長期休館の前に・・ 「森の湯小屋 さぎの湯 しらさぎ荘」

 三条市の南部の「しらさぎ森林公園」内に、日帰り温泉施設の「森の湯小屋 さぎの湯 しらさぎ荘」があります。
 もともとこの場所には、合併前の栄町の老人憩いの家「しらさぎ荘」がありましたが、2004年10月23日の中越地震に被災して閉館しました。
 これに代わる施設として2007年12月7日にオープンしたのが、公共日帰り温泉施設の「しらさぎ荘」です。指定管理者として新潟ビルサービスが運営していましたが、2017年4月より指定管理者が現在の関越サービスに代わり、2017年4月16日に「森の湯小屋 さぎの湯」として新装オープンしました。
 リニューアルにより、ハンモックのある「さぎの森文庫」というブックコーナーが作られ、「さぎの森食堂」が新設されて食事の提供が始まりました。いかにも関越サービスという雰囲気が魅力に感じられました。
 オープン直後に訪問し、その後も何度か訪れたことがあったのですが、駐車場が満車では入れずに引き返し、利用を断念しました。
 今回は、9月1日(日)~11月30日(土)まで、浴室改修工事のため長期休館になるため、その前に利用しておこうと思い立ち、先週の土曜日に行ってきました。
 駐車場には入れないようなら断念する覚悟で行ってみたのですが、7年ぶりに利用させていただくことができました。

 三条市から見附・長岡と丘陵沿いを通る県道8号線から、案内板に従って山側に入り、坂道を上ったところに「さぎの湯」があります。

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 駐車場には数台分の空きがあり、予定通りに利用することができました。

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 玄関を入りますと、雑然とした館内が迎えてくれます。いかにも指定管理者の関越サービスらしく、「花の湯館」や「じょんのび館」と同じような空気感を感じます。

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 この温泉は、江戸時代中期から矢田鉱泉として利用されて湯治場として栄えていたそうで、その長い歴史を物語る古い鉱泉分析書の額が飾られています。

 靴を脱ぎ、少し歩いて正面にある下足箱に靴を入れます。受付横にある券売機で入浴券を購入し、下足箱の鍵とともに受付しますと、下足箱の鍵と引き換え用の番号札が渡されます。

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 入館料は、大人(12~64歳)400円、65歳以上300円、小学生以下100円です。フェイスタオル(販売)100円、バスチャオル(レンタル)100円です。

 階段またはエレベーターで2階に上がりますと、食事処兼用の広間と貸部屋があり、廊下の奥に浴室があります。
 広間はたくさんの人で賑わっており、入りきれなかった人がロビーのテーブルで食事していました。
 雑然として混雑したロビー、食事の受け渡し場所、貸し部屋の前を通って、奥の浴室へと進みました。

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 手前が「ほたるの湯」、奥が「はなしょうぶの湯」で、男女交互で使用されますが、奥の浴室の方が若干広いようです。今回の男湯は奥の「はなしょうぶの湯」でした。

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 脱衣場には鍵付きスチールロッカーと脱衣棚・脱衣籠があり、好きな場所を使用します。洗面台には魅了のドライヤーがあります。
 浴室入り口の足拭きマットは、同じ指定管理者が運営する「花の湯館」と同様の電気式です。

 浴室内の様子は撮影できませんでしたので、中の様子につきましては、前回のブログをご覧下さい。

 浴室に入りますと、手前に仕切り付きの洗い場が8か所あり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。ほかにシャワーが1か所あります。

 窓際には大浴槽があり、大きな手すりと、スロープ、段差の少ない階段があり、身体の不自由な人にも配慮されています。窓からは景色は見えませんが、木々の緑が美しく感じられます。
 浴槽には黄褐色透明な湯が満ちています。注湯口からは湯は供給されておらず、浴槽の底から供給されています。循環式で、オーバーフローはありません。

 洗身して浴槽に浸かりましたが、浴槽は浅めで、身体を斜めにしないと肩まで浸かることができません。
 黄褐色透明な湯は無味ですが、カルキ臭を感じます。湯温計は39.8℃と表示していました。数字的にはかなりぬるめですが、猛暑の時期ですので、一般的にはちょうど良い温度でしょう。

 平成29年11月22日付の分析書によりますと、源泉名は矢田温泉。2つの源泉の混合泉で、矢田温泉(自然湧出)と第二矢田温泉(動力揚湯)です。メタケイ酸の項により温泉に認定されますが、療養泉には該当しないため、泉質名は付きません。
 源泉温度は14.9℃、利用量は76.7L/分(矢田温泉2.7L/分:自然湧出、第二矢田温泉74L/分:動力揚湯)、PH 7.0です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 59.7、K 16.6、NH4 0.0、Mg 5.2、Ca 14.8、Sr 0.0、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.1、Fe(II) 4.9、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.2、Cl 17.9、Br 0.2、I 0.4、OH 0.0、HS 0.0、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 19.7、NO2 0.0、NO3 0.4、HPO4 0.8、HCO3 196.1、CO3 0.0、メタケイ酸 101.0、メタホウ酸 0.0、遊離CO2 24.1、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は438.6mg/kgです。
 
 通常は加水しないが源泉供給量が不足した場合や温度調節が必要な場合は水道水で加水、入浴に適した温度に保つため加温、衛生管理と浴槽内の温度を維持するため循環ろ過装置を使用、入浴剤の使用なし、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施とのことです。
 なお、湯温が38~43℃になるように加温され、イベント時には入浴剤を使用することがあるとのことです。

 湯上がりには、広間で休憩しようと思いましたが、混雑していて入り込む余地はありませんでした。通路の椅子で少しだけ休んでがまんしました。
 食堂の券売機横に、紙コップ式の給水機があったのですが、水が生ぬるかったです。水は冷たくないと掲示してあり、隣に製氷機があって、氷が使えるようになっていました。

 ハンモックがある「さぎの森文庫」があるのですが、ここは無人でした。

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 ジジイが一人、ハンモックで寝ているのもはばかれましたので、覗いてみるだけにしました。

 3階にはドーム状の天体観測室があるようですが、どう利用されているのかはわかりません。

 ゆっくり休憩することもできず、ほどほどのところで退館しました。

 公共温泉として低料金で利用できるのが大きな魅力です。オープン時から料金が値上げされていないというのは、このご時世では素晴しいと思います。
 指定管理者が関越サービスですので、様々なイベントを開催しており、それも人気になっているようです。

 ただし、前記しましたように、2024年9月1日(日)~11月30日(土)までの予定で、浴室の改修工事のため休館になります。

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 3か月に及ぶ長期の休館になりますので、ご注意下さい。どのように改修されるのか、楽しみに待ちましょう。