓の先に広がる庭の緑と同じ色に感じるほどでした。先客は2人だけで、空いていて何よりでした。

 洗い場は、浴室の手前側の左右に4か所+5か所の計9か所あり、2か所ずつで仕切りがあります。ボディソープとリンスインシャンプーがありますが、ボトルが透明なのは珍しいですね。

 洗身して浴槽に浸かりました。ほどなくして先客が浴槽から出て行かれ、以後5分ほどの間は浴槽を独り占めし、至福の時間を過ごすことができました。
 注湯口は2つ並んでいて、1つは循環湯、もう1つは新源泉が注がれています。浴槽の反対側に排湯口があり、オーバーフローされています。
 新源泉の注入分はオーバーフローされており、源泉の注入量も十分ありますので、掛け流し気分で楽しむことができます。空いていればですけれど。休日はイモ洗いの覚悟が必要です。

 硫化水素臭が漂うツルスベ感のある湯。自己責任で新源泉を手にすくってなめてみますと、苦くて不味い、まさに月岡の湯です。
 湯温は41℃程度でぬるめでしたが、その分、ゆったりと湯に浸かり、湯と対話しました。
 ポツリプツリと次の客が入ってきたところで浴室を後にしましたが、極上の翠湯を独占して満足できました。

 2023年6月8日付の分析書によりますと、源泉名は、月岡5号井。泉質は、含硫黄ーナトリウムー塩化物・硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。源泉温度 50.3℃、使用位置 42.0℃。湧出量 440L/分(動力揚湯)。PH 7.7 です。 
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.3、Na 1047、K 23.7、NH4 8.3、Mg 20.8、Ca 50.5、Sr 2.6、Ba 0.0、Al 0.0、Fe(II) 0.7、Cu 0.2、Zn 0.0、F 3.0、Cl 1061、Br 4.6、I 0.8、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 34.9、HSO4 0.0、S2O3 32.2、SO4 557.4、HPO4 0.2、HCO3 477.2、CO3 0.0、メタケイ酸 44.1、メタホウ酸 12.3、遊離CO2 16.0、遊離H2S 7.9 など、ガス性除く成分総計は3494mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つために加温、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用とのことです。

 これまで何度も書いてきましたように、10年前の分析書に比べて、硫化水素イオン(HS) が71.5から34.9mg/kgに、チオ硫酸イオン(S2O3) が41.4から32.2mg/kgに、遊離硫化水素(H2S) が8.1から7.9mg/kgに低下しており、硫黄分が大きく減少していますが、それは数字上のこと。温泉の楽しみは失われることはありません。新潟を代表する硫黄泉には変わりありません。

 湯上りには、いつものこれ。

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 ここの冷水器の水は、冷たくて美味しいです。

 廊下を奥に進みます。

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 奥の広間で、TVを観ながら、しばし休憩しました。

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 平日の夜ということで、空いていて良かったです。循環併用の湯ではありますが、月岡温泉の魅力を手軽に楽しむには「美人の泉」が最適です。混雑していない時を狙ってお楽しみください。